岸惠子自伝 (岸 惠子)
(注:本稿は、2021年に初投稿したものの再録です。)
著者の岸恵子さん。日本を代表する女優のおひとりですが、エッセイストとしても何冊も著作を世に出しています。
私としては、岸さんが出演された映画は「悪魔の手毬唄」「女王蜂」「たそがれ清兵衛」ぐらいしか観てはいませんが、それでも流石の存在感でした。
本書は、ご本人による自伝。岸さんの様々な面を垣間見ることができるとても興味深いエピソードが満載です。
まずは、岸さんが12歳のとき。当時住んでいた横浜の街が大空襲に襲われました。母親と別れて逃げ惑う岸さん。
その後、「君の名は」の大ブームを筆頭に女優として華々しい活躍を遂げた岸さんは、海外の巨匠といわれる監督から出演のオファーを受けました。
こういったチャレンジングな前向きさが岸さんの生き方の根底にあるのでしょう。
その後、岸さんはジャーナリスティックな仕事へと軸足を移していきます。アフリカ、イラン、パレスチナ・・・、危険な紛争地帯にも自ら足を運び、現地の模様に自分自身の考えも込めたレポートを試みました。
本書は、自伝というより “岸さんの言明の著” ですね。岸さんがその人生で貫いて来た信念がストレートに伝わってきます。