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ホーリーに、インドでソロキャンプ!〜後編〜【インド#25】
インド、リシケシュの町から汗だくになりながら山に登ってやってきたキャンプ場。そこの場所の雰囲気も、そこで働く人たちの雰囲気も、非常に心地良かった。
キャンプ場でのいろんなことを、思い出すままに書こうと思う。
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テント設営!
ソロキャンプではあるものの、空いていたこともあり、テントは大きめのものにしてもらえた。従業員風の男性が設営してくれたのだが、お世辞にも上手とは言えない張り方だった。
ピンと張っておらず、ペグは一切使用していなくてグラグラしていたので、自分で近くにある岩を拾って重しにして紐にくくりつけたりしたが、紐がかなり劣化していて、簡単にちぎれたりする。
テントはホコリっぽくて、入り口の開け閉めをしにくい。相当使い込んだもののようだった。
テントの中には、厚めのマットレスが敷いてあり、いわゆるインドぽい柄の布が枕とマットレスに被せてあった。
パッと見た感じはすごく良い。
インドの隠れ家的なカフェのような雰囲気をしている。
しかし、1万年前からずっと使われているような雰囲気の古い布で、洗濯をしている様子は感じられない。靴を脱いで、バックパックを下ろして、防虫仕様の私のシルクのシーツを引っ張り出して、古代の布の上にかぶせて、その上に寝転がってみた。
どんな寝床でも、このシルクのシーツを被せてそれに包まれて眠ればセーフという、潔癖の私がなんとか生み出したルールがある。この薄っぺらいシーツ1枚で結界がはれると信じているので、大丈夫だ。
(シルクはAmazonでは売られてないです。)
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いい風が入ってくる。
景色も最高、気分も最高。
テントを開けっ放したまま、いい気分で横になっていたらいつの間にかそのまま眠ってしまった。ハードな山登りに疲れていたのもあったと思うが、汗をかいたままの状態で、テントを開け放したまま眠り、起きた時には少し鼻水が出てきていた。
風邪をひいちゃったかも。
いかんいかん、と思い、着替えて靴下を履いた。
夜はダウンを着て、借りた毛布を被って、水筒にお湯を入れて湯たんぽにして眠れば、ちょうど良いくらいの寒さで、寒いのは寒いが、耐えられないほどの寒さではなかった。
しかし、眠っていると鼻水とくしゃみが止まらない。
あーあ、風邪ひいちゃったかも。
でも熱はないし、それほどしんどくもないし、たっぷり寝て治そう。そう思った。
キャンプ場の人たち
キャンプ場に、デパンシュの彼女のキランという可愛い女性がギターを担いでやってきた。彼女は従業員ではないが、ホーリーのお祭りのイベントで忙しくなるデパンシュの仕事を手伝うためにきたらしい。みんなでここでお祝いするために来るのが本当の目的のようだ。
このキランがとても可愛くて、好感の持てる子だった。
デパンシュとアマンに、「君たちは人種が逆のようだね」と笑われていたのだが、それはこういう理由からだった。
「彼女は日本のアニメクレージーだよ」とデパンシュが紹介してくれたが、本当にアニメをよく見ている。アニメから入って日本に興味を持ってくれて、最近、日本語を勉強しているらしい。
アニメの中でも、「何とかタイタン」が1番好きだと言うが、ただでさえアニメに疎い私に英語のタイトルを言われてもさっぱり分からない。分かってほしいキランが、主題歌を歌ってくれた。
ササーゲヨー、ササーゲヨ、
シーンゾウササーゲヨ
なんか聴いたことがある。
知ってるかも。
捧げよ、捧げよ、心臓を捧げよ
おお!進撃の巨人!
そうと分かると爆音が響くスピーカーにBluetoothで繋げてその曲をかけて、私たちは興奮して一緒に歌った。
一方、デパンシュに私は、「ヒンディーフィルムクレージーだ」と言われていた。
私の好きなインド映画の話をして、「若さは向こう見ず」が1番好きで、この映画の曲は全部好きだと言って、一緒に「Balam Pichkari」を一緒に歌った。
ちょうどホーリーの色粉をかけるMVの曲なこともあって、ことあるごとにこの曲をかけてくれたし、私を呼ぶときは爆音スピーカーでこの曲をかけて私の名前を呼ぶ、というのが流行ったので、トイレにいてもテントでごろごろしててもこの曲が聴こえてきたら顔を出した。
デパンシュは、ちょっと前のアーミル・カーンを可愛くしたようなクリクリヘアーのメガネで、アマンは最近のアーミル・カーンを若くしたような恰幅のいいメガネ。
どちらもボリウッド界でいい人と言われているスターのアーミル・カーンに似ていた。
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キランちゃんは、パッと見た感じ、日本人ぽくて、ネパールとかチベットの血が入っているようだった。
3人とも親しみやすさが顔に出ているような人たちだ。
他にもシェフが働いているのだが、このおじさんが、何を作らせてもうまい。私の主観だが、私が食べてきたインドのご飯の中で、ダントツ1番だと思った。チャイも絶妙なスパイス加減。
こういう言い方は良くないだろうけど、山奥の小さなキャンプ場で、限られた食材しかない狭いキッチンで、こんなレベルのご飯を作れるなんて、天才だと思った。それをデパンシュに言ったら、「みんな驚くよ。ここのキャンプ場の1番の売りは、彼の作るごはんだからね。」とのこと。
そして彼の息子が2人ここに住んでいる。弟がやんちゃでよくシェフに怒られていたが、兄の方の、14歳のイケメンのサヒルはインスタグラマーで、フォロワーが1000人を越えている。キャンプ場の自然もアップしつつ、自分なりの格好良いポーズと音楽をあげるのが好きらしい。私のGRで何枚も撮らされた。山奥にいても、1000人以上と繋がれて、いろんな国の人から見てもらえているインド人の14歳の男の子の日常。いろんな夢を持つ彼を応援したくなった。
また、シェフの親戚の知的障害者の男性が1人いた。ニコニコしていて、普通にそこにいた。みんなと楽しく話したり子供らと遊んだりしている。ブラウニーという茶色い犬もいる。
正直な感想として、私のこれまでのインド旅の経験では、物乞いと、ガンジス川に親に連れられて来ている障害者しか見たことがなくて、インドで生活する障害者と初めて会った。
みんなが分け隔てなく接していて、とてもいいなと思ったのだが、一方で、カーストの下の人に対するヒンドゥー教のシビアな態度もこれまで見てきたので、頭の整理がつかなかった。ここの雰囲気がそうさせているのか、ここの人たちが特別なのだろうか。今もよく分からない。
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2日目の朝、のんびりしていると、キランがテントに来た。
「今日、8人のインド人男性グループがここに来て、隣のテントに泊まることになってるの。もし良かったら、あっちの離れた場所に移動する?近くにインド人男性グループがいると、騒がしいし、心地良くないかもしれないし。あっちなら、デパンシュや私がいる場所からも見えやすいし、何か不安なことがあったらすぐ駆けつけるし。荷物を移動させるのを手伝うし。」と彼女は言った。
移動は面倒だなと思ったが、気遣いが嬉しかったし、大勢の男に囲まれて女1人でソロキャンプで眠るのは正直居心地が悪いので、移動した。
移動した先は、風向きが変わったのか、全く風が吹き込んでこず、昼間は暑かった。
シャワーを浴びたら、もちろん水だったので、風邪がひどくなると思って3分くらいで終えた。
やってきたインド人8人組は、ITの会社に勤める会社内の同じチームの人たちで、いい人ばかりだった。
夜は一緒にご飯を食べたりお酒を飲んで、「ホーリーの日は、上下関係がなくなる日だから、この人は、明日は上司じゃなくなるんだ。だから、明日は色の粉まみれにしてやろうと思う。」と上司のおじさん以外の若手がみんなそう言っていて、「おい、今日は上司だぞ」と上司のおじさんは笑っていた。
明日は祭りで無礼講になって上司じゃなくなったとしても、明後日からまた上司なのにな、と私は思った。
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夜のキャンプ場
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キャンプ場の夜のこと。
デパンシュやアマンもいたから安心してビールを飲んでいたが、従業員風の男が、夜になるとお酒を飲んで私をずっと見つめて、「もっと一緒にいたい」「いろんなことを話したい」と熱い目で口説いてくるのが不快だった。私は45歳で結婚していて子供がいるという嘘をついて、しばらく無視をしていたが、それでもトイレに行って外に出たら、トイレの前にその男が黙って立っていたり、夜のキャンプ場の撮影をしていたらついてきたりして、怖かった。
アマンに、「あの人がしつこいく口説いてくるし、怖いから、どうにかしてほしい」と色々とチクったら、いつも優しいアマンが非常に厳しい顔をして叱った。その男に「もう寝ろ、部屋から出るな」と言ったようだった。従業員風の男は、アマンの友達が連れてきた知り合いの知り合いらしく、色々とキャンプ場を手伝ってくれている立場らしいが、「君に絶対に近付かせないから約束する。」とアマンが言ってくれたので少し安心した。
それでもソロキャンプなので、夜中に襲われたら怖いし、夜に何かあったらアマンとデパンシュにすぐにwhatsappでメッセージを送ることにし、持ってきていたワイヤーの鍵を厳重にかけて眠った。
夜中に起きてトイレに行こうと思ったら、そのことをすっかり忘れていて、自分のセキュリティが厳重過ぎて、なかなか開けられなかった。あわやトイレに間に合わないか、というところであった。
まあ私の危機管理対策のおかげもあって、夜は安心して眠れたし、怖い思いはせずに済んだ。
キャンプ飯 in インディア
朝食はシェフのおじさんに頼んでヌテラトーストやサンドイッチを食べたり、昼は野菜のパコラ(天ぷら)やアルーゴビ(ジャガイモとブロッコリーのカレー炒め)とチャパティをふるまってもらったりした。
オーガニックのジャガイモとインド名物の紫色の玉ねぎを分けてもらい、リシケシュで買ったツナ缶と合わせてツナじゃがを作ることにした。野菜の値段を聞いたら、アマンに「お金は要らないよ、その代わり多めに作ってみんなにふるまってよ」と言われて、少しプレッシャーがかかる。
ツナを入れること、使用する日本の出汁粉にはカツオが含まれていることをちゃんと伝え、ベジタリアンは食べられないよと忠告したら、その場にいたみんなが「問題ないよ」と言ったので、安心して作った。
外国のピーラーは苦手なのでジャガイモの皮を剥くのに非常に時間がかかったが、町から持ってきたコーラを入れて煮込む。(ちなみにここではペットボトルは売られていない。水は湧き水をそのまま汲んで飲んだが、お腹は壊さなかった。)シェフのおじさんは横で黙って見守っている。本当はツナではなく肉を使うんだけどね、と教えたら「へぇー、君はノンベジか」と驚かれた。
砂糖や塩で少し味を整えて完成。
なかなか良い出来だった。
みんなが少しずつよそって食べてくれて、正直、大絶賛とまではいかなかったが、残さず食べてくれたし、不思議な味だと言って、出汁のことを突っ込んで聞かれた。出汁についての英語の説明が、いつも私のキャパを超えていて難しい。出汁について英語で語れる準備をしておこうと思った。
チャパティやカレーとともに、他の宿泊客のインド人のインテリおじさんが頼んだピザトーストと、私のツナじゃがが並んでいる食卓を見て、これぞ異文化交流だなあと思った。
そこからは遠慮なく野菜を使わせてもらったので、ヘルスコンシャスのスーパーで買った韓国ラーメンに野菜を入れて作って、すすったりした。
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思えば、ここで食べたシェフの豆のカレーチャナマサラが、インドで食べた最後のカレーとなった。このカレーはしっかり辛いものの、かなり美味しくてパクパク食べたが、まさかこれが最後になるのとは、この時はこれっぽっちも思っていなかった。
夜になるとひどくなる鼻水とくしゃみは、もしかすると風邪じゃなくて、ホコリのアレルギーかも知れないと気付いた時は遅かった。
リシケシュの宿に不要な荷物を預けてきていたのだが、アレルギーの薬は全てそこに入っていて、キャンプ場にアレルギーの薬を持ってきていないことが判明。
これはヤバいぞ。
最後の夜は、ひどく咳き込むようになり、熱も出てきた。目も痒い。
厳重なセキュリティーをしていた私は過去となり、思い切ってテントを出て、外にある木でできた三角錐のリラックススペースを寝床にして、そこで毛布をかぶって眠ることにした。
ホーリーは、インドでは春の到来を意味する。インドの春は夏を意味するので、屋外で眠っても、初日ほど寒くない気がしたし、何よりアレルゲンがテント内のホコリだと特定できたので、安心して眠れた。しかし、初動の遅れが後々になって悔やまれることとなった。ここでアレルギー薬を飲めていたらなぁと思うのだが、今となっては仕方ないし、アレルギーの酷さに気づかないほど毎日楽しかったのである。
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ホーリー!
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色の粉をかけられたくないと事前に言っていた私だが、デパンシュからその意向を聞いていたらしい他の宿泊客のおじさんが、粉を持って私のところに来て、「少しだけいいかい?」と言って、ほっぺたにスッと赤色の粉で線を引き、「ハッピーホーリー!」と挨拶をされた。とても遠慮深い姿勢に申し訳なさすら感じた。
みんながいるところをテントから見ると、色の粉をかけあってる子供たちがいて、楽しそうにしている。少人数の限られた、顔見知りになった人ばかりでやりあう粉のつけあいは楽しそうに見えた。
私は汚れてもいい「Happy holi!」と書かれたTシャツに着替えて、みんなの元に向かった。
デパンシュとキランが粉まみれになって笑っている。
デパンシュに、「やっぱり私にも粉をちょうだい」と言うと、「やるのかい?いいの?」と確認し、私も「ワイノット?!」と言って粉を優しくつけあった。知り合いとやるのは、怖くないし楽しい。デパンシュは私の頭に薄い青色の粉をかけて、青に見えずにグレーに見えたので、玉手箱を開けた人みたいになってしまったが、楽しかったのでどうでもよくなった。アマンは私が粉まみれになっていることに驚いて、「大丈夫?この粉はオーガニックだから無害だよ。でもいいの?大丈夫?やるの?」とアマンも私に確認をした。私は返事の代わりにアマンの頭にピンク色の粉をかけて、笑い合った。
「Balam Pichkari」がかかる。
あの8人グループの無礼講ダンスタイムらしく、私はお呼びがかかった。上司のおじさんは本当にみんなに色粉を頭からつけられまくっていて、さすがに上司にそれは怒鳴られるんじゃないの?と思ったが、本人も楽しそうでみんなで笑っていたので、今日以外の先のことを考えないインド人的な姿勢に感心した。(後日、ダラムサラで、このことについての理由の根幹に触れた気がしたので、またその時にでも)
しかし、この曲は、ここにいるインド人全員が踊れるのがすごいと思った。私もこの曲に関してはMVを見まくっているのである程度踊れるので、みんなと踊れて楽しかったし、元々大好きなこの曲が、もっと特別な曲になった。
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敷地内にある天然のプールという名の池に入って、デパンシュとキランは粉の汚れを落として笑っていた。
仲の良いこの2人の恋愛が、インドのいろんなしきたりや宗教その他何にも邪魔されずに、これからも続くことを祈ってしまった。
テレビやニュースで見るカオスで無秩序な無茶苦茶なホーリーの祭りは、ここにはない。
無理強いしないし、全員が笑っていて、ある程度の礼儀があって、平和だった。
ここに来てよかったと思うし、この人たちがいたからインドでのソロキャンプを楽しめたのだと思うから、感謝の気持ちでいっぱいである。初のインドでのソロキャンプは大成功。
この人たちにもう一度会うためなら、またあの道を歩いて、山を登って3時間かけても再び来たいと思わせる場所だった。
ただし、アレルギーの薬は必ず持参で。
下山したら、まだホーリータイムだったようで、車道にドラッグでキマッてそうなやばそうな雰囲気丸出しの男2人組がいて、粉を持って笑いながら追いかけられて、怖くて走って逃げた。
まるでウォーキングデッドのゾンビだと思った。女性の運転するバイクが来たので、親指を立ててヒッチハイクをしたら、止まってくれた。怖いので町まで乗せていってほしいと伝えると「喜んで。早く乗って!」と言ってバイクの後ろに乗せてくれた。この女性は驚くことに偶然にもデパンシュとアマンの親友だった。山のゴミ拾いイベントを一緒にやっているらしい。2人がいかにいい人間であるかを彼女から聞いて、私には関係ないのに、なんだか嬉しくなったし、彼女もいい人で、ホテルの玄関まで送ってくれた。
安心してホテルに入ると、ホテルの従業員も色まみれだった。ホテル内のカフェに行くと、粉の付け合いを廊下でしているグループがいた。ホテル内も、もはやどこにも安全な場所はないようだったから、いかにあの山奥のキャンプ場が楽園だったかを身に染みて感じた。
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17時以降はホーリーの無礼講タイムが終了していると聞いたので、夕方恐る恐る散歩に出かけた。
いつもバナナを買う店にマンゴーが並んでいたのを発見。
インドの春(つまりは夏)の訪れを、マンゴーの到来で感じた。
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体調の雲行きがかなり怪しくなってきた中、インド旅はまだ続く…
いいなと思ったら応援しよう!
![のりまき](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/22390255/profile_a19e0ca41f9b11b93ce464844cb1d8ac.jpeg?width=600&crop=1:1,smart)