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2001年の本だった。 村上龍氏がなぜ「嘘」だと思ったかというと、中学生にアンケートをとった 結果が、彼らがそれほど悲観していないから という理由だった。 中学生の多くが絶望しているようだったら、教育は崩壊している、と。 心理カウンセラーの三沢直子さんは、個々の子どものカウンセリングではなく、教員や保育士に講座を開くようになったという。 現場は切迫しているが、文科省には伝わらない。 彼女の後輩にあたる人が言った言葉として 「自分の世代はパーソナリティに問題がある人が七割を越
インタビューが元になって作られたらしい一冊。 「詩」そのものの力は弱っているように見えるが かわいいものとかチャラチャラ綺麗なものが流行っているのは 「ポエジー」に対する一種の飢えだと見える という意見が なるほどと思えた。 途中で小室等さんも出てきて歌を歌ったようだ。 「詩は、暴力財力権力という強大な力に対抗するひとつの『よすが』」 なのだと谷川さんが言うと納得してしまう。 君はボルボを買ったんだってね 俺はサンダルを買ったのさ というのは、私の好きな谷川さん
エッセイ集である。 両親の介護をし、夫の介護もしたんだそうだ。 夫は言葉で追いつめてくる人で、ずいぶん喧嘩もしたと言うが もう歩けなくなっていたけれど退院して帰りたいと言われ 連れ帰った。 24時間の介護をプロに頼むととんでもない金額になるので 夫の方が、それはやめようと言い。 退院して程なく亡くなったそうだ。 とにかく寂しくてもう一度介護したいくらいだったそうだ。 夫と話をしていたなというタイミングで犬と散歩していたら 一日五回も散歩していたという。 情の深い人だなぁ
「闘いの庭 咲く女 彼女がそこにいる理由」(ジェーン・スー)を読んだ。 様々な女性のインタビューをまとめた本。 柴田理恵や田中みな実も面白かったが、ラストの、漫画家一条さゆりはまさに「闘い」の中にいたのだと知った。あの年代の女性漫画家たちは「母との関係」が大変な人が多かったのだ。
究極のディストピアである、と評する声もあるそうだ。 短編集であるが、ちょっと連作っぽい感じもする。 地震や原発による汚染で済めなくなった東京。 鎖国している日本。外来語も使わない。政府も民営化。 日本列島の位置さえ、今よりだいぶ大陸から離れているような。 百歳の死ねない年寄りで作家の義郎は、曾孫の『無名』と暮らしている。 放射能を浴びても老人は死なないが、子どもはどんどん弱っていく。 『無名』は噛むのも飲み込むのも着替えるのも歩くのも大変なのだ。 『無名』という名は義郎がつ