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【全文公開】 CHAPTER 1-01 雲を測る生活をはじめよう | 田舎暮らしを科学する仕事っぽくないデザイン

デザイン読書日和」という同人誌即売会&交流会で出典した『 田舎暮らしを科学する仕事っぽくないデザイン』(¥300)全60Pのスローライフエッセイ、全文公開チャンレジです。

一つずつ公開していきますので、タイトルにご興味の湧いた方はぜひBOOTHでポチってください。モチベ上がります。

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CHAPTER 1-01-00 "見ることは知ることだ"雲を測る生活をはじめよう

2020年は新型コロナウィルスの影響で良くも悪くも世界の仕組みや常識が大きく変化しました。劇的な状況の変化で自らのキャリアやライフプランに思い悩んでいる方も多いのではないでしょうか?まずは田舎暮らしという一つの手段にこだわらずデザイン行為の向き合い方で変化の起点を作ってみましょう。

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CHAPTER 1-01-01 雲を測る生活をはじめよう

金沢21世紀美術館には、「雲を測る男」という屋外恒久展示があります。本作品は、『終身犯』という映画の作中で監獄に入れられた主人公が独房で小鳥を飼い、鳥類学者となった実話に基づいています。映画のエンディングで研究の自由を剥奪された主人公が、「今後は何をして過ごすのか」と問われ、「雲でも測って過ごすさ」と答えました。
人間の生と死、そして、自然科学と「雲を測る」という詩的な行為など、様々な要素を併せ持つ作品。作者はヤン・ファーブル。世界的に有名な昆虫学者でありながら優れた教育者で科学者であった『ファーブル昆虫記』の著者ジャン・アンリ・ファーブルの子孫です。

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参照 : 金沢21世紀美術館の恒久展示「雲を測る男」

僕の生まれは石川県で、こどもの頃からファーブル博士に憧れる少年で、いつか博士のように田舎で自分の好きな生態研究や創造的活動に没頭する生き方に憧れた一人です。私が大人になり、デザイナーと言う仕事を生業としても変わらず、彼の学問に対する向き合い方とデザイン行為への探求心、そして社会や組織に行動を抑圧されても態度を変えない一貫した姿勢に、感銘を受けたこと覚えています。
ヤン・ファーブル氏が作品に彼の生き方と価値観を重ねたのかわかりませんが、僕にとっても「雲を測る」ということは、世の中や自分を取り巻く環境がどれだけ変動しても、人間的な喜びと探究心を忘れずにサバイブしていく為の言霊だと考えています。

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図 : セリニアンにあるアルマス・ドゥ・ファーブルの庭

CHAPTER 1-01-02 田舎には何もない?都会はすべて揃っている?

2020年は新型コロナウィルスの影響で良くも悪くも世界の仕組みや構造、常識が大きく変容する起点となりました。
コミュニケーションコストが高いと推奨されなかったフルリモートワークは当たり前となり、地方への移住が逃避行ではなく攻めの姿勢と再評価され、先んじて多拠点生活やリモートワークのノウハウを持つ人はより行動特性を重宝される用になったと言えます。
インターネッツと物流が発展した今では、一定水準のITリテラシーがあればどこでも不自由はしないでしょう。消滅可能性都市と言われた日本の辺境、加賀市でさえ何にでも手が届き、能動的に働きかけ努力を惜しまなければ、情報も人脈も手に入るチャンスは巡ってくるでしょう。
また新しい文脈で自然淘汰か適者生存の議論が繰り広げられるでしょう。

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図 : 加賀市が2020年に発表した「スマートシティ宣言」

CHAPTER 1-01-03 見ることは知ることだ

「仕事っぽくでないデザイン」と題した本書ですが。あらゆるデザイン行為の代表的な手法論であるプロトタイピングなども、結局は全ては見て触って実践することの繰り返しです。
観察する対象は仕事た特定の組織の範疇に留めるのはもったいないと思いませんか?ファーブル博士が貫徹した『自らの手で試し、目で確かめる』という姿勢こそ、ビヨンドコロナ時代に求められる生きる力ではないでしょうか。

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図 : ファーブル博士の研究の様子、高価な機材がなくともフィールドワークを通して高度な観察を深めた

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図 : 『自然学のデザイン』/ 蝶のプロポーションに注目した科学的な分析

まとめ

書籍の序章ということでポエムチックですが、僕の生業デザイナーとしての人生観に大きく影響したアンリ・ファーブル博士の哲学と、子孫でありアーティストであるヤン・ファーブル氏に受け継がれた価値観を紹介しました。

情報化する社会での喧騒から離れ、自然豊かで牧歌的な場で創作的な活動を生涯続けることの態度に注目し、後続する展開につなげています。

見返してみてもよくわからない部分も多かったので多分リライトします。

次回に続く。



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Noriaki Kawanishi
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