新生活のそばにある、おいしいスパイス料理のお店にようやく伺う
年末に今の住まいに越してきた。まだまだ部屋は片付いていない。段ボールの存在感に人間が負けている。
越してくる前から、今の住まいのすぐ近くに、楽しみがあった。
おいしいカレーが食べられると評判の店が近くにあるのだ。うちから徒歩10分というところ。前の家からも徒歩30分程度だったので、行けない距離ではなかったが、これまで機会がなかった。
店の前に人が並ぶ様子をテレビで見たことがあったので、混雑するだろう12時台を避けて、13時過ぎ、同居人と出かけていった。サイトを見ると昼は15時までの営業だが、ラストオーダーが14時になっていたので、ちょっと前を狙って。
が、行列もなく、すんなり入店。
頼むメニューは決まっていた。
ランチは1種盛りと2種盛りがある。できるだけ楽しむつもりなので、2種盛りの一択。最近、ダイエットしなきゃという気持ちが高まってはいるが、ハーフサイズのご飯お代わり無料までは視界に入っている。
え? なんとカレーは8種類から選べる?!
この辺が私の調べが甘いところ。
エビは食べてみたい。うーん……、あとは、ココナッツかな…。
両方まろやかだと、十分に食事を楽しめないかもしれない。食べている最中に変化が欲しい。
と考えてみるものの、「冬の名物」の文言に負けて、味の変化のことは忘れて、もう一つはカキを選ぶ(カキのみ、追加料金あり。二種盛りの場合はプラス300円)。
同居の人は、サンバルと、私が頼まなかったココナッツ。
10分くらい待ったろうか。
目の前にご飯とカレーが並ぶ。
カキも、エビも、具を除いたとしても、しっかりとカレーの中に存在感を感じる。
時々、スープなどで見かける「うわ、(口中が)めっちゃエビ!」ってタイプを想像していたけど、そこまで主張が強くない。カレーの中においしいエビやおいしいカキが漂っている感じ。しかし存在が薄いわけではなく、具がなくても、しっかり存在を確認できる。そもそもスパイスが、味の邪魔をしていない。辛すぎたりしないし、味を感じることができないほど刺激が強いものでは決してない。スパイス料理が好きな人は、もっと刺激的なスパイスの主張を望むのだろうけど、私には、スパイスの香りを楽しみながら、食事ができる、これくらいでいい。
そもそも、これはカレー?? おいしいスパイス料理という感じ。
よく使う、基本的なカレーのスパイス(ターメリック、クミン、コリアンダー)のどれかを抜いているんだろうか? それともたくさんのスパイスを使うことで、いわゆるカレーらしさが打ち消されているんだろうか。
周りを囲むアチャールがとてもうまい。これはそれぞれに食べつつも、まぜまぜして、食感の違いや味や香りを組み合わせて、いただきたくなる。
注文を失敗したとすれば、カキもエビも単品で食べたい。頼んだ2種を混ぜて食べたい気持ちにもならないし(結局混ぜるんだけれども)、アチャールとまぜまぜして食べたいタイプではなかった。
まぜまぜするなら…
ラッサムとラムキーマ、
ココナッツとガーリックチキン、
サンバルとラムキーマ、
サンバルとポークビンダル
みたいな組み合わせだろうか?
うん、次回はきっとそうしよう。
と考えつつも、食べたい食材が目の前にあれば、食感の変化やマリアージュといったことを横において、食べたいものを頼む自分を想像できてしまう。おいしい組み合わせには、永久に出会えないかもしれない。
が、まぜまぜしなくていいとしても、カキも、エビも、アチャールも、それぞれがとても美味しい。液体のカレーにカキやエビの存在を感じるが、中にいる具であるカキやエビもプリっとしていて、食べ応えがある。
もちろん、同居の人が頼んだ、サンバルとココナッツも少し分けていただく(私のカキとエビも同居の人に分け分けする)。
サンバルの酸っぱさはいい。とても好きだ。
これは、周りのアチャールにも絶対に合う。
ココナッツは、結構、濃くトロみのある感じ。
で、まぜまぜ向きじゃないと言いつつ、カキとエビ、カキとサンバル、エビとココナッツなど、周りのアチャールを混ぜながら、黙々といただく。
おいしい料理をおいしく書きたい、と常々願っているくせに、食べ出した途端、何がどうおいしいとかいう分析もせず、ただ黙々とスプーンを口に運んだ。
予定通り、ハーフサイズのご飯もお代わりして、4種のカレーを堪能した。
普段、コーヒーに砂糖を入れることはないけれど、濃いコーヒーには、たっぷりの砂糖を入れたくなる。角砂糖二つを投入。デザートの酸味とやさしい甘みを受け入れた後、たっぷり甘いコーヒーを味わって、ランチ終了。
同居の人は、今日はたまたま来れたけど、平日来るのは難しい。
私は、同居の人に黙って、たまに来ることにしよう。
あとはこちらはディナーもよさそう。
ディナーは予約もできるので、同居の人と都合の合う日に。