今月もひとり歌会(2024年3月)
月が終わると、毎日詠んだ歌を整理する「ひとり歌会」。誰のフィードバックも得ず、詠んだ歌を見ながら一人、仕事や生活をふりかえる。
近況
3月に入って、広島に婚前旅行。3月中旬に籍を入れた。途中、息子と久々に登山にも行った。充実しているように映るかもしれないが、3月の最終週は、気持ちが沈み、ほとんど自分の部屋で過ごした。調理もできなかった。ちょっと雑に手帳から起こしたので、あとで推敲するかもです。
今月の歌(37首)
3/1金
一方は焦り、一方はゆるゆると歩く 成田離婚の仕組み
牡蠣なんて全国にある広島じゃなくなっていい プリっ、しとっ、うんま!
3/2土
人類の課題を抱えた祈念館 妻の持つ時計への不寛容
3/3日
知らぬ人がカメラを構えだしたので絶景ポイントを知る尾道は
頂上の近くで冷たい時雨降り「一句を詠んで」と新妻の肘
3/4月
人妻という属性が付与されて、付き合い変わる友人のこと
(「塔」短歌会4/20締切投稿⑩)
3/5火
飲み会の帰途に「ラーメン屋があらわれた」太らせたいか神の思惑
3/6水
あまりにもはかどらないのでポモドーロタイマーを押しむりやり動く
3/7木
「ゴミ捨て…」と言いつつ酒を買いに行く 行動はバレて妻のため息
(「塔」短歌会4/20締切投稿④)
3/8金
調理してもテーブル上に会話なく 会話のレシピも一緒にください
→食卓におかず並べど会話なし 会話のレシピも合わせてください
(「塔」短歌会4/20締切投稿⑤)
3/9土
息子との夏の登山の夢を見る 富士が見るから登るものへと
3/10日
目の前に肉だく牛丼食む息子 父は幸せを食む 子だくだく
(「塔」短歌会4/20締切投稿⑨)
3/11月
子と同じ推しがオスカーを獲る午前 ゴジラのように咆哮をする
3/12火
緊急のミーティングよりも気になって月詠投函、肩の荷おろす
3/13水
作りすぎた味噌汁に牛乳入れ、煮立て、パスタを茹でて、チーズ振った
3/14木
入籍の前日にだってもうムリと投げ出したくなることはあります
→入籍の前日にだって「もうムリ!」と投げ出したくなることはあります
(「塔」短歌会4/20締切投稿①)
3/15金
虎の日で一粒万倍日の天赦日で315(サイコー)の日の役所の混雑
(「塔」短歌会4/20締切投稿②)
3/16土
四年ほど住んだビルの前 郵便受けの名前を今カレのように受け入れ
3/17日
80点 70点 90点の日のあとに、20点があるそんな人生
3/18月
八王子でくらった花粉3日目も 朝、目を腫らす 呪いのように
魯肉飯は肉よりも香を楽しむ品に仕立てた空間の近所にあるを
3/19火
酔うた後、駅のベンチで突っ伏して 酔客の愚痴を後頭部で聞く
3/20水
買い物の役割はまだ前時代的で 男性ばかりのベンチで待った
3/21木
自らを育てて 整え 醸すため 毎日一つ詩を摂取する
3/22金
寝ぼけるとつい「お母さん」と口にする 五十歳の手前、亡き母とても
→寝ぼけるとつい「お母さん」と口にする 五十の手前、亡き母とても
(「塔」短歌会4/20締切投稿⑥)
3/23土
性生活の苦労があると 若き日の所業のせいかと一人悩む夜
3/24日
籍入れたあとに話題にしなくなることがだんだん積み上がりゆく
完璧な人はいぬもの そうであれ 比べちゃならぬ 元妻と妻
→完璧な人はいぬもの そうであれ 比べちゃならぬ元妻と妻
(「塔」短歌会4/20締切投稿③)
3/25月
相談ができぬ話題が蔓延し 自宅のリビング息苦しくて
3/26火
酒に逃げ けれど逃げる先のあることも幸せと呼んでいいのだろうか
何物にも依存をせずに生きていく人の爪の垢茶を出せ、伊藤園
→何物にも依存をせずに生きる人の爪の垢茶を出せ、伊藤園
(「塔」短歌会4/20締切投稿⑧)
3/27水
バツがつき二度目に籍をいれたあと はじめて感じる壁が現る
3/28木
独居との違いのわからぬ二人いて部屋に満ちてく不満の分子
3/29金
五十前に苦手なことを思い知る 納会はじまり5秒で壁化
空腹は最高のスパイス とんかつの後の料理は身のない苦行
3/30土
母と見た東京の桜 千鳥ヶ淵でさだまさしの詞とともに思い出す
→母と見た東京の桜 千鳥ヶ淵でさだまさしの詞と思い出す夜
(「塔」短歌会4/20締切投稿⑦)
3/31日
息子との週末の時間を確保するためにホテルの利用は難民
いい歌を詠むため、歌の肥やしにいたします。 「スキ」「フォロー」「サポート」時のお礼メッセージでも一部、歌を詠んでいます。