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株式会社iDEAKITTのCTO/SWE/Data Engineer/情報系の社会人大学院生M2

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最近の記事

第216回SIGSEで研究成果の発表をしてきました

2024年3月4から5日の間で行われた、情報処理学会 第216回SE研究発表会にて、大学院で行っている研究内容の発表を行ってきました。 発表内容発表内容は、OSS(Open Source Software)の世代交代のメカニズムを紐解くための時系列+因果分析の手法と、その手法を実データに適用した実験に関するものです。 タイトルは、「VARモデルによるOSSプロジェクト同士が生存性に与える影響の分析」です。論文情報は、以下のページです。 発表資料 論文に関しては情報処理

    • 4月から社会人大学院生になります

      約1年ぶりの投稿ですが、タイトルのとおり、今年の4月から社会人大学院生となる運びとなりました。昨日、すべての必要書類を提出したので、無事受理されれば入学できると思います。大学院は、北陸先端科学技術大学院大学(通称JAIST)の 東京社会人コース 前期博士課程(先端科学技術専攻)です。 私自身は個人事業主兼会社役員的な働き方をしているので、大学院で学修と研究を行っていくのは時間的になかなかにチャレンジングかもしれません。今のところ、研究内容は損害保険数理や確率論(確率過程)を

      • 「Pythonコードを交えて学ぶ関数解析」という本を書きました。【試し読みPDF有り】

        以前、以下のポスト において、執筆中の著書の紹介を行いましたが、1月30日より著書の販売をBoothで開始いたしました。↑のリンクで著書の紹介をしておりますので、ここでは割愛し、試し読み版のPDFを以下に載せておきます。 お試し版ダウンロード試し読み版では第二章までを間引くことなくすべて掲載しております。もし試し読みで肌に合いそうと感じていただけたら、Boothにてご購入いただけると嬉しいです。 書籍購入リンク

        • 「Pythonコードを交えて学ぶ関数解析」という本の販売を行います(予定)

          前回のnoteのポストから半年以上経っていることに驚愕していますが、この半年間では仕事の合間に執筆活動をしており、なかなかブログを更新することが出来ませんでした。。その執筆というのがタイトルの「Pythonコードを交えて学ぶ関数解析」です。本書は、2019年の年末から開始した関数解析の私的な勉強のログを本の体裁にまとめた、個人出版本です。ちょうど年始に原稿を書き終えて、現在は数学のプロの方たちと僕の友人のプログラマにレビューをしていただいている段階です。なので、レビューが上が

        • 第216回SIGSEで研究成果の発表をしてきました

        • 4月から社会人大学院生になります

        • 「Pythonコードを交えて学ぶ関数解析」という本を書きました。【試し読みPDF有り】

        • 「Pythonコードを交えて学ぶ関数解析」という本の販売を行います(予定)

          【関数解析】連続関数空間における完備性の話

          今回も機械学習で利用される数学の記事です。その中で、関数解析の序盤に登場するバナッハ空間のための、連続関数空間とその完備性についての話をします。というのも、随分前に関数解析の勉強を始めたものの、連続関数空間における完備性の正体について靄がかった状態が続いたのですが、それが最近になってようやく晴れてきたということがあり、備忘録も兼ねてこの辺の概念をまとめてみようと思います。また、関数解析は学部で学ぶ基礎的な数学の分野から見ると、一気に専門性が増すため、特に大人になって学び直すと

          【関数解析】連続関数空間における完備性の話

          MacでもDeep Learningがしたい。PythonからMetal APIを呼び出す簡易実験の話

          【2023年 8月6日追記】 この記事は筆者が当時使っていたX86アーキテクチャで動作するMacに向けた記事であり、すでにレガシーなものとなっています。Apple silicon搭載のMacを利用しているPytorchユーザーの方は、PytorchのMPSバックエンドの利用を推奨します。 ---------------------------- 追記終わり ---------------------------- これまで数学の話が多かったですが、今回は少しハッキーなプログ

          MacでもDeep Learningがしたい。PythonからMetal APIを呼び出す簡易実験の話

          主成分分析(PCA)の背景にある数学理論の話 - 最適化問題

          今回は多変量解析の代表的なものである、主成分分析の話をします。とはいえ、主成分分析の目的やツールを使ったそのやり方に関しては非常に多くの書籍やWeb上の文献がありますので、ここではそういった話はせずに、主成分分析の背景にある数学的理論の話をメインとさせていただければと思います。 数学的な理論にフォーカスする意図として、共分散行列の固有値・固有ベクトルを求めることが、主成分分析の(アルゴリズムにおける)ゴールであるということを受け入れることができない人が、少なからず存在するので

          主成分分析(PCA)の背景にある数学理論の話 - 最適化問題

          行列式は計量であるという話

          不定期で更新しているnoteの数学シリーズですが、今回は僕の中で線形代数を学ぶ上で一番理解の難しかった行列式に関して、行列式はどういう特徴を表すものなのかという話をします。もう少し突っ込むと、ベクトル空間の上で計量を行うにはベクトルの内積を利用するのですが、この計量方法は行列式に関連しているものであるという話が本記事の主題です。一見なんの関わりもないように見える内積と行列式ですが、内積が導入された経緯を考え、行列式が表すものを紐解いていきましょう。 この記事はある程度線形代

          行列式は計量であるという話

          プログラミングで学ぶ写像 後編 - 全射・単射・全単射・写像の合成

          この記事は プログラミングで学ぶ写像 前編 - 集合の復習、写像の定義、像と逆像 の続きです。 前半では、集合の復習から始まり、写像の定義、像と逆像についての数学的な定義とそれらをJavaScriptで実装するということを行ってきました。後半では写像でも特に重要な全射・単射・全単射・写像の合成についての数学的な定義とJavaScriptを使った証明(弱めの)を行い、最後のほうでソフトウェアでどのように写像が使われているか(あるいはそれをどうやって写像と見出すか)といったこと

          プログラミングで学ぶ写像 後編 - 全射・単射・全単射・写像の合成

          プログラミングで学ぶ写像 前編 - 集合の復習、写像の定義、像と逆像

          最近は機械学習ブームにより、ソフトウェアエンジニアが線形代数に再入門するといったことが増えてきているのではないでしょうか。線形代数を学ぶ上で線形空間(ベクトル空間)から線形空間への写像、つまり線形変換が最も大事な概念であるわけですが、いきなり写像という言葉が出てきて怯んでしまう方もいるかと思います。 しかし、実のところ我々プログラミング経験者にとって、写像はかなり馴染み深いものです。というのも、写像をプログラミング経験者に簡潔に伝えるとしたら、「いくつかルールがあるMap(連

          プログラミングで学ぶ写像 前編 - 集合の復習、写像の定義、像と逆像

          商群が分かると、群の準同型定理が自然と分かるという話

          群の準同型定理は群を学び始めた人が大きくつまずく1つのポイントではないかと思います。教科書を見るとかなり抽象的な内容で書かれていてなんのことだかさっぱり。僕も当初全く意味がわかりませんでした。しかしどうも諦めがつかず、コツコツ考え続けていたら、そもそも商群のことを完全に理解できていないことが準同型定理の理解を妨げていることに気づき、商群ひいては正規部分群がいかなるものなのかをきちんと理解することで、ついに準同型定理を証明することができました。 この投稿では自分の備忘録も兼ね

          商群が分かると、群の準同型定理が自然と分かるという話