運を天に任すなんて ― 人間・中山素平 (城山 三郎)
(注:本稿は、2021年に初投稿したものの再録です。)
この前、西和彦さんの「反省記」という本を読んだのですが、その中で西さんの生き方に大きな影響を与えた人物として中山素平さんが紹介されていました。
本書は城山三郎さんによる「中山素平さんの評伝」です。
中山素平(1906年(明治39年)3月5日 - 2005年(平成17年)11月19日)さんは、日本興業銀行頭取・経済同友会代表幹事等を歴任された日本を代表する銀行家。評論家の草柳大蔵さんが名付けた「財界の鞍馬天狗」との異名は有名です。
本書で紹介された城山さんが描き出す中山素平さんの人となりやエピソードは、どれもスケールが大きくそれでいてとても人間的なものばかりなので興味はつきません。
その中からひとつ “中山さんの考え方の基本” が現れているトピックを書き留めておきます。
終生、叙勲を断り続けたのも同根の信念ですね。
見事な姿勢だと思います。
さて、本書を読み通して特に印象に残ったくだりを二つ。
ひとつめは、社会人類学者中根千枝さんに対し、中山さんが自分自身を評して語った言葉。
もうひとつは、中山さんではなく土光敏夫さんに係るエピソード。
さすがに土光さん、ここまで徹底していたんですね。中山さんといい勝負です。(当時の一流の財界人の “気骨” ですね)
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