生きつづける言葉 情と知で動かす (平尾 誠二)
(注:本稿は、2020年に初投稿したものの再録です。)
平尾誠二さんにちなんだ著作は、本人著の「理不尽に勝つ」をはじめとして、以前も何冊か読んでいます。
本書は、平尾さんによる過去の著作6冊の中で語られた心に刺さる言葉を紹介したものですが、それぞれの章の冒頭に掲げられた羽生善治さん・岡田武史さん・山中伸弥さん・山口良治さん・佐渡裕さん・土田雅人さん等々、平尾さん所縁の方々による寄稿で改めて平尾さんの “人となり” を思い抱くことができました。
加えて、長年平尾さんを撮り続けた岡村啓嗣氏の写真とのコラボレーションとして構成されているのが特徴的ですね。数々の写真は、文章とはまた別の感慨を呼び起こします。
さて、改めて本書で再会した平尾さんの、とりわけ彼らしい言葉を書き留めておきます。
もうひとつ “「個」と「組織」” に関する平尾さんの信念。
「個」が強くならなければ、強い「組織」などつくれるはずがない、まさに私も完全に同意する平尾さんの考え方です。
そして最後は、“One for all, all for one”。
私も間違って理解していましたが、このフレーズ、「ひとりはみんなのために、みんなはひとつのために」なんですね。
最終目標は、“みんなでボールをつないでひとつのトライを取る”こと。確かに、その解釈の方が圧倒的にしっくりと納得できます。