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【全文公開】CHAPTER 1-03 ゲストハウス黒崎BASE なんでもできる大人の秘密基地 | 田舎暮らしを科学する仕事っぽくないデザイン

デザイン読書日和」という同人誌即売会&交流会で出典した『 田舎暮らしを科学する仕事っぽくないデザイン』(¥300)全60Pのスローライフエッセイ、全文公開チャンレジです。

一つずつ公開していきます

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CHAPTER 1-03 ゲストハウス黒崎BASE
なんでもできる大人の秘密基地

2015年に創業した農業民泊型のゲストハウス「黒崎BASE」。複業デザイナーが独りではじめた地方創生は、”旅をするように働く”ことや、”遊びぶように働く”ことを諦めない大人たちに利活用されるような”システム”をデザインすることからはじまった。

CHAPTER 1-03-01 「コ・デザイン」を実践する社会の機能としてのゲストハウス

デザインという行為はいつからデザイナーの聖域になったのでしょう。本来「デザイン行為」とは仕事の中のタスクではなくオブジェクト指向でありつつも、組織的な枠を越えて担い手を通し、周囲にも発見や学び、洞察をもたらす協業的な態度そのものであり、人間的生活の営みの一部あったといえます。
もちろんデザイン行為の定義やデザイナーの役割は組織やコミュニティで異なりますが、解釈をするのはあくまで個であり、活かすも殺すも担い手の意思次第です。僕はそんな組織や社会のしがらみに囚われず、デザインすることをより自由に拓けるサードプレイス的環境をつくることを夢見ました。

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図 : 金沢工業大学「toiro project」による工作

デザイン行為を仕事っぽくない領域に開放して実践することは、付け焼き刃のワークライフバランスという言葉よりも重く響き、労働によって得られる喜びや達成感、生活の営みによって得るべき喜びを再定義することができます。
専修大学の上平先生の著書『コ・デザイン』でもデザイン行為の共業によって、見落としがちな視点を提示する力、領域の壁やしがらみを破壊する力、当事者自身を力づけ持続させる力などを生みだすことができると述べています。
しかし、成熟した大人がその様な新しいチャレンジをする場をすぐに構築できるかというとなかなかそうもいきません。一つの手段としてゲストハウスやワーケーションの利用体験は新たな習慣を身につける機会として活用することはできるかもしれません。

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図 : Airbnb に登録中の物件 里山里海に触れ、農業をはじめとしたやハイブリッドなモノづくり体験ができる

CHAPTER 1-03-02 ローカルとグローバル 組織を越えて文化が交わる滞在体験へ

ゲストハウス黒崎BASEは石川県加賀市橋立区に属する里山里海に囲まれた地です。The 田舎でありますが小松空港やインターからはアクセスしやすく、シェアカーなどを活用して国内外のグループで多様な宿泊ゲストが訪れます。古民家型の民泊は属性上、そういった複合グループでのサービスの体験を提供しやすいことで現地のアクティビティを活用した交流イベントや、組織枠を跨いだデザイナー・開発者合宿などを実施しています。

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図 : DMMメンバーによるチーム横断開発合宿

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図 : 海岸で記念撮影、滞在体験を通した国際交流

CHAPTER 1-03-03 オンライン/オフライン 人が集まるシステムづくり

ライフスタイルやステージが変わるとなかなか遠出をしたり、地方に何度も訪れることが難しくなることも多いです。その課題は顕在的でしたが追い打ちをかけるようにコロナ禍では外出規制がおこなわれ旅行プランがキャンセルなったり世の中の観光業は大打撃を受けました。
世の中がフルリモートワーク推奨になり、イベントもオンライン配信がスタンダードになったからこそ、今後を見据えてオフラインでの現地体験とオンラインの参加体験の同期する環境設計が必要となってきました。一つのチャレンジとして合宿や滞在プランでリモート参加枠を作ったりと通信環境の大幅アップデートを実施しました。2020年の夏には多くの学習カンファレンスが中止になった中で参加者数2,000名規模の「UX MILK ALL Night」という祭典を現地からの配信でおこなうことができ、地方でも全国規模のイベントが配信可能という証明ができました。

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図 : 大規模配信「UX MILK ALL Night」 配信風景

まとめ

この節では、当時会社員をしながらあるものベースでゲストハウスを0から立ち上げるに至った起点や、普段の仕事や職能を関連ずけた複業の広げ方について触れました。社会的な機能としてのゲストハウスの体験設計や、旅や地域の滞在体験としての一連の接続性を視て、どのように仕組みを作っていくべきかを自分なりにまとめてみました。

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独りからはじめたといっても、結局は独りで作りきれるものの質や規模も限りがあり、どのようにあるべき体験のあり方の「例え得ぬ良さ」を追求していくかを考えてみます。

設計することを誰かに専任しない、みんなで良いをつくっていくを考える内容でした。

次回に続く。

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Noriaki Kawanishi
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