私が変わった時
北風と共にやって来る十二月
今年は特に風が冷たい
わたしの中では心も寒い
泣きたくなるくらいのさみしさを抱えている
どうにもならないと思っていた
なくしたものを追いかけて
探しまわる
ざわざわと胸のうちにある
いとしさ
もう丸二年
それでも私は生きている
無理矢理前を向こうと思っても
そんなことはできかねる
後ろにも戻れない
ただわたしの周りにはやさしい人がたくさんいた
みんなが黙って、わたしを見守ってくれている
そのやさしい気持ちに気がついた
こんなにもわたしは守られている
そう思えた時から
わたしは変わる
少しだけあたたかい気持ちになれる
母のいなくなったことがほんの少し遠くに思える
やさしい人たちに誘われて
みんなでお寿司を食べに行く
久々に食べたお寿司は美味しかった
みんながそれぞれに重い荷物を背負いながら生きていることを知らされる
北風の吹く時期は
母の祥月命日
少しずつ、少しずつ
進めているわたしを感じる
寒いけど
さみしくはない
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