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北陸の発酵食と糀屋さんとの出会いは必然だったのかもしれない

こんにちは、発酵六花(りっか)です。

今日は、発酵の魅力に触れる旅、Vol.1は北陸編です。
「発酵の魅力に触れる旅」では、その土地へ行って、食べたもの、体験したこと、感動したこと、発見したことなどを綴っていこうと思っています。

Vol.1では、金沢へ発酵を学びに行っていた時に出会った、北陸ならではの発酵食と老舗の糀屋さんの話を綴っていこうと思います。

>>>発酵食を学んだきっかけ

北陸の発酵食文化を知る
冬の味覚「かぶら寿し」とは?

北陸地方は冬が長いこともあり、保存食の文化も根付いていて、北陸三県にはみそ、しょうゆ、酢などの発酵で作る調味料の醸造元も多く、しょうゆやみそ蔵が集まっています。

北陸ならではの発酵食、かぶら寿しやいしる、へしこやこんかなど、その風土が育んだ独特の発酵食品が多数存在し、どれも興味深いものばかりでした!

かぶら寿しは、「寿し」という名前ですが、酢飯を使った「お寿司」ではなく、馴れずし(魚を塩と米飯で乳酸発酵させたもの)の一種で、輪切りにした大かぶの中に塩漬けした鰤(富山県では鯖や鮭も)を挟んで糀で漬けたものを指します。

由来には諸説あるようですが、江戸時代、贅沢品で庶民が食べることを禁じられていた鰤を、かぶに挟み、隠して食べたとも言われているそう。大きなかぶも絵本以外で見たのは、初めてでした。

人生初の体験は、大人になってからも心躍る

四十萬谷本舗さんで、かぶら寿し作りの体験もさせていただきました。

四十萬谷本舗さんは金沢市にあり、1875年の創業から140年以上、醤油、味噌、糀などを始めとした、味噌漬やかぶら寿し、大根寿しなど、地元の文化に根ざした発酵食品をつくり続けているそうです。

金沢の伝統的な町家
かぶら寿しの材料
かぶに挟んで糀を塗り込み並べる
1週間くらい漬け込む
きれいな出来上がり!

人生初のかぶら寿し作り。
大人になってからも初めて体験することは、心躍りますね!
実際、かぶら寿しの見た目は地味めではあるのですが…ひと口食べてみると、鰤の旨みがギュッと詰まっていて、糀の甘さに包まれたかぶとの相性が良く、お箸が止まりません。
こんなにおいしいものがあったのか!と衝撃を受けました!

金沢の飲食店でも、秋冬になるとメニューにもあります。日本酒とかぶら寿司、最高ですね!

金沢の静かな路地に佇む、高木糀商店

発酵食で出会った方々に、金沢の街で生の糀が購入できると教えてもらい、最初に生糀を購入したのが高木糀商店さんです。
生の糀になかなか触れる機会もなかったのですが、発酵食を学び始めてから、初めて生の糀に触れました。

江戸時代、天保の世に創業、なんと190年の歴史がある髙木糀商店さん。
金沢の東山にあり、ひがし茶屋町の小道を奥に入ると、静かな路地に佇む素敵な金沢町家があらわれます。風格のある暖簾をくぐると、歴史を感じる風景の中、その場で糀を量ってくださり、購入できます。
糀は昔ながらの製法で、石室で作られているそうで、とても貴重な糀やさんです。

みそや甘酒なども購入でき、今でも金沢に行くたびに訪ねている、お気に入りの場所でもあります。

北陸唯一の種麹屋さん、石黒種麹店

石黒種麹店さんは、富山にある種麹屋さんで、発酵食を通じて出会った仲間たちと訪れました。

歴史のある風情のある建物で、建物の中もとても素敵な空間でした。
8代目の店主にもお会いできて、気付けば3時間!とても丁寧にお話をしてくださり、興味深お話もたくさん聞けました。

江戸・文政年間より麹を作り、種麹店としての創業は明治二十八年。 北陸で唯一、全国でもわずか十軒ほどしか無い、種麹屋さんなのです!
昔ながらの手作業による「こうじ蓋製法」で手間ひまかけて、丁寧につくり続けているそうです。

甘酒を売っている様子の版画
できたての糀の升を見せていただきました
ふわふわで美しい糀
種麹や記事も見せていただきました

酵素がとても強いという石黒さんの糀は、ふわふわで美しいですね!

天然醸造の無添加みそは、驚くほどおいしくて、糀が生きていることを実感できたみそでした!一度は試してほしい逸品です。

石室で丹精込めてつくられている、こうじきぬや 武久商店

発酵食を通じて繋がった友達に、こうじきぬや武久(たけきゅう)商店に連れていってもらいました。

金沢から山道を行くこと30分くらい。白山市の鶴来にあり、町家にモダンでかわいい暖簾のお店がでてきます。

白山は発酵食文化が盛んで、みそ、しょうゆ、酢、日本酒など、醸造の街なのだそう。

江戸時代から続く糀店で、今のご主人は6代目だそうです。昔ながらの地下の石室で糀をつくっている、貴重な糀屋さんです。

訪れると、中からお母さんがいらして、出来立ての糀を折からとってくれ、さらに糀で作ったというごはんのおとものお土産までいただきました。

できたての糀を折りから量って
歴史を感じる空間

菌糸がびっしりでふわふわの糀が購入できます。

北陸は歴史のあるとても素敵な外観の佇まいや、伝統的な食も魅力的な上に、あたたかくて優しい方も多く、何度でも訪れたいところです。
伝統ある発酵食文化も、途絶えることなく、未来へ繋げていけたら。

興味があれば、北陸へ訪れる際にぜひ立ち寄ってみてくださいね。

六花の台所の六つの花(糀)

六花の台所では、北陸の糀を使って、自家製発酵調味料をつくっています。

※今日の注目記事に選んでいただきました。

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