南部せんべいであと一品(のせるだけ・添えるだけ)
南部せんべいは近所で売っているところが少なく、お土産でもらったりしない限りなかなか食べる機会がありません。
先日「こびりっこ」(南部せんべいに甘いお赤飯をはさんだ郷土食)を作ってみたくて、南部せんべいを買いました。
南部せんべいは、そのまま食べておいしいだけでなく、食材としても使い道が広いようです。
レシピを検索してみるといろいろな使い方が紹介されています。例えば、
●味噌汁や鍋物の具にする
●ピザ生地代わりにする
●マカロニの代わりにグラタンに入れる
●ジャムや蜂蜜を塗る
●チョコレートがけにする etc.
汁物に入れるというのは、南部せんべいがよく食べられている地方ではポピュラーな使い方。「せんべい汁」と呼ばれ、専用のおせんべいも販売されているそうです。食べてみたいです。
小麦粉で出来ている南部せんべいは乳製品との相性もよく、バターやチーズと合わせてもおいしいことがわかりました。
南部せんべいにひと手間加えた料理も楽しそうですが、おせんべいのよいところはそのままでも食べられること。
その利点を生かし、今回は「あと一品欲しい」「もう少し飲みたい」時に速攻で用意できるものを中心に作ってみました。その中で、私が割と気に入っている食べ方を紹介したいと思います。
料理というほどの料理ではないので特にレシピはありません。
クラッカー代わりのカナッペ
カナッペには、プレーンな白せんべいか、甘みのついていないものが向いていると思います。食べやすい大きさに割って使います。
残念ながら、近所で手に入るのは塩気のある黒胡麻入りと、甘味のある落花生入りのみ。ここでは黒胡麻入りを使っています。
クラッカーと違って生地に油脂が入っていないからか、濃厚なクリームチーズと合わせてもあまりくどさを感じません。
酒盗は、かつおやまぐろの内臓を長期熟成させた塩辛です。日本酒のあてになる他、アンチョビのように使えます。
酒盗とマスカルポーネの組み合わせはテレビで見て知りました。マスカルポーネのようなくせのないチーズと合わせると酒盗はワインにも合います。
これは、落花生入りのほんのり甘いおせんべいでも合います。
今はふきのとうの季節ではないのですが、瓶詰めのふきのとう味噌は一年中手に入ります。
クリームチーズとの意外な組み合わせもテレビで見て知りました。ふきのとうの苦味とお味噌の甘みが、クリームチーズに絶妙にマッチします。日本酒でも白ワインでも合います。
こんな風に、クリームチーズを何か食べられるものにのせると、お皿につきにくく洗い物も楽です。
クラッカーや薄切りバゲットの代わりに
お徳用の割れせんべいを市販のチリコンカンに添えました。
チリコンカンのほか、タコミートやキーマカレーなどひき肉料理が少しだけ残ったときにも。
レバーペーストは手軽に市販品を使っても良いのですが、割と簡単に作れます。冷蔵庫で4〜5日持ちます。
薄切りのバゲットの他、セロリやにんじんなど生野菜のスティックにも合います。
作り方をざっと説明すると次の通り(私の料理はいつも、分量などがかなり大雑把です)。
① 鶏レバー(150〜200g)を血抜きして、スライスした玉ねぎ1/4くらいと、にんにく一片のみじん切りと一緒にバターで炒める。
② ①にひたひたの水とローリエ、お酒(ワインやブランデーなど、家にあるもので)大さじ2くらいを加えて水気がなくなるまで煮る。
③ ②からローリエを取り除き、生クリーム50ccくらいと塩・こしょうを適宜加えてブレンダーなどでペースト状にする。様子を見て生クリームを足す。
④ 冷蔵庫で冷やす(③でちょっとゆるいかな、と思っても冷やすと割と固くなる)
ピザ生地として
南部せんべいを裏返し、しらすとチーズをのせて焼きます(私は魚焼きグリルを使いましたが、トースターでもいいと思います)。
チーズがとけてぐつぐつしたら出来上がりです。おせんべいはすでに焼いてあるものなので、加熱は短時間ですみます。仕上げにちぎったバジルをトッピングしました。好みでオリーブオイルをかけてもいいと思います。
具材がしらすなら黒胡麻の南部せんべいが合いますが、トマトソース系のピザならば白せんべいの方が向いているかもしれません。おせんべいの耳がこんがりと香ばしいのもおいしいです。
デザートのお皿にする
電子レンジで蒸したかぼちゃの皮を取り、マッシュしてマスカルポーネ(好みの量)と混ぜて練ります。シナモンで香りづけしてもよいです。
マスカルポーネはくせがなく、酸味や塩分も少ないので生クリーム代わりに使えます。泡立てる手間いらずで重宝します。
裏返した南部せんべいに盛り、ナッツ類をトッピングしました。かぼちゃは黒胡麻、落花生、どちらのおせんべいにも合います。
ただ、南部せんべいはタルトのようにカトラリーで切ることができません。上にのせたものを先に食べてしまってからおせんべいを手に持ってかじるのが食べやすいです。おもてなしには向かないです。
紅玉1/2個の芯を取り、皮ごと薄切りにしてバターを溶かしたフライパンで焼き、仕上げにひとつまみの砂糖とシナモンをからめたものをのせています。
直接お皿に盛っても良いのですが、南部せんべいにのせると見栄えもよく、洗い物も楽です。バターの風味が移ったおせんべいもおいしいです。白せんべいか、落花生入りが合うと思います。
黒胡麻の南部せんべいに、ミルクアイスと皮をむいた焼き芋をトッピングしました。おせんべいの上で、スプーンで焼き芋を崩しながらアイスと混ぜて食べます。おせんべいに溶けたアイスが染み込んだところもおいしい。
私はしたことがありませんが、2枚の南部せんべいでアイスを挟んで食べると、アイス最中みたいだとか。これもおいしそうです。
以上、私の南部せんべい活用法でした。
もう少し寒くなったら、汁物用の南部せんべいを取り寄せて温かい料理にもチャレンジしてみたいです。