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第一想起を獲得するには? そして想起を獲得するだけで十分か? #マープス
無料のオンラインマーケティング講座「マープス」は第7回です。
池田さん単独講義では4回目です。
本日開催します!!!まだ間に合います!!
— かめい/マーケ無料学習『MARPS』運営 (@kame1da1k1) September 20, 2023
今日はグループに分かれて学びをより深めるための取り組みを考えております(自由参加の交流会です)
「第一想起」は広告で獲得可能か?」|マーケティングが無料で学べるMARPS(マープス) https://t.co/ixiiuSVyCr #MARPS #マープス
今回のウェビナー申し込み時のアンケートでは、
「第一想起(商品カテゴリの中で最初に思い出される)を広告で獲得できることは可能か?」という質問がありました。
私の回答は、
「可能だけれど、他にも手段がある」
でしたが、
正解は、
「広告だけじゃ無理!」
でした。
これまでの講義の内容、プレファレンス(ブランドを選ぶ候補)を獲得するためには、何が必要かという要素を理解できていないことが露呈しましたね。勉強不足…
本日の内容
想起に至るまでの要素を分解します。
購入時に思い出してもらうには、プレファレンスを獲得する必要があります。
そのプレファレンスのリストに入るためには、
・価格
・ブランドエクイティ
・製品パフォーマンス
が、いい状態で成立してなければいけません。
ここですでに申し込み時の質問の回答が得られていますね。
「価格」や「製品パフォーマンス」は、マーケティング施策では決定できません。最初に「価格」を決めることはできるかもしれませんが、最終的には、市場の他の製品との比較、流通にかかる費用で決まります。「製品パフォーマンス」も製品のよい点をマーケティング施策で訴求することはできますが、A社より軽い、B社より手頃な大きさである、という製品の特長まで、マーケティング施策では動かせません。プレファレンスを決める「ブランドエクイティ」の一部しかコントロールできない広告では、第一想起に入ることはできません。
ブランドエクイティとは
今回、ブランドエクイティは、デイヴィッド・アーカーのモデルから以下のように定義されました。
・ブランド認知(どの程度知られているか?)
・知覚品質(他の商品と比べて感じる品質の優位性)
・ブランド連想(消費者が連想する言葉、色、CM曲、イメージ)
・ブランドロイヤルティ(愛着、他の人に薦める度合)
・その他資産(知的財産)
ブランドエクイティについては、理解が十分でないので、あとで復習しますが、広告は、この「ブランドエクイティ」の中の認知や連想を高めることができても、その他すべての要素に働きかけることはできません。
レビュー
仮に第一想起に入れたとして、それで十分なのでしょうか?
消費者は、後悔したくない、失敗したくないと考えます。これまでは、高い商品であっても、結局、購入してみないとわからない面がありました。しかし現在は、ユーザーレビューというものがあります。ユーザーレビューを通じて、他人の経験、使い勝手を類推できるようになりました。レビューが悪ければ、それだけで商品が売れなくなります。トライアル購入すら起こりません。商品改善を徹底的にやるしかない状態に陥ります。
ユーザーレビューが存在する現代では、想起を高めるだけじゃ足りず、購入者が満足する「製品パフォーマンス」が、欠点がない製品という以上に、販売後に影響を及ぼすことを知っておく必要があります。
今回触れられなかったと思いますが、レビューを増やす以外にも、いいレビューをユーザーに書いてもらう方法は考えられそうですね。悪質なレビューをつぶしたり、投稿をチェックするといった直接的なことでなく、いいレビューを書いてもらうために、利用者が好む特徴をわかりやすく伝えること等を考えられそうです。
パーセプション(認識)、カテゴリエントリーポイント
後半は、「パーセプション(認識)」と、ニーズの入り口である「カテゴリーエントリーポイント(CEP)」の話でした。
パーセプションの例としては、洗剤の例が挙げられていました。もともと日本の家屋に向いている小さい洗剤、花王の「アタック」が強かったそうですが、「洗濯しても実は菌が残っています。臭いの原因は菌です!」という認識を消費者に植え付けることで、除菌ができるP&Gの「アリエール」が売れました。強者との価格競争を行わず、認識を変えることで、洗剤を売ったわけです。
もう一つの例として、「ソロキャンプ」需要の話がありました。もともとキャンプを一人で行くことは、さびしい人という認識をされていました。それが、おひとり様もいいですよ。というおひとりさま需要が掘り起こされたことで、ソロキャンプに需要が生まれました。
カテゴリーエントリーポイント(CEP)は、どうやってニーズの入り口を設けるかという話。ポカリスエットとアクエリアスのニーズの違いの例が紹介されていました。同じスポーツドリンクというカテゴリでありながら、ポカリスエットには、風邪など、体調を崩した時に、想起されやすいドリンクでした。これは、大塚製薬さんが、そういう場面での想起を作ってきたんですね。
今回の課題
今回の講義を踏まえて、池田さんから課題が出されました(提出義務なし)。
買い物をする瞬間、「ニーズの入り口(CEP)」「想起集合(ブランドの選択肢)」を意識してみましょう。
なぜ手に取ったのか? 自分のニーズは何だったのか? を日常確認できるいい課題ですね。買い物が学びの場になるのはいいですね。
講義後の「学びを深める会」
今回、講座後に、参加者同士の会話をする「学びを深める会」がありました。一つのルームに4名が入って、参加者同士で話し合う会(約30分)です。
テーマは、生活者目線で、普段コンビニで購入する商品を共有し、それ以外の商品を手にとったきっかけを話し合いました。
参加者の1人から出たペットボトルの水の話が興味深かったです。ルーム内に決まった銘柄を買う人が2名いました。2人とも別の商品を手に取ったことがあって、1人は別の商品が同じ安い価格だったことに気づいた時、もう1人は、尿管結石になったあと、(結石が作られないよう)硬度が低い水を買うようになったとのこと。そんなニーズは聞いてみないとわからないですよね。尿管結石の生涯罹患率、男性は約10%だったので、健康を気にする中年男性が見かける場所にそのようなメッセージがあれば、同じ理由で手にする人は増えそうです。
たった20分かそこらで、そんな変わり種のニーズが聞けるわけですから、ほんと商品が売れる理由なんてわからないものですね。
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