超凡思考 (岩瀬 大輔・伊藤 真)
現在、司法試験用の塾を主宰している伊藤真氏と、ネット生命保険会社の副社長岩瀬大輔氏という師弟コンビの著した本です。
内容は、二人の思考法・表現法等を開陳したHow Toです。
残念ながら、これといって特に目新しい気づきはありませんでしたが、いくつかのフレーズを覚えに記しておきます。
まず、「自分の弱点を直視すべき」とのアドバイスにおいて、岩瀬氏が紹介しているある投資家の言葉です。
次に、「専門性を大事にせよ」との主張のなかで述べられている岩瀬氏の一人立ちするための王道です。
どんな些細なことにも全力を尽くす。そこで自信をつけ認められることが次の躍進の第一歩になるという考え方です。特に、入社したての若い人に伝えたい姿勢ですね。
昨今のネット社会では、玉石混淆の大量の情報を入手することができます。その中から如何にして自分にとって意味のある情報を抽出することができるか。岩瀬氏は、有益な「情報の集め方」についてもコメントしています。
そして集まってきた情報に「so what?」と問いかけて、具体的に役立つ点を掘り出していくというやり方です。これは、コンサルタントの基本的なHow Toですね。
さて、師匠格の伊藤氏のコメントに移りましょう。
伊藤氏の説く「伝える技術」です。
伊藤氏は、伝えたいことを確実に伝える、つまり相手に「理解」させさらに「納得」させるためには、内容に「客観性」が必要だといいます。
その「客観性」をもたせる一つの方法が「リーガル・マインド」の考え方です。
著者たちは、最近のベストセラーとなっているビジネス書にみられるいわゆる「仕事術」には懐疑的です。
本書も、内容は間違いなく「How To本」です。
しかしながら、多くのHow To本と一線を画すのは、著者たち自身が「自著の方法論はあくまで参考であり、読者自身で自分に適した方法を見出すことを薦めている」という点でしょうか。
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