見出し画像

やっぱり奈良が好き

たとえば誰かに「旅行に行くなら、どこがいい?」と聞かれたら、「ん~、やっぱり奈良かなぁ」と答えると思う。

誰かと会うたびに、「奈良へ行ってきました」とか「こんど奈良へ行きます」などと話しているうちに、久しぶりに会う人から「元気だった?奈良行ってる?」と言われるようになった。更には初めましての場面で「こちら、奈良が好きなつきふねさんです」と紹介されるまでになり、もはや私の奈良好きは肩書きレベルなのかと可笑しくなった。

初めて奈良を訪れたのは中学の修学旅行。私の住む長野県の中学校では修学旅行は京都・奈良が定番で、なんとそれは親の代から今まで60年の歳月を経ても変わっていない。

60年前に中学生だった親に奈良の思い出を聞いてみると、大仏、鹿、猿沢の池、という答えが返ってきた。なんだ、今とあんまり変わらんじゃん。20年も経てば街並みが変わってしまうことも珍しくない現代で、この変わらなさというのは奈良の魅力のひとつなんだろうなと思う。

猿沢の池
ここに立つと、ただいま~と言いたくなる。

修学旅行以来の奈良を訪れたのは、ちょうど20年前。社会人になり、なにかとストレスが溜まるなか、せめて旅行でもしようと友人と旅をするようになった。

まずは定番の京都へ。嵐山から嵯峨野を散策、トロッコにも乗り旅行って楽しい!また行きたい!と上機嫌の私に、「次はどこいこうか。奈良もいいよ」と友人の一言。

奈良か、ふ~ん。修学旅行気分で行ってみるか。
まさに修学旅行の行程を辿るように、法隆寺から始まり奈良公園~春日大社~東大寺~薬師寺と巡っていくと、14歳の時分には気にも留めなかった美しさが、そこかしこに溢れていることに気づいた。

お写経勧進によって復興されたばかりの薬師寺講堂は壮麗で、『青丹あおによし』の光景がそこに広がっている様子に感動し、土産店で購入したインスタントカメラで何枚も写真を撮ったりもした。

おとなりの京都に比べると少し地味(悪い意味ではなく)で、物価も高くなく、人もおっとりとしていて優しい。そして山が見えるというのがなんとなく落ち着く感じがして、すっかり奈良が好きになった。

「わたし、奈良の人と結婚して、奈良に住む。」

半分冗談半分本気で友人に話していたが、その後どういう訳かまったく逆の青森出身の夫と結婚することになり、残念ながらその野望は実現せずに終わった。

奈良旅歴も20年を超え、もう行ったことない所ないでしょ?としばしば言われるけれど、そんなことはなく、まだまだ行っていない場所がたくさんある。それに、一度行ってもまたすぐに行きたくなるから、終わりがなくて困りもの。

きっとこれは、ライフワークなんだ。

宗教や歴史に興味を持ち、学び、もっと知りたい又行きたい、そう思える対象があることはとても幸せだなと感じる。たぶん20年後も変わらず「奈良に行ってきました!」と話しているんだろうな。

私にとって落ち着く場所、やっぱり奈良が好き。


★おまけの話★
今回のヘッダー画像は、ミズガエルさんが描いて下さった東大寺二月堂の水彩画です。

裏参道から眺める二月堂

縁あってイラストを描いていただくことになり、リクエストはありますか?と聞かれたので、奈良の景色を希望しました。

ポストカードサイズを想像していたのですが、なんと予想を大きく裏切りB4サイズ!実際に手元に届くまで何が描かれているかわからなかったので、ドキドキしながら開封しました。

二月堂だ!しかも大好きな裏参道からの。精緻で、それでいて優しく、「うわ~、すごい~」としばらく見入ってしまいました。画力が義務教育止まりの私からすると、とてつもなく上手です。一体どんな風に描かれたんだろう?という疑問については、ミズガエルさんが記事で詳しく解説してくれていました。

興味のある方は、ぜひ読んでみてくださいね。

こんなに時間をかけて愛のある絵を描いてくださり、本当に嬉しいです。手元に置いて、毎日眺めています。ありがとうございます!この場を借りて、改めてお礼申し上げます。

こういった素敵な出会いがあるのもnoteの醍醐味。noteさんにも、ありがとうございます。

いいなと思ったら応援しよう!

つきふね
お気持ちありがとうございます。大切に使わせていただきます。