神くん 「人気者」
いわゆる下界というところに来たようだ。
なんて騒がしい。頭がキリキリする。よくこんなところで生活してるな、とつくづく思う。
とはいえ、元はと言えば自分たちが創造した物がここまでになったんだから、彼らの努力も認めてやろう。
最近は彼らも「生命の起源」みたいなものに近づきつつあるようで、大したもんだと思うよ。頭良くなったんだねー。えらいえらい。
何にも考えてない奴らと思っていたけど、気がついたらこんなに成長してるんだからね。
とりあえず、自分の姿はこれでいこうと思う。
事前にリサーチした、結構前から人気があるらしいこの姿。すれ違う人がみんな振り返るぞ?何でだ?
これが人気というものか?
悪くない。注目を集めるって、気持ちいいもんだな。
ん?なんか小さいのがたくさん寄ってくるぞ。
これが子供っていうんだな。たしか、、園児?
そうそう、黄色い帽子は園児率高いはず。
え?なになに?
こらこら一斉にしゃべるな、聞き取れんだろう。
あ、、んぱ、、ん、、?
あんぱん?
この園児たちは意味不明なことを言う。
ラチがあかない。園児がまとわりついて動きにくいぞ。困ったもんだ。
あ、何か店がある、しかもなんか美味しそうな香り、、、園児ごと入っちゃえ!
「いらっしゃい、、ま、、せ、、、、」
いらっしゃいませと言うのは店員という者のはず。
しかし、鳩が豆鉄砲をくらったような顔でこっちを見る。
園児が引っ付いてるから変なのか?
「この園児たちが絡み付いて困っておる。しきりにあんぱん、あんぱんと言っておるが、何ぞ?」
店員とやらに声かけてみた。
言葉というものは難しいものだ。
しかし、店員はこっちを見てコクリコクリとうなずいているから、伝わってはおるのだろう。
再度聞く。
「あんぱんとは?」
店員は私の顔を、何の迷いもなく指さした。
うーむ、人気だけで姿を決めたらいかんかったなー。
そういえば、背中に茶色みたいな布がヒラリヒラリしてるのもジャマだしな。
神くんの冒険は続く、、、、、
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