【全文公開】 CHAPTER 1-02 ゲストハウス黒崎BASE なんでもできる大人の秘密基地 | 田舎暮らしを科学する仕事っぽくないデザイン
「デザイン読書日和」という同人誌即売会&交流会で出典した『 田舎暮らしを科学する仕事っぽくないデザイン』(¥300)全60Pのスローライフエッセイ、全文公開チャンレジです。
一つずつ公開していきます
CHAPTER 1-02 スローライフを幻想で終わらせない 今からはじめる自分中心設計
社会に合わせて終身雇用という仕組みが変化し、複業スタイルやフリーランスなど働き方の多様性は急速に広がりを見せています。田舎暮らしはお金にも時間にも余裕のあるヒトの贅沢な暮らしとして古くから憧れの対象でしたが、現代的に実現可能なスローライフについて考えて見ましょう。
CHAPTER 1-02-01 みんなの憧れで、幻想のスローライフ
人生100年時代において「デザイナー/エンジニア」という職能で恒久的に食っていけると思いますか? この問いに対して自信をもって答えを出せる人は少ないかもしれません。 市場の変化も激しく技術の変革に伴って我々の作り出すモノやコトはもちろん、使い手であるユーザーにとっての「最適」は絶えず進化し続けます。学び続けるのも楽じゃありません。
まだ東京で消耗してるの?と、不労所得やストックビジネスで食っていくことに憧れるかというとそうでもなく、自分の好きなことで飯を食っていきたいという矛盾を抱える...我々はそんなめんどくさい悩みを抱える人種なのだと思います。
図 : 仕事終わりや合間にも3秒で異世界や自然に飛び出せてリフレッシュできそうなデスク環境
CHAPTER 1-02-02 Re:ゼロからはじめる半農生活
ぼくもそんな悩める人間の一人ですからすべてのコミュニケーションに疲れて異世界転生したいと思うことも多いです。
5年前に複業で農業民泊を立ち上げ意識高い系キャリア論から逃避し離職、ちょっと早い半農スローライフをはじめたわけですが...そこに待ち受けているのは未知の課題だらけ。
ゲーム「牧場物語」では、何もない荒れ地からフロー理論を上手く活用した理想的な成功シナリオへと繋がっていきますが、現実の半農生活は生活日稼ぐための業務の合間に地獄のような農業タスクを上乗せされる、とてもじゃないけど「好きじゃなければやっていけない」に皮肉にたどり着くのです。
図 : ゼロからはじめた菜園で掘り出された障害
葛というツタ植物の根はモンスターのように手強い
CHAPTER 1-02-03 田舎暮らしの愉しさや課題を素因数分解する
そもそも田舎暮らしに「適正がない」だとか「思ったより大変だった」みたいなことは、今となってはあるある話です。
半農系Youtuberが、ビデオブログとして魅力的なコンテンツを生み出しつつけていますし、全部を鵜呑みにしてやろうとなると結局疲れてしまいます。キラキラしたものでなく少しずつ生活の中に取り込み、続けられて価値を感じられるものとそうでないものを選択する権利は誰にでもあります。
僕たちは田舎暮らしの愉しさやスローライフのあこがれにどの様な期待をしていたのでしょうか?
すぐに落胆せずに愉しさや、感じた課題を素因数分解してみると、丁度いいサイズのトライや継続可能なアイディアが湧くかもしれません。
図 : 筆者の考える田舎の愉しさはニワトリを飼うこと
資源がない無からタマゴを産み出すのは”豊かさ”の象徴
CHAPTER 1-02-04 無理に全部を”生き甲斐”にしないゆるく続ける自分の軸づくり
個人的な意見ですが、デザイナーやエンジニアなどモノづくりを生業にしていたり好きな方は間違いなく適正があると考えています。それぞれの仕事の進め方やモチベーションの在り方が変わるように田舎暮らしも同様にスタイルが別れるはずです。
人生の限りある時間ですからプライベートくらい自分中心設計に極振りしてもバチがあたりません。自分の「生活環境設計」や「行動パターン」を自分自信が喜ぶ形にカイゼンしたり、部分導入してみませんか?
図 : 小規模集約システム設計を取り入れた環境構築
パーマカルチャーデザインを取り入れた住む環境づくり
まとめ
この節では、世の中でのんびりスローライフという認識を持たれがちな田舎暮らしというスタイルが、実は泥臭く身の周りを取り巻く環境への適応課題と向き合うことが求められることに触れました。その中でも持続性が高そうなちょっと外した愉しみ方、取り掛かり方のtipsを紹介しました。
次回に続く。