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読書感想文・図書館

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読んだ本のまとめです
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2024年7月の記事一覧

もうひとつの扉

角田さんの、「UFO」の中に入っていた短編。 河童を見たらしいルームメイトがいなくなる。 生活時間が違うのでなかなか気づかずルームシューズに 珈琲豆を入れて確かめてみたりする。 さらに日が経って、何故いないと男が訪ねてきて その男から、一緒に河童を見たという話を聞くのである。 そんなことがあって初めて、その同居人のことを何も知らないと気づく。 細かなエピソードがいろいろあって 派遣として働いている中で仲間が突然契約打ち切りになっていたり 自分の事も打ち切るつもりがある

まどろむ夜のUFO

恋愛小説が多い、という角田さんのイメージとは違うタイトルだったので 借りてみた。 読み始めたら、煙草を吸う人がやけにたくさん出てきたので つい出版念を見たら、96年だった。 煙草の害についてはっきり言う人が増えたころである。 学校の職員室などで吸うのを止めようという話が出始める頃。 まぁタバコが物語を動かしているわけではない。 ストーリーとしては、大学受験を控えている夏休みに、弟タカシが 姉ナナコのところから予備校に通うということになる。 弟とは幼いころUFOのことなどを

ヒトリコ

小学校から高校生までの少年少女の、状況や成長が描かれている。 主人公は、日都子。 生き物係として金魚の世話をしていたが死んでしまったことをきっかけに クラスで裏切りやいじめがあり周りに対し完全に心を閉ざし、 それで「ヒトリコ」と呼ばれることになる。 誰とも話そうとはしない少女になってしまった。 幼稚園から中学まではずっと一緒 という狭い地域。 50人強だからふたクラスになるけれど。 そういう所で仕事をしたことがある。 そんな人数で、意地悪な子が一人いればとても辛い生活に

たどたどしく声に出して読む歎異抄

歎異抄を訳してみた という本である。 著者の父を看護するのに、死生観というか宗教観というか そういうものを求めていろいろ読んだのだそうだ。 その中に「歎異抄」もあって、自分で訳すための助言のようなものも書かれていたという。 そういう理由でそういうジャンルの本を読んでいくというのもすごい。 で そういう訳の合間に、アメリカと日本を往復する旅が辛いと書かれている日常雑記のような文章が入る構成になっている。 そのエッセイというか日常雑記がとても面白い。 ほとんど詩のようだと思う。

アマリとナイトブラザーズ

アマリは黒人で、貧しい人が住む地区に住み、母は安い賃金で働いている。それでも、アマリも兄も優秀で、私立の奨学金がとれるほど優秀だ。 差別といじめが合わさってかなりひどいいじめや嫌がらせに合っているがそれ以上に心を覆っているのが兄の行方不明だ。 アマリは兄を探し出すことを心に誓っている。 その兄から届けられたものが招待状代わりとして、 アマリは兄も参加したことがあるサマーキャンプという名の 超常現象局の入局試験に参加することになる。 兄の推薦だと知らされたのだ。 映画「メン