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ママの進行と背筋とピース

こないだトイレ失敗が久しぶりに起こってたママ。それでも食欲もあり、肉ファーストで食べ運動も行っている。



土曜日に気付いた。
ママの歩く速度が上がってる。背筋も伸びて真っ直ぐになってる。やるな、ママ。




50メートル歩いては痛い痛いと大袈裟に顔を歪め、
『どこ?どこ?どこまで?』
『出来ない!出来ない!』と座り込んでいた頃とは別人のよう。




元々大袈裟なリアクションで心配をかけるように振る舞うママだけど、流石に通院日にドクターに相談しレントゲンもCTも撮ったが側弯症で手術という程ではないと診断された。



少し歩くと『痛っ!痛いっ!』と言う。
その頃は徘徊という名のお散歩に良く出掛けていたが、そんなに痛いのに歩いて行けるのか?と疑問があった。



え。。。?という程の遠方の警察署から保護の連絡を受け迎えに行ったこともある。
要は自分で行くときは痛くなく、病院など私が一緒にいると痛いという訳だ。




一度、昼寝してると玄関ドアが閉まる音がして慌てて追いかけた事がある。
コーヒーカップをポケットに入れたまま、それを両手で抑え結構な速さで歩いていく。



どこへ行くのかついていった。
家の前を東へ曲がり真っ直ぐ、車の往来も注意して交差点では立ち止まって左右を見、歩いていく。



突き当たりを北上し、すぐを右へそして後ろからの車にも注意しバス通りへ出たところで捕まえた。


ママ、何してるの?
!!!あ、麦茶。
帰るよ?


取り憑かれたように歩いていく後ろ姿を見て、認知症というか精神的に壊れたというかそのポケットのコーヒーカップは何?と思ったが聞かなかった。



腰は痛くないの?
う。。うん…



あのスピードでここまで歩けるじゃん。
一人なら歩けるの?
痛くないのは何故?晴れだから?



なんか胡散臭いのがいつもあるのである。
それは今も昔からも。





それでも、
あの頃90度近く腰の曲がったまま歩いていたのが、土曜日は確かに真っ直ぐな背筋で軽やかな足取りになっていた。筋肉が姿勢を支えてる。


認知症で高齢でも歩行は変わる、というのを見た。
ママの体年齢は若返っていて、運動とたんぱく質を意識した食事のせいかと思う。



下半身の筋肉は歩くことに直結する。
歩けなくならないように、徘徊しないより歩行が出来る、を私は選択したい。




警察に迎えにいくと
にやついて笑い、両手をピースで手のひらをこちらに両目をピースの間から出した姿のママに、警察署で警察官の前ながらグーでぶん殴ってやろうかと思ったこともあったけど。






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これからも人の心に何かが灯る記事の為と猫のために大切に使わせて頂きます(*´▽`*)