おんじっこ

趣味は読書です。 主にX(旧Twitter)にて詩を書いています。 NoteにはXで書…

おんじっこ

趣味は読書です。 主にX(旧Twitter)にて詩を書いています。 NoteにはXで書いた詩を載せていこうと思います。 メモ用詩の保管庫。

最近の記事

メモ用詩『出会い』

大きな雄鹿だった 立派な角は 美しい対称性をなし バレエを感じさせる 優雅さを持っていた 私と見つめ合って どのくらい経っただろう 鳥のさえずり 木々のざわめき 土の香り 偶然であろう瞬間を 完璧にしていた 風のいたずら 木の実を落とす 一瞬目線がそれた 雄鹿はいなくなっていた

    • メモ用詩『神の魚』

      じっちゃ いいあんべだが んだな こえだば くるがもしえねな おっ光った 雷きたど ほれっ出るど 船さ乗れ あいしか じっちゃ だいぶ荒れでらで んだ こえでねば こねなだ ほれ漁場さ着ぐど 準備しぇ おうおう 雷様もごしゃげれでらな こえだばまぢげえね ハダハダくるど

      • メモ用詩『日常』

        静かだった とても静かだった しだいに キーンという 耳鳴りが強くなり 手で耳を覆った だが音は止まなかった 耳鳴りは いっそう強くなる 耳を覆っているはずの 手の感触がない 喉が裂けるほど 叫んだ なかったんだ 手がなかった あの建物で 生き残ったのは 俺だけだった これが日常

        • メモ用詩『幕間』

          A4サイズ 半ぴら 一枚 診断書 三つ折り封筒 収められ 窮屈そう 3,300円 会計済ませ ため息混じり 精神科を出れば 入院患者ら 煙草を咥え 喫煙所探して 彷徨っている 注射した腕 痛む心を 抱えながら 職場に電話した 震える声は 本物か演技か わからずじまいだ 一先ず幕は降りた

        メモ用詩『出会い』

          メモ用詩『ロボとブランカ』

          月夜 狼 カランポーの 平原に 愛する者を 想い 哭泣する 平原を 狂い走る ひたすらに 彼女のあとを 追いかけ 声 毛並み 香り 思い出し 遠吠えする 応えてくれと 叫んでいる 白い毛並み 美しき 王の伴侶は 月光の 橋を渡り 王はあとを追わんと 死に身を委ね 狼の王として 深き眠りにつく

          メモ用詩『ロボとブランカ』

          メモ用詩『壊れた』

          あゝ 壊れてしまった ブリキの玩具 ゼンマイ巻いても 動かない ジージー 音がするばかり 前に進まず 動きもせずに ジージー ジージー 鳴るばかり ポンコツ ポカリと殴られて あゝ 壊れてしまった 首はあっち 腕はこっち ばらばらに ジージー ジージー いまの僕は ただのがらくた

          メモ用詩『壊れた』

          メモ用詩『いいわけ』

          赤に白い十字架 ハートマーク バックパックに 吊り下げ歩く 嘘をついてる そんな気分 障がいへの免罪符 言い訳 自責から 外そうとするも 社会という弓 的を絞り 蔑視の矢は 鋭く飛びて 突き立つ足元 冷や汗伝い 身を守るためと 盾捨てきれぬ 意気地なしの 私がいることに 気がついた

          メモ用詩『いいわけ』

          メモ用詩『わがまま』

          安らぎ 忘れた 心と身体 しばし憩いを 賜わりたい 君の隣りで眠りたい このまま心身 壊すなら 君が壊してくれないか とどめを刺してくれないか 君にしか頼れず 頼めない どうしたらよいだろう 哀しみと 苦しみを 何もみたくない 眠っていたい 夜明けなど 来なければよい わがままだ

          メモ用詩『わがまま』

          メモ用詩『石の詩』

          崖の上は 強風 荒き波は 収まる気配なく 打ちつけては 白い泡沫となる ひっそりと だがしっかりと 大地に根を張った 石の塚 刻まれし 渦巻きを 指でなぞれば 石の肌触り 温度を感じ 石の記憶に まぶたを閉じ 溝に刻み込まれた 石の詩歌に 耳を傾け そっと心に 書き留めて 宝物にした

          メモ用詩『石の詩』

          メモ用詩『とおき国,とおきふるさと』

          竪琴の音に 詩歌を乗せて かの希臘 古代へ 思い馳せ ホメーロス 歌いし かの英雄らの 詩に敵わぬとも 爪弾き歌おう 喜怒哀楽 込めて作りし この詩歌 月夜 瞬く星星 その下で 秋の風は 涼風で 夏を送り出す 遠きふるさと 瞳閉じれば 目に浮かぶ 黄金の稲穂 刈り取る農夫 満面の笑み

          メモ用詩『とおき国,とおきふるさと』

          メモ用詩『愛蘭土』

          雨が しとしと 降っている 雨に 潮の匂いが 混じっている そんな気がした アイルランドは こんな感じだろうか 土がぬかるむ 大地を 裸足で走り この雨のなかで おどりたい 何も気にせず 私を大地と 一つにして 何者でもなく 自然の産み出した 石塚のように そこにありたい

          メモ用詩『愛蘭土』

          メモ用詩『領主と本の歌』

          ある領主がいた 彼は読書が好きだった 本を集め 本の館を創った 門扉は広く 民衆に開かれていた いつの間にか 旅人が 商人が 学者が 集まった 領主は彼らの土地の話 言語や昔話を聞くのが 何より愉しみだった いつの間にか 本の館を中心に 家が建ち 市がたち 学校が創られ 町になった あるとき 宗教家が訪れ 神への信仰を伝えた 町の人々は 宗教を信じるもの 信じないものと 二つに分かれ いがみ合うようになった あるとき宗教家は 神を信じぬのは 本の館のせいだと叫び 様々な本,学

          メモ用詩『領主と本の歌』

          メモ用詩『安らぎ』

          あなたのそばで 眠らせて セックスはしなくていい あなたを感じていたいの あなたが私を感じるように これが安らぎだと 教えてほしい セックスじゃなくて 安らぎの形

          メモ用詩『安らぎ』

          メモ用詩『脱落』

          吐き気 途中下車した 地下鉄 見送る ホームのベンチ 人生から 置いてかれた 気がした

          メモ用詩『脱落』

          メモ用詩『女であったなら』

          わたしが 女であったなら あなたは わたしを愛してくれた あなたが 女であったなら わたしは あなたを愛しただろうか わたしは あなたが好きで いまもくるしみ ひとりくるしみ かってに片思いをしている ただの物狂い あなたが好き 欲望をさらけ出し 生身の人間の わたしを愛して

          メモ用詩『女であったなら』

          メモ用詩『武器を捨てよ』

          武器を捨てよ その手に 水と食料を 服と毛布を 薬を その手で 暖かい家を 安らぎを 治療と看護を 壊れたもの 無くしたものは 戻らない 起こってしまったことは なかったことにはできない だから もう一度 瓦礫の下から 造るのだ 一から創るのだ もう一度いう 武器を捨てよ 両手に希望を

          メモ用詩『武器を捨てよ』