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教室に落ちているゴミをどう指導しますか?

教室に紙くずが落ちていました。周りの子は誰も拾おうとはしません。

私はしばらく様子を見ることにしました。

その紙くずは切った跡があります。どうやら、授業で紙を切った後に出てきたゴミのようです。

とある子は近くにいるのに気づかずにゴミを踏んづけました。

とある子は見つけると跨ぎました。

これはどうしたことだろう…。

自分が落としたゴミではないから、拾う必要がない。

そう思っているようです。

ゴミを放っておくとどんな良くないことが起こるか

そこで興味があるなら、皆さんにも考えてほしいって思います。

「教室にゴミが落ちている場合、担任としてどう指導しますか?」

放っておきますか? それともさり気なく拾って捨てますか?

それとも、「誰が落としたの?」と周りに問いかけますか?


…なんにせよ、ゴミをそのまま放置しておくとどうなるか。

結果的に、教室が荒れます。

割れ窓理論

割れ窓理論とは、アメリカの犯罪学者ジョージ・ケリング博士が提唱したものです。

1枚の割れた窓を放置すると、割られる窓が増え、建物全体が荒廃するという理論です。

つまり、たった1つの割れた窓でも、放置するとどんどん荒れていく、ということです。

では、教室に落ちているたった1つのゴミを放置しておくと…?

勘のいいあなたならおわかりに鳴ったかと思います。そうです。「どんどん教室にゴミが落ちていく」ということになります。

これは私自身の経験上、間違いなく言えることなんですが、教室のゴミを放置し続けるとどんどん増えます。子どもたちは「落ちているゴミ」に無関心になっていくのです。

荒れの兆候はゴミだけじゃない

担任をしていると、なんとなく教室の子どもたちの様子が荒れてきたなぁって感じるときがあります。

教室の掃除はしっかりしているし、ゴミも落ちていない。

荒れる要素はないはずだ!

そんなときには、「言葉遣い」や「所作」に注目してみてください。

例えば、クラスの子供達が使っている言葉遣いに、違和感を感じませんか?

休み時間によく耳をすませると、「バカ」とか「ダサ」とか聞こえてきませんか。これは、言葉遣いに「ゴミ」が混じっている状態です。

普段どおりに聞こえるかもしれませんが、子どもたちのそういう「チクチク言葉」を見つけたら、蔓延する前に指導しましょう。

教室が荒れてくると、言葉遣いが汚くなります。

いや、逆かな。

言葉遣いが汚くなると、教室が荒れてきます。

他にも、「所作」です。

例えば、先生からプリントを受け取るときの子どもの動き。

奪い取るような動きをしている子はいませんか?

また、友達にものを渡すときに、ポーンと投げて渡している子や、意地悪をしてなかなか渡さないような動きをしている子は?

そういう子がいたら、私は「即指導」します。

短く「◯◯さん、その渡し方はいけません。相手が嫌な思いをします。このように渡しましょう。はいどうぞ。」

こう話し、「ではやってみてください。」

と言ってやらせます。

その後、「上手に渡せたね。次からは気をつけましょう。」

と言います。

ネチネチ指導はいらない

指導をするときには、ネチネチ言う必要はありません。短くスパッと、指導します。後腐れなしにしましょう。

そして、指導したら必ずその場でやらせたり、その後の姿を観察して改善している点を見つけたりします。

上手になったらすかさず認めます。これだけ。

これをやれば、じわじわ起こる教室の荒れを一定防ぐことができます。

問題なのは、「そもそも態度が悪い子」ですよね。

やり直しなさい、と言ってもやり直さない。そういう天の邪鬼というか、反抗的な態度をとる子もいます。

そういうときはどうすればいいか。

態度が悪い子への対応法

【対処1】

そもそもその子との関係を1から構築する

その子と担任の先生との関係性はあまりよくないようです。そういうときには、その子との関係を良い方向に築いていく意識をもちましょう。具体的な方法としては、プラスの関わりをしたり、その子が興味をもっていることを先生から話しかける、などです。

「先生はあまりいいことをしない私のことに関心をもってくれる」と思わせると、少しずつ心を開いてくれます。

【対応2】

周りを固める

荒れがちなクラスには、リーダー性を発揮したり、クラスをよくしようと行動できたりする子が少ないです。

善良な意識をもっている子が、反社会的な子を引っ張っていってくれるクラスが理想です。

担任1人では対処が難しいクラスの問題も、クラスの子たちが協力してくれると状況を打破することができます。

大人の話というだけで「聞きたくない」と反応してしまう子もいます。

そういう子でも、距離の近い友達の声掛けだと、聞く耳をもったりします。

そんなわけで、まずはクラスの「できる子たち」のレベルを上げて、育てて、その後なかなか素直になれない子たちをみんなの力で引っ張り上げていく、そんなイメージです。

まずは、「周りを固める」。これです。

ゴミを見逃さないという意識を教師がもつ

私は教室のゴミを見つけたら、即拾います。そして、子どもの前で捨てます。

ときには、授業中に先生が話すのをピタッととめて、ゴミを拾って黙って捨てます。そして授業を再開します。

廊下のゴミが落ちていたら、自分が落としていないゴミでも拾います。

そういう先生の行動を子どもたちが見ることによって、「この先生はゴミを落ちていたら必ず拾うんだ」と思ってもらえるようにします。

その先生が、「教室にゴミが落ちていました。こういうゴミを見つけたときには皆さん、どうしますか?」と投げかけてきたら…?

「ゴミを拾って捨てます!」と答えるでしょう。

そこでこう続けます。

「今まで教室に落ちていた、自分が落としていないゴミを拾って捨ててくれた事がある人は手を挙げてください。」

「ありがとう、こんなにたくさんの人が拾ってくれているんだね。先生はとっても嬉しいです。ゴミを見つけたら、自分が落としていなくても拾って捨てましょう。そのほうが教室がきれいになって、みんなが気持ちよく生活することができますね。」

「ゴミを拾ってくれる人は、みんなが使う教室を大切にしようと考えてくれているんだね。素敵ですね。みなさんも、これからはゴミを見つけたらさっと拾ってゴミ箱に捨ててください。」

こんな話をします。

この話は朝の会で5分もかからずにできる話です。

もし教室にゴミが散らかっているなら、「1つのゴミを見逃さない指導」をしてみてはいかがでしょうか。


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