Twitter社会論 ~新たなリアルタイム・ウェブの潮流 (津田 大介)
(注:このエントリーは2010年のBlogを再投稿したものです。10年以上の時を経て、ここでの津田さんの指摘を振り返ってみると、どう評価されるでしょうか?)
登録はしているものの、なかなか活用方法が確立できないでいるTwitterです。
本書は遅まきながら手に取った代表的なTwitter入門書です。
基本的なTwitterの機能や使い方等々はともかく、私の興味を惹いたのは「ツイッターとジャーナリズム」の章での解説でした。著者なりに、過去からの議論を踏まえ「ジャーナリズム」の特質を整理し、そのテンプレートにTwitterを当てはめて議論を進めていきます。
Twitterはこの機能を積極的・能動的に果たせるのか、Twitterユーザがこの機能を意図的に不正に使うのをコントロールできるのか、この点は、今後、Twitterがソーシャルメディアとしての立ち位置を獲得できるのかの重要な試金石のひとつとなります。
さて、メディアとしての原始的な機能である「伝達機能」。この点についてのTwitterの位置づけはどうなっていくでしょうか。
著者はこう述べています。
従前は、既存メディアはニュースの発生源を抑えて情報を囲い込んでいましたが、ソーシャル・メディアの発展でニュースは発生現場からリアルタイムで発信されるようになっていくというのです。確かに、最近のUstream等の活況をみてもこの流れは不可避でしょう。
そうなると、今後のメディアのKSFはどうなるか。
まさに重要なポイントは「信頼性」です。自らに役立つもの、信頼できるものに限って、利用者はコスト負担を甘受するからです。
ジャーナリズムの一形態のほかに、まさに現在、Twitterの利用方法があれこれ試行錯誤されているジャンルとして「企業広報・プロモーション」があります。
この点は、私も大変関心を抱いているものですが、著者のコメントはこうです。
とはいえ、筆者は2つの点で、企業がツイッターのアカウント開設のメリットを認めています。
企業での活用は、私のところでもトライアル的にあれこれと試みています。ともかく、何かやってみなくては始まりませんから。