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スポーツによる骨折 早期回復するために役立つこと
久しぶりに書きます。テニスは変わらず定期的に行っている中、最近骨折をしたという方と何人かご一緒する機会がありました。私になにかできることがないかと思いましたが医師ではないため、医学的治療のお役に立てることができません。ですが、分子整合栄養医学栄養アドバイザー、オーソモレキュラー 認定ONE、食育アドバイザー、調理師の資格を持っていることにより、普段の体が喜ぶ生活習慣や症状に必要な栄養面について書けることがないかと思い綴ります。
①骨折後の回復を早める
②必要な栄養素(骨の材料、骨芽を促進する)
③動くこと
①骨折の回復
骨折すると自然治癒で骨と骨がくっつくよう回復を待つことになります。骨を作る働きを促進させるには、十分な栄養が体内にあると、〝骨芽細胞〟という骨を作る細胞が活性化し、治るスピードも早くなります。
②必要な栄養素(骨の材料、骨芽を促進する)
必要な栄養素は〝カルシウム〟と、まず最初に思い浮かぶかもしれません。
正解ではありますが、骨は〝タンパク質〟から出来ています。つまりカルシウムだけせっせと補給するだけが正解ではありません。私自身、栄養の勉強を始めた当初、骨=カルシウムと思っていたので、骨の主材料がタンパク質だと知ったときは驚きました。
まずタンパク質。おにぎりでサッと済ませていたり、炭水化物のうどんやパスタがメインのお食事ですと1日に必要なタンパク質摂取量は不足気味になります。『お肉・お魚・豆類、プロテイン』などを食べるようにします。
ではどのくらい食べればいいの?
年齢と性別、体調に応じてタンパク質の必要量も違います。
厚生労働省「日本人の食事摂取基準 (2015年版)」では、1日のたんぱく質摂取量として、成人の男性で60g、女性で50g、育ち盛りの15~17(歳)であれば65gの推奨量が定められています。しかし、これは十分な量というより、摂取不足を回避できるというレベルの量です。
一食でタンパク質を摂取する目安は約20gとして考えた場合、(この20gとは食材の重量とは異なります。)
1食20gとなると、クリアするのは先ほどのお食事ですとさらに難しくなります。例えば、トマトジュースとコンビニおにぎり1個で、朝食を手早く済ませてしまったら、たんぱく質摂取量はたったの4.9g。20gにするには、15.1gも不足しているのです。
肉や魚の部位によって厳密にはたんぱく質量は異なりますが、約100gでたんぱく質20gがとれると思っていたら簡単です。また、肉や魚が片手のひらに乗る量を目安に摂るとストレスになりません。
生姜焼き用の豚ロース4~5枚が100g。
サケの切り身なら、約1枚が100g。
朝食を食べなかったり、朝は軽くパンで済ませると…1日のタンパク質量は昼と夜に補うことになりますが、一気にタンパク質を食べるにはボリュームがあり、あまり食べれない、ということもよく耳にします。
そうなると十分な栄養が不足するため、骨の回復スピードも落ちるのは想像に難しくはない、ということになります。
過剰な摂取は良くないですが、骨の回復のためにも必要な量は三食または補食するなどし、しっかり補っていただいて健康な日常を送っていただけたらと思います。
※奈良区役所 健康増進課のHP とても分かりやすいです
https://www.city.nara.lg.jp/site/otonanokenkou/5621.html
また、骨のタンパク質(オステオカルシン※)の合成に使われるビタミンも併せて組み合わせます。それは、ビタミンKとビタミンDとか。食材ではキノコ類や納豆に多く含まれます。
※オステオカルシン 参考
http://www.seikatsusyukanbyo.com/calendar/2018/009754.php
③動くこと
「歩くこと」でCaが骨に戻るように仕向けることも重要になってきます。人間の体はただ栄養があっても代謝されなければ意味がありません。骨を作るためには骨回転のスイッチを働きかけることが必要です。骨回転は「破骨→骨芽」というサイクルです。
骨回転のスイッチに良いのは例えば「歩くこと」。筋肉をつけて骨に負担を軽減させていくことも大切です。
骨折し、動かなくなると筋肉量が減ってしまい、体力が落ちるだけではなく、骨折をすると骨の修復のために必要な栄養素が骨に優先されるため、物忘れが起きやすくなります。高齢者の方が骨折すると認知症が進行してしまうのもこのような理由からです。
以上、骨に関係する栄養素と運動のお話しでした。