桃色桔梗とみたらし団子
レスパイト当日朝、リビングに来るとママは消してあるテレビを見てた。え…？
寝てない。
シャワーを浴びさせ着替えをし、病院の前に運動に行かないと暫くいけない。
12時過ぎに家を出て、マシン使って運動させた。
こっちみてそっちはいいのこれを上に上げてー！！
まるで私の筋トレだ。
測定した結果、カラダ年齢は私よりまた若かった。優しくしてくれるメンバーさん達ににこやかに手を振って、話して嬉しそうだ。
そこから家に戻らず病院へ向かった。荷物を後で持ってくる、と約束した。
待ち合い室で待ってるとトイレ！とママが言う。
連れていく、普通に自分で出来てる。
それから、主治医の面談があり
一応緊急時の、心臓マッサージするのか栄養を入れるための処置はどこまでとかの同意書にサインし私は一旦帰宅。
ママは私について来ようとして、3人かがりで食堂へ連行されてた。
幼子がその母親から引き離されるかのように動揺し私はあっちへ行く！と暴れている。
見ているこっちの心が引きちぎられそうな程、必死に。
帰宅し保険証や着替えを詰め込み、にゃん太郎にスープをあげて自転車に乗る。
32℃の気温と冗談みたいに強い日差しで水分と何かが持っていかれる。
部屋に行くと、歯科の先生が色々と話を聞いてくれ早速口腔内を点検してくれた。
みたらし団子が好きだから持ってこようとした、と言うと詰まると困る、と難色を示されたので家に忘れて良かった。
そして
また足りないものが(;´∀｀)
リハパンを家にあるものでということで、3日毎にゴミを取りに行く。苦になる距離じゃない。そのゴミ箱もいるらしい。ダイソーへ行った。
目的のゴミ箱を買い、マーラーカオを発見。これなら団子と違っていいだろうとそれも買って帰宅し、また荷物を詰めた。
本日3往復目。
もう部屋には行かないことにした。
ママの後追いを見ると辛い。
さっきベッドに横になり、にこやかな天使モードのママになってることに気づいた。
そうなると罪悪感は膨れる。
ママ今日ここなの？とママが言う。
眠たいでしょ？ママ寝てないから、と返した。
瞼はとろとろになっている。そりゃそうだ寝てないまま運動し筋トレして30℃を超える日差しの中、病院まで歩いた。
これで良かったのかなぁ…。
ほんのちょっとやることが増えるだけ、なのかも…。
また涙が出る。
どうしてうまく出来ないんだろう。
運動のメンバーさんに今日も、
お母さまは幸せね、娘さんがこうして一緒に。凄く親孝行ね
そう言われたのに自分を許せない気もする。出来ない癖に完璧に近付けたい。
屈託なく笑うママには悪意なく天然なのに、変化する言葉の針に私は悲鳴をあげる。
そして
帰り道のスーパーで私が食べたいものを買うと決めた。キャベツに酢と胡麻油とめんつゆをかけて、蒸し大豆とササミ、いや。。辛ラーメンもいいな、と入ったスーパーの花コーナーにピンク色の桔梗を見つけた。
青みのあるピンクが凛としている
そしてママの用品を買ったダイソーに居たのは…
左の桔梗
もっと左ににゃん太郎のしましま尾
にゃん太郎？暫くママ居ないけど１人でお留守番出来る？
にぇ！
大丈夫？？
にぇにぇ！！
こうして私は暫くの自由という名の不在を獲得した。
多分この雲をみるために私、レスパイトを決めたのかもと思うほど一面に見事だった。
夜、静かな時間に漂いながら洗濯機を3回回した。捗る！進む！
そっか１時間ってこんなに長いんだ。
この静かな時間の長さを人は時に淋しいって感じるのかもしれない、と思う夜だった。
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