地球の一員として生きる
今日は少し真面目な話です。
書こうか?どうしようか?迷いましたが、リニア開通工事について実際に目にしたこと、感じたことの記録として、書くことにしました。
あまり楽しい話ではないかもしれません。
でも、目を背けてもいけないと思っています。
少しのあいだ、お付き合いいただけたら嬉しいです。
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わたしの記事にたびたび登場する森林公園。
広大な土地は、比較的車通りが多い道路に面しており、公園内もいくつかの道が横切っています。
駐車場へ車をとめ、森に入るために道を横断するのですが、いつからか多くのトラックが通行していることに気づきました。トラックの誘導と歩行者の安全確保のための誘導員さんも配置されています。
なんだろう?何かの工事かな?
そのうち終わるだろうと思っていましたが、何ヶ月たってもその気配はありません。
トラックの往来頻度は山手線に勝るほどで、上り下りそれぞれ続々と通行している様子は、森の中でみる光景としては異質に感じました。
車両も地元ナンバーのみならず、遠くは青森ナンバーも見かけました。
よく見ると、どの車両にもフロントに白いステッカーが表示されています。そこには、『中央新幹線』とありました。それを見て、ああそういうことかと納得しました。
リニアトンネル工事で出た発生土を、中央自動車道を経由して工事現場から受け入れ場所へ運んでいるのです。
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ちょうど2年前、たまたま知人3人と長野県下伊那郡大鹿村にある、リニア工事現場を訪れたことがあります。
大鹿村は『日本で最も美しい村連合』に加盟している、のどかな村です。住民たちの手によって上演される大鹿歌舞伎でも有名です。
大鹿村在住の知人の案内で、おいしいお蕎麦を食べ、タケミナカタ (建御名方神)が諏訪入りする前に立ち寄ったという由緒の神社にもお参りし、まだ時間があるからリニア工事現場にでも行ってみますか?と、観光の延長で向かいました。
運転手として、初めての道を少しばかり緊張しながら車を走らせたのですが、目的地に近づくにつれて、急に頭の痛みと腹部の気持ち悪さに襲われました。
現地に到着したものの、作業現場はゲートで覆われているので実際に中でどんな工事がされているのかは、見ることができません。知人の説明によるとこの工区では、山と、川の下にトンネルを通す工事が行われているとの事でした。
説明を聞きながらも、わたしの急な体調不良はひどくなる一方で、なんとなくこの場をはやく離れたい衝動にかられ、「もう戻ってもいいですか?」と10分もしないうちに引き返しました。
しばらくして落ち着いてから、さっきの不快感は一体なんだったんだろうと考えました。わたしは決して霊感が強い方ではありません(と思っている)が、その場所のエネルギーを感じることが時折あります。そしてその時感じたのは、明らかに重いものでした。大地の怒りだったのかもしれません。
あの中で作業していて、事故など起きなければいいけれど・・・と思った数日後、地元のニュースで、作業現場で事故が発生し怪我人が出たことが伝えられました。
リニア構想はもう随分前からあったものです。私が子供の頃には既に耳にしていたので、40年前後経っているはずです。『みんなで通そう!リニアの夢』というスローガンがあった記憶も、おぼろげながらあります。
当時は必要と思われていたのかもしれない。
では、今は?
なにを求めて、新たに山や地を掘削しているのか?
それは後の世代に誇れることなのか?
考え始めるときりがありません。
いまこうして書いているわたし自身、ひょっとしたら1年後は、公園内を通るトラックを見ても違和感を感じなくなっているかもしれません。そうなる前に、いま感じていることを書き留めておきたいと思いました。
私個人ができることは限られています。
それでも、この環境に生かされているんだということを忘れずに、地球の一員として生きていきたい、そう思っています。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。