岩永直子

フリーランスの医療記者←BuzzFeed Japan←読売新聞。ご連絡はiwana1016@yahoo.co.jpへ。パンダと酒と変わり者が好き。ここでは個人的なことについて語ります。イタリアンレストランでアルバイト中。

岩永直子

フリーランスの医療記者←BuzzFeed Japan←読売新聞。ご連絡はiwana1016@yahoo.co.jpへ。パンダと酒と変わり者が好き。ここでは個人的なことについて語ります。イタリアンレストランでアルバイト中。

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  • バイト日記〜医療記者、イタリアンレストランでバイトする

    医療記者がひょんなことからイタリアンレストランでバイトを始めて経験したことを綴っています。個性的過ぎるシェフ観察日記かもしれません。

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医療記者、イタリアンレストランでバイトを始める

私は普段、インターネットメディアで医療担当の記者をしている。 先日、そんな自分が初めてコロナに感染したという体験記を書いたところ、そこで少しだけ触れた「イタリアンでバイトをしている」という部分がやけに注目されてしまった。 なぜ、ベテラン記者がまったく分野の違う飲食業界でバイトをしているのか、それほど生活に困っているのか、と心配もされた。 でも心配ご無用。私はこのバイトを始めて、大袈裟ではなく人生が面白くなってきている(もちろん副収入ができたことも嬉しいわけだが)。 私

    • レストランでのアルバイトが開いてくれた、新しい扉

      新聞やウェブメディアで25年間、記者の仕事しかしたことがないのに、ひょんなことから近所のイタリアンレストランで接客のアルバイトを始めた。その日々を綴ったエッセイが昨年、本にもなった。知らない世界に思い切って飛び込んだことで、私は日々、新しい自分と出会えている。 「このままでいいの?」50歳を目前に漠然とした不安 きっかけは2022年8月、散歩中、店頭に置かれた黒板メニューを見ていたら、突然、ワイングラス片手に出てきたハンチング帽姿のオーナーシェフに「おう、一緒に呑もうぜ」

      • ついに『今日もレストランの灯りに』発売されました!

        このバイト日記、本になりますよ〜とアナウンスしてからかなり時間が経ちましたが、ついに本日、『今日もレストランの灯りに』(イースト・プレス)となって発売になりました! 全国の心優しい書店さんに置いていただいているはずです。 シェフインタビューも含めた3章の書き下ろしと、後日談や大幅な加筆がありますので、ぜひ一家に一冊、よろしくお願いします。 さっそく温かい書評も早速、温かい書評を書いてくださった方たちもいて、感無量です。 小児外科医で作家でもある松永正訓先生は「灯り」と

        • 表紙、出来ました!

          医療記者の私がイタリアンで接客のアルバイトをした日々を綴ったエッセイ集『今日もレストランの灯りに』(イースト・プレス)のカバー写真が公開されました! 私は自分らしき人物が可愛らしく描かれたこのイラストがとてもお気に入りで、見るたびにニヤニヤしてしまいます。 背景には常連の林さんがワイングラスを掲げ、そのすぐそばでコイズミ君が接客をしています。若き常連の小久保さんがバイオリンを演奏する様子も描かれています。 ハンチング帽でフライパンの中のパスタを調理しているのはもちろんシ

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        医療記者、イタリアンレストランでバイトを始める

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        • バイト日記〜医療記者、イタリアンレストランでバイトする
          19本

        記事

          『今日もレストランの灯りに』 順調に制作中

          この夏、このバイト日記をもとに書籍化することが決まった『今日もレストランの灯りに』(イースト・プレス)。 書き下ろし原稿やシェフインタビューも書き終え、鬼の編集者、林志保さんからたくさん来た怒涛の「追記依頼・問い合わせ」もビシバシ打ち返しました。若い編集者さんですが、この本を良いものにしたいという熱意が伝わってきて筆者としてはすごく嬉しいやりとりです。実際に指摘を受けて書き直したり追記したりすると、より内容に厚みが出たなと思います。まえがきもようやくこの「林関門」を通過し、

          『今日もレストランの灯りに』 順調に制作中

          医療記者としても単著『言葉はいのちを救えるか?』を出版します。

          noteではアルバイトのことを書く機会が多いのですが、医療記者として6月26日に初の単著『言葉はいのちを救えるか?』(晶文社)を出版します。 私が所属するBuzzFeed Japanで2017年から書いてきた医療記事をまとめ、大幅に加筆修正した本です。 目次はこちら。 目次】 I部■優生思想に抗う 1 難病と生きる──岩崎航・健一さんの「生きるための芸術」 2 知的障害者が一人暮らしすること──みんなを変えたげんちゃんの生き方 3 なぜ人を生産性で判断すべきではないのか

          医療記者としても単著『言葉はいのちを救えるか?』を出版します。

          祝!バイト日記、まさかの書籍化

          医療記者の私がひょんなことからイタリアンレストランで接客のアルバイトを始め、心震えた日々を綴っているこの「バイト日記」。 なんと!この夏、書籍になることが決まりました! タイトルは『今日もレストランの灯りに』(イースト・プレス社、1760円)。個人の備忘録として綴ってきたつもりが、やはり呑兵衛で変わり者の編集者、林志保さんに声をかけていただいて本にまとめられるのはすごくありがたいことです。シェフや常連さんたち、バイト仲間だったコイズミ君もすごく喜んでくれています。 書籍

          祝!バイト日記、まさかの書籍化

          叱られても、へこたれない方法は?(後編)

          アルバイトをしているイタリアンレストランで叱られることが増え、シェフと険悪な雰囲気になってしまった医療記者の私。 言葉を使う仕事をし、読書が趣味であるため、困った時はたいてい関連する本を読んで何か解決につながるヒントはないか探る。 その時、たまたまTwitterで流れてきた本を読み、気持ちが変化してきたのはラッキーだった(まだまだ現在進行形の悩みではあるが…)。 そして私が変わると、シェフもなんとなく変わってきたような気がするのである。 叱られても、へこたれない方法は

          叱られても、へこたれない方法は?(後編)

          叱られても、へこたれない方法は?(前編)

          医療記者の私がイタリアンレストランでバイトを始めて、8ヶ月が過ぎた。 一通りの仕事には慣れ、自分ではそれなりにホールを回せるようになったと思っていたのだが、シェフから見ればまだまだ足りないところが多い。 厳しい注意や叱りつける声に悩みながら働いているのが実情だ。 週1回から週3回に増えたシフト 私は平日にフルタイムで記者として働いているので、これまでは休日の土曜日のディナーだけ働いていた。 ところが、3月にはこれまで会社を経営しながら金曜日のディナーの接客だけ手伝っ

          叱られても、へこたれない方法は?(前編)

          シェフが「I LOVE YOU」を捧げる人

          私がアルバイトをしているレストランで、ホールの仕事や経理などを取り仕切っているのはシェフの奥さんだ。管理栄養士の資格を持ち、コロナ禍での感染対策も中心になって取り組んだ。 日中は記者の仕事をしてディナーの時間しか入っていない私はなかなか接点を持てていない。でも、LINEグループでの指示や連絡、そしてシェフを通じて店になくてはならない存在だということはもちろん知っている。 改めてお話を聞いてみると、「夫の夢を支える糟糠の妻」という一昔前の感動物語には収まらない夫婦のリアルな

          シェフが「I LOVE YOU」を捧げる人

          バイト仲間の卒業写真

          春は別れの季節である。 私がアルバイトをするイタリアンレストランでも、私とほぼ同時期に働き始めた大学生のコイズミ君が就職のためこの春バイトを卒業した。 この記事を私はバカみたいに泣きながら書いている。寂しいのだ。これまで記者の仕事でもたくさん別れを経験してきたが、アルバイトでこんな人間関係が結べるとは思わなかった。 そんな店で働けることを改めてありがたく思っている。 呑み、語り合い、手伝い合った時間 以前、「思い切って跳んでみると楽しいよ」という記事でも紹介したコイ

          バイト仲間の卒業写真

          いつでもそばにいてくれる喜び 「店に来ることが僕の活力に」 

          私が働くイタリアンレストランの常連客の林隆志さん(52)は、2014年12月に近くのマンションに引っ越して以来、店に親子で通ってくれている。 ALS※(筋萎縮性側索硬化症)と生きる妻、利恵子さん(50)の夜間の介護を担っていた林さんが、夜にも飲みに来られるようになったのは、リストラによる転職がきっかけだった。 夜勤のある仕事に変わり、夜間の介護をヘルパーに全面的に委ねるようになったことで、夜に来られるようになったのだ。 林さんと利恵子さんのお話を聞いていると、運命に自分

          いつでもそばにいてくれる喜び 「店に来ることが僕の活力に」 

          常連の林さんとALSの妻、利恵子さんのこと

          私がアルバイトをしているイタリアンの常連さんの一人、林隆志さん(52)はもの静かで人当たりがよく、ゆったりとした大人の余裕を感じる人だ。 別の常連の男性たちから「岩永さん、常連の中で誰が一番紳士?」とふざけて聞かれた時、「林さん!」と即答すると、「それは納得だな」とみんな真顔で頷いていた。 好奇心旺盛で新しいメニューが出るとすぐ試してくれるので、シェフも新しいメニューを作ると「林さんに食べてもらいたいなあ」と心待ちにする。 その林さんがこのバイト日記を読んで私が医療記者

          常連の林さんとALSの妻、利恵子さんのこと

          お客様は神様ですか?

          私がアルバイトをしているイタリアンレストランは、良いお客さんに恵まれている。 お店の味やシェフのキャラクターが好きな人が通ってくれるから、混んでいる時も急かさないし、こちらが手が空いたタイミングを見計らって注文や会計の声をかけてくれる人が多い。満席でホールがバタバタしている時はお皿を下げるのを手伝ってくれる常連さんさえいる。 それでも時折、悲しいすれ違いが起きることがある。 客商売だし、飲食業が厳しい時代だからこそ余計にお客さんを大事にしないといけないことはわかっている

          お客様は神様ですか?

          【ご報告】温かいサポートでシェフに枕カバーを買いました。ありがとうございました。

          ひと月前に、このバイト日記で「休めない、帰れないシェフ。コロナ対策を書く私が、バイト先では宴会を歓迎する理由」という記事を書いたところ、なんと4100円ものサポートを頂きました。 本当にありがとうございました。 これはシェフの生活の質、向上のために使うしかない! ということで、いつもシェフが泊まり込む時に使う枕につける今治タオルの高級枕カバーを2枚(ピンク色と茶色です)買ってプレゼントしました。 というわけで、相変わらず店に泊まり込んでいる毎日ですが、きっと寝心地が良

          【ご報告】温かいサポートでシェフに枕カバーを買いました。ありがとうございました。

          シェフのこだわり すべてはお客さんに喜んでもらうために

          私がアルバイトをしているイタリアンレストランは、普段着で行けるようなカジュアルなお店だ。 格式ばった「リストランテ」ではなく、気軽にワインと美味しい料理を楽しめる「トラットリア」や「オステリア」に近い感じ。 ところが、シェフがあちこちに見せるこだわりが半端ない。そしてアルバイトにもその水準の働きを要求する。 プロ意識ってこんなものなのか、と学ぶことが多い日々だ。 ソース、調味料、デザートまで全て手作り うちの店はシェフが仕込みから調理まで全てこなすことは前に書いた。

          シェフのこだわり すべてはお客さんに喜んでもらうために