オットーという男
公開していた時に見ることができなかった作品をアマプラで見た。
実は最初の数分を真剣に見ていなかったので、嫌われ具合があまりわかっていない。そんなに?と思うエピソードが次第に増える。
理解者もゼロではなく、古くからの友人もいる。
彼は相手の事情は聞き入れるし、手を貸すし、道具も貸す。
「僕がトランスジェンダーでマルコになったから親に嫌われている」
という青年。妻の教え子だったという。彼にも遺言を残す。
駅で電車に飛び込もうとしていたら、先に落ちた人がいて
つい助けてしまったりする。その時の若い野次馬は、手を貸すのではなく皆、動画を撮ることしかしていないのだった。
自分がホームに上がるのを躊躇していた時に助けてくれたのは
中年以上の年代の男性だった。もちろん誇張された表現だけれど
オットーが生き残りたくないと思うのに共感してしまう。
その動画を見たSNSの編集者は追い返すが
ちゃんと心には留め置いて後で利用する。
同じように年老いて体の弱った友人夫婦を助ける。
理性も知性もちゃんとあって、ただ「曲がったことが嫌い」なだけだ。
人生の最後近くで唯一の人を亡くす ということの哀しみが迫ってくる。
ぐいぐい来る隣人女性に運転を教える姿が
彼の人柄の象徴的な場面だと思った。
トムハンクスも年をとったなぁ とそんなところも感慨深かった。