大阪を散歩、大陸を散歩
秋の大阪を散歩した。
GRのカメラを持って適当にパシャパシャと。
しばらく日本を、つまりは大阪を離れるので、どうしても中村屋のコロッケを食べておきたかったのに、到着した直前に売り切れてしまっていて食べられなかった。本当はおにぎりとコロッケと、アマノフーズの味噌汁に水筒のお湯を注いで大阪城でピクニック予定だったが、コロッケ無しとなり、わびしいピクニックとなってしまった。
ちなみに中村屋のコロッケは、食べたらすぐに分かる。
はっきりと言えるのは、この世の中には2種類のコロッケしかない。
中村屋のコロッケか、それ以外か。
誰かのような言葉だがこれは本当。
あの絶妙に甘いコロッケは中村屋しかない。浜ちゃんが1番美味しいと言ったせいで名物が超名物になってしまい、売り切れる時間が早まっている気がする。どうにかしてほしい。それはさておき。
秋の終わりの装いの大阪城で味噌汁とおにぎりだけ食べて、少し散歩し、クリスマス仕様の大阪城ホールを見つけてふふふと笑った。
この日は珍しく数駅だけ電車に乗ってコリアタウンへ。
キンパ研究所でやみつきキンパを買って食べ歩き、変な時間のため客の入っていなかったソソモンでドラム缶焼肉を食べて、おとなしく帰った。
ソソモンは韓国ソウルの新村で食べたドラム缶焼肉のお店によく似ていたし、焼いたカルビを、火にかけたニンニクの入ったタレに浸けて煮て食べる方法が、なかなか斬新で味変ができてそれが最高に美味しかった。
次の日も用事で大阪駅にきた。
最近は珍しく土日の予定を午前中に入れるようにしている。急な予定を午後から入れられるようにするためである。1日が有意義に使えるのだが、起きるまでダラダラ寝ることができないからあまり好きな予定の立て方ではない。でも、私に残された土日はもう数えるほどしかないから仕方ないので、頑張って土日なのに午前中にベッドを出るようにしている。
あまり見慣れない空が明るい時間帯の大阪駅の街並み。
そうだ、あそこへ行ってみよう。
福島まで歩いて移動することにした。
お気に入りのnoteの人だいふくだるまさんのおすすめのスパイスカレーのお店「大陸」へ行ってみることにした。
私は大阪にずっといる大阪人なのに、大阪のおすすめを大阪以外の人から教えてもらう。これも逆輸入だなと面白く感じる。
私の1番よく行くカレー屋はCoCo壱だし、好きなカレーうどん屋は唯一無二の得正だし、好きなインドカレー屋さんはスターオブインディアだった(今はもうない。)
そんな私だが、大阪のスパイスカレーはあまり手を出してこなかったので楽しみだった。
メニューは大陸カレーのみ。
ラッシーにスパイス(カルダモンかな)がかかっていて美味しい。
カレーは、本当に大陸になっていて、キーマ、豆、チキン、野菜、大根なます、クスクス、鰹節の味わい、えびせんなどなど。
なんじゃこりゃ。
どこ食べても美味しい。
スリランカカレーがベースらしい。
皿を回して食べて、何周かしたらごちゃ混ぜにして食べたらまた味が変わって最高。
青いお皿は海でしょうか。
この大陸、めっちゃ旅したい。
そして溺れたい。
お店に貼られたポスターのポールマッカートニーに見守られて完食。
旅関連の古い本と、ビートルズのポスターが貼ってあるお店は、もうそれだけで好きである。
私はもう少ししたらユーラシア大陸を旅している訳で、カレーの国も旅をするから楽しみである。
皿を回すごとにまた違う味に出会えてびっくりした大陸カレーであったが、旅とはそういうことの連続だろう。
ラッシーのコップには「豆と旅」って書いてあってその言葉の世界観に想いを馳せてみた。
私はコーヒーが飲めないので、世界の豆のうちかなりの部分を味わえないことにはなるが、美味しいものにはたくさん出会いたい。
大陸カレーを食べて気付いたのだが、昔ならきっと好き嫌い(食わず嫌い)が多い私なので、色々と選り好みして避けたりしたと思う。(ちなみにパクチー抜きを頼んではいるがそれは許して欲しい)
でもこのカレーは全部ペロリと平らげてしまったのである。
アレルギーのものは無理だが、昔よりも好き嫌いが減ったというか、好きじゃないものも食べてみようと思えるようになり、普通に美味しいやんと思えるようになってきているし、辛いものも年々食べられるようになってきている。
これは食べ物の好き嫌いがなくなったというか柔軟になってきたり、ありがたみを考えるようになってきたのかな、とふと思ったりする。パクチーは相変わらず抜いているが。
だから、昔よりも長旅中の食の心配は減っているし、色々新しい味に出会いたいとすら思ったりしている。食にあまり冒険しないタイプだが、ほんのちょっとだけ私の口の中に柔軟さが出ている気がした。何でも食べてみたいとウズウズしている。
早く旅に出たい。
前半の旅の楽しみは、知らない町の路地裏を散歩することと、陸路で国境を越えること。
国境をポンとまたいだら、全然違う国になるという、島国では味わえないあの現象の楽しさをまた味わいたい。実際問題、そんなに簡単に国境というものはポンとまたげなくて、大体がアクセスが大変だし、色々とハードな局面があったりするのだけど、そこが面白い。
とにかく知らない場所を散歩したり、長々ととぼとぼ歩いたり、バスや電車に乗って旅したい。
それしか決めていないが、それで十分とも言える。
よく知る町大阪を散歩しながら、1ヶ月後の私は、一体どこを歩いているのだろうかと想像した。
どこだか分からないけどきっと私は楽しんでいるに違いないと考えると、嬉しくなった。