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メモ用詩『出会い』

大きな雄鹿だった
立派な角は
美しい対称性をなし
バレエを感じさせる
優雅さを持っていた
私と見つめ合って
どのくらい経っただろう
鳥のさえずり
木々のざわめき
土の香り
偶然であろう瞬間を
完璧にしていた
風のいたずら
木の実を落とす
一瞬目線がそれた
雄鹿はいなくなっていた