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息子が自閉スペクトラム症&知的障害と診断されて前を向くことが出来た話

海苔巻しおりです。
興味を持っていただき感謝です。

息子は現在6歳ですが、
2歳台の時に
・自閉スペクトラム症
・軽度知的障害
と診断されました。


いや、正確には
「自閉スペクトラム症」は病院で診断されたけど、
「軽度知的障害」は
"療育手帳"というものを取得したという事象で
認定された、と言った方が正しいか。

さらに言うと、診断書には
「自閉症スペクトラム障害」って書いてある。

自閉スペクトラム症なのか…
自閉症スペクトラム障害なのか…
正しい名称がいまだによく分かっていないけども。

育児記録もかねて始めたnote、
まずは息子に件の診断が下りて
前を向けた話をします。


0歳10か月頃から感じ始めた違和感


「自閉症」って聞くと、
皆さんはどんなイメージがあるんだろう。

恥ずかしながら、私は
・一切笑わない
・夜寝ない
・自分の殻に閉じこもっている
(自閉という漢字のごとく)
という、
めちゃ低い解像度しか持ち合わせていなかった。


息子は、生まれてから4か月を過ぎるころには
途中で起きずに一晩まるっと眠るようになったし、
笑顔もよく向けてくれたし、
首すわりもハイハイもつかまり立ちも
ほぼ平均の成長スピード。

母子手帳の
「子育てに不安や困難を感じる事はありますか」
の質問にも、
答えはずっと「いいえ」だった。

予防接種時もほとんど泣かず、
ミルクもよく飲み、
なんなら「育てやすい」感覚まであった。


今思い返せば、
最初の違和感を感じたのは、
乳歯が生え始めてから通いだした
小児歯科での出来事だった。

今でも通っているその小児歯科では、
近い年齢の子たちが集まって
親子で歌や楽器を楽しみながら歯磨きをする、
というイベントが月1回のペースで開催されていた。


通い始めて4回目、息子が0歳10か月の時。

毎回会う顔なじみの同じ月齢の男の子が、
お母さんの真似をして、歯科衛生士さんに
"バイバイ"
と手を振っていたのである。


「周りや育児書とかを気にし過ぎない方がいい」
という情報を得ていた私は
当初そんなに気にしていなかった。

だが、
その顔なじみの子が
11か月の時には「ママ」と喋り、
1歳を過ぎる頃には大人の簡単な指示に素直に従い、
あれよあれよと成長していく姿を見て、
少なからず衝撃を受けていた。



え、なんかもう、人間じゃん。




なぜなら、
当時の息子の様子といえば
・奇声はあげるが喋る気配がない
・簡単な指示なんぞ通ったことがない
といった感じで、
まだまだ ”赤ちゃん” みMAXだったからだ。


が、
・個人差はけっこうあるらしいし…
・まだ1歳だし…
・顔なじみの子が神童なんだろう…すごいな…
と思っていた。

心の底に若干の違和感を残したまま。



予想と少し違う形で引っ掛かった
1歳半健診


当初予定されていた1歳半健診は、
新型コロナによる緊急事態宣言下だったため
延期され、1歳10か月頃に受ける事になった。

実を言うと、
絶対に引っ掛かるだろうなと思っていた。

むしろ引っ掛からない方がおかしい。

理由はズバリ、
意味のある言葉を
一つも話せていなかったからである。


当時の私は
言葉が一切出ていなかった事だけが気がかりで、
その他の様子は特に問題視していなかった。

というか、気づけていなかった。



健診で引っ掛かった大きな理由は、
・相互コミュニケーションがほぼ取れない
・目が合いにくい
だった。

全然予想していなかった理由だったので、
まさに寝耳に水。

え?子どもってこんなもんなんじゃないの…??
コミュニケーションが取れないのは
言葉が出ていないからじゃないの??


どうやら人の成長過程というのは、
自分だけの世界

徐々に相手がいる世界に興味が出てくる

相手とコミュニケーションを取りたいと思うようになる

発語
という順序になっているらしい。

なので、
「発語の有無だけを気にしても意味がないよ」
と言われたのだが、
これを本当の意味で理解出来るのに
実に約3年かかった。

その話はまた別の機会に。



そんなこんなで、
頭の中が「???」状態で
思考回路が停止していた私。

「ま、成長は個人差も大きいですし…じゃ、これで」
とそのまま締めようとしていた保健師さんの言葉で
我に返り、
「これから私は…
親として何をどうすれば良いんでしょうか…?」
と必死で絞り出した。


すると、
「ご希望であれば、発達健診というのを
受けられますが、どうされますか?」
との事。


くい気味に二つ返事でお願いをして、
2歳になった時に受けられるように予約を取った。


これ、そのまま流れで発達健診を予約せずに
帰宅していたらどうなっていたんだろう…と思うと、
当時の私を抱きしめて褒めてあげたい。

基本的に福祉サービスを受けたい場合
こちら側からガツガツ動かないと何も進まない

という事を
この先何度も思い知らされることになるのだが、
それもまた別の機会に。


2歳の発達健診


あっという間に2か月が経ち、
2歳になった息子は、
やっぱり発語がないままだった。

加えて、自分の思い通りにいかないことがあると
頭を叩くなどの行動が出てきていた。

そして、
1歳半健診の少し前から
保育園に通い始めていたこともあり、
送迎時に同年代の他の子たちの様子を見ることで、
息子の成長具合が周りと違うことを
私は少しずつ把握しつつあった。

小児歯科で出会ったあの子は神童ではなく、
うちの子の発達の問題なのかもしれない、と。


…ただ
・成長は個人差も大きい
・何か診断されたわけでもない
ので本当にもどかしく、

1歳年下の保育園の子達が
「ママ、〇〇した」
とたどたどしくもしっかり何かを伝えようとしている
姿を純粋にほほえましく見ることが出来ず、
そんなドス黒い自分に嫌気もさしていた。


そんなこんなで受けた2歳での発達健診。

1歳半健診同様、
保健師さんと日常の様子を話して
終わりかと思っていたが、
発達検査を行うことになっていた。


これが息子が初めて受けた、
新版k式発達検査だった。


結果は、全体の発達指数は77だが、
言語・社会面は54。
2歳にして約1年の遅れ。

当日は、
・終始視線が合いにくい
・言葉での呼びかけに対する反応は薄い
・自分の興味を優先させるマイペースさが強い
という、現在にも通じる特性バリバリな様子を
フィードバックしていただいたが、

「保育園にも通い始められたということで、
今すぐに特に何かできる事はないので…

とりあえず様子見しましょう

との事で、お開きとなった。



病院受診からの診断

「とりあえず様子見で」
と言われて
「そっか、とりあえず様子見るか」
と受け入れられる心の余裕はなかった。

「とりあえず生で」
と生ビールを飲むのとはわけが違う。


言われてみれば確かに、
「親に向かって声を発する時は
本人が何かしてほしい時だけで、
こちらからの関わりには反応薄いなぁ…」

という気づきを健診で得た私は、
何がどうでどうしたら何なのか…
何にも良く分からずフワフワしたまんま、
とにかく何でもいいから
情報が欲しくてネット検索しまくり、
たどり着いたのが
療育」という単語だった。

どうやら療育というものをすることで、
なんかいい感じになるのかもしれない…!

という
これまたフワッフワの知識のまま、
療育が受けられるっぽいところ(児童発達支援)
へ見学に。

すると、
「受給者証はお持ちですか?」
と問いかけられた。


じゅ、じゅきゅうしゃしょう…???
なにそれおいしいの?状態。



…もう、ここから本当に大変だった…!!

児童発達支援サービス(未就学児対象)や
放課後デイサービス(小学生以上対象)を
受けるには、
「受給者証」というものが必要になって、
それを取得するには
・医師の診断
もしくは
・療育手帳の取得
が必要とのこと。

他にも
「個別支援計画」の作成が必要で、
その作成を行ってくれる
「事業所」との契約も必要で…

私はいつどこで何の手続きをすればいいのか、
療育の利用開始までの手順を理解するのが
大変だった…!
(私だけかな…)


とにかく「受給者証」ってやつを取得しない事には
何も出来ないことが分かったので、
たまたま1か月先に1枠だけ空いていた
病院の予約を取り、
「自閉症スペクトラム障害」の診断が
おりることとなった。

その4か月後には療育手帳も取得することになり、
知的障害を有しているという事にもなった。


何者か分からない事が一番つらかった

色々書き出すときりがないけど、
息子への診断がおりるまでの流れは
大体こんな感じ。

こうやって振り返ってみると、
・どうして息子が自傷行動を取るのか
・どうして息子は話さないのか
・どうして息子は…
と、
「どうして」が積み重なって
大きな塊になっていた時が
本当につらかったかも。


今もつらいこと、毎日たくさんあったりするけど、
自閉症や知的障害の情報を調べたり、
病院の先生に聞いたり、

特性や障害が分かると
対処法が格段に手に入りやすくなるし、
茫漠とした不安感は減らしやすいのかな、
と思ったりしています。

"スペクトラム"という名前のとおり、
同じ「自閉スペクトラム症」という
診断がおりていても
特性は本当に人それぞれゆえ、
個々で適切な過ごし方を探っていく必要は
あるだろうけど。

診断を経て、ちょっとだけ、前に向けたかな。


ほんと、
「とりあえず様子見で」は
親の立場からすると怖いよー!!泣

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海苔巻しおり
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