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直感で人が動く仕組みづくり~『「ついやってしまう」体験のつくりかた』より
どうやったら人を動かすことが出来るのか というテーマについて任天堂のWiiディレクターが『マリオ』の説明を元に説明されているとても分かりやすく、親しみやすく、発見のある書籍『「ついやってしまう」体験のつくりかた』の中から直感デザインについて整理させていただきます。
導入からはっとさせられます。
マリオのゲームにおいて最も大事なルールは何なのか。
それは、
“右に行くこと”である
ここからついやってしまうとは何なのかという話が始まります。
ユーザーが当たり前に考え、ついやってしまう(右に動かしてしまう)ことを紐解かれています。
本書では人の心を動かすことを
体験をデザインすることである とまとめています。
では、体験デザインとは何なのか?
体験デザインとは
『体験デザイン』とは人の気持ちを考えることであるとされています。
そして、本書の中では、体験デザインを
マリオ以外にもゲームの例などを使い、
直観デザイン、驚きのデザイン、物語のデザインという3つで整理されています。
直観デザインの構造
それぞれ説明します。
*本書では、マリオの話を中心にしているのでユーザーはプレイヤーと記載されています。
仮説
ユーザーが自発的に『〇〇するのかな?』という仮説を立てる。
↓
試行
ユーザーが自発的に『〇〇してみよう』と試しに行動を起こす。
↓
歓喜
ユーザーが自発的に『〇〇して正解だった』と歓喜する。
つまり、
ユーザーが自然とついやってしまうという本書のタイトルにもなっている事象が起こるのはどういう心理の流れなのかということが説明されています。
この直観のデザインでは『アフォーダンス』という有名な心理学の理論で説明されています。
アフォーダンス(affordance)とは、環境が動物に対して与える「意味」のことである。 アメリカの知覚心理学者ジェームズ・J・ギブソンによる造語であり、生態光学、生態心理学の基底的概念である。 「与える、提供する」という意味の英語 afford から造られた。
環境が動物に対して与える「意味」 と表現されるのですが、
つまり、環境のさまざまな要素が人間や動物に影響を与え、感情や動作が生まれることです。
例えば
ドアノブや、公園にあるベンチ、WEBページのカーソルを合わせると色が変わるボタン などのことを言います。
最もアフォーダンスの要素がうまく作用して広まったものは、iPhoneかもしれないですね。直観的に動かせることを最も重要視されています。
結論
ここでは、直観デザインの構造を図解しましたが、
結論は、人の心を動かすデザインを生み出すには、
“シンプルで簡単な体験で直観させることが出来るか”
ということになります。
“驚きのデザイン”の構造
“物語のデザイン”の構造
についても図解していきます。
元・任天堂Wiiディレクター玉樹 真一郎さんの書籍
わかりやすく作ったつもりなのに人気の出ないサービス、
盛り上がるよう企画したのに誰も来ないイベント、
性能が優れているのに売れない商品、
ビジュアルを工夫したのにウケの悪いプレゼン、
将来のためにと「勉強しなさい」と言ってもまったくやらない子供たちetc相手のことを思って一生懸命伝えようとしているのに、
なぜわかってもらえないのだろうか…。
それは「人が動くしくみ」を知らないから。人の心を動かし「ついやってしまう」
仕組みと手法について体系的にまとめたのが本書です。
コンセプトとは何か―。 それは、新しい何かを「つくる」すべての人が、最初に考えることです。ものづくりであれば、商品を通じて。
サービスであれば、お客様に提供するものを通じて。
起業であれば、これから生み出すビジネスを通じて。
NPOや自治体であれば、支援やサポートの仕組みを通じて。
「世の中に新しい価値観をつくる」ことが まさにコンセプトをつくること、そのものなのです。