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さ き
2019年4月16日 19:27
まだ足取りの覚束ないこの人と、未来が霞んで見えない不安の中を、私は手探りで進んでいます。どこで、足元の小石に足をとられて転んでしまうか、強風にのって飛んでくる枝葉は私たちを傷つけやしないだろうか、見えない不安は私の想像の中でだんだんと大きくなっていきます。最期まではぐれずに登りきれるかも分からない、頂上の見えない霧の深い山の傾斜を歩んでいます。この人よりもっと山登りが上手な人が、一緒に登ろうよ
2019年10月7日 03:15
明日も朝が早いのに、時計はもう夜の3時。お風呂上がりで作業をしていたから、足はもうすっかり冷えてしまっていた。自分で決めたことなのに、もう挫けそうになっている自分が憎い。こんな嫌悪に陥るくらいなら、はじめから決まりなんて作らない方がいいかもしれない。おもい足をベッドまで引きずってゆく。するすると布団に足を滑り込ませること、あなたの温もりが肌に伝わってきて、気持ちまで緩めてゆく。夜なべし
2019年10月11日 12:57
こってりしたものはすぐに飽きてしまうから、あんまり沢山食べられないのだけれど、どうしても食べたい時がたまにある。炭酸の強い飲み物も、時々どうしても飲みたくなるのに、おいしいと思えるのはいつだって最初のひとくちだけで、あとは甘ったるいピリピリを耐えるだけになってしまう。そうと分かっていながら、どうしても、ひとくち目の感動を求めてしまう。ひとくちだけ、分けてくれる人がいればなぁ。そんなワガママは、独り
2019年10月14日 22:23
女の子は人前でおならなんてしないよ昔の恋人にそう怒られたことを今でも覚えている。たかがおならと思えたらよかったけれど、あの頃の私は自分を否定されたような気がして、それだけのことにひどく傷ついた。私は私である前に「女の子」で「日本人」で「人間」であり、そこからはみ出してはいけないのだと、型に押し込まれたような窮屈さを感じた。出るものは出すべきであって、我慢するべきじゃない。そう言われて育てら