【読書レポート:子どもの居場所の作り方~ここてらすでの5年間の軌跡~】人の優しさやつながりが詰まった本
遊び学者・原田光が読んだ本を1000字程度でざっくり紹介するマガジン「原田書評店」
今回読んだ本は『子どもの居場所の作り方~ここてらすでの5年間の軌跡~』
友人のしもさんこと下楠薗康司さんが書いた本です。
いつも僕の仕事の相談に乗ってくれたり、遊び学者原田光という生き者を面白がってくれて”原田光学”研究者として研究・分析までしてくれるしもさん。
兼ねてより2人して「本を書きたい」と言い合っていましたが、遂にしもさんが一作品目を発売したので、早速読んでみました。
この本は著者のしもさんが佐賀県基山町に「ここてらす」という子どもの居場所を作った話が書かれているんですが、歴史年表をイチからダラダラ追っていくような形ではないので、誰が読んでも読みやすいと思います。
ザックリとは以下のような内容と章立てでした。
・ここてらすを作るに至るまでにしたこと(第1章)
・運営する中で必要なものをどんな風にやりくりしたか(第2章)
・運営しながら起きたエピソード(第3章)
・しもさんが出会ったコミュニティの数々(おまけ)
”子どもの居場所づくり”というものに興味がある人だけが読むべき本かと思いきや、第一章の内容は多くの「何かやりたいことを見つけたい人」「やりたいことを実現したい人」に刺さる内容でした。
僕も数年前まで自分が本当にやりたいことは何なのかに悩んでいたし、そこから遊び学者という道を歩み始めたのでこの内容は激しく共感しました。
それと同時にその当時にもし、この本が読めていたらきっとあんなに悩まなくて済んだだろうし、もっと時間がかからずに今の道を見つけ出せたかもなぁと思いました。(著者のしもさんに次会った時にちゃんと文句言おう♬)
優しいキモチが溢れた本
この本を読みながら感じたことは、漠然とした表現になってしまいますが、人と人のつながり、やさしさ、支え合いといったもの。
”ここてらす”という居場所をとおして、多くの人がその場を、その輪を繋いでいって自然と意味合いや価値みたいなもんが形成されていったんだなぁと読んでいる僕自身がとっても穏やかで優しいキモチになれました。
僕は良くも悪くもでしょうが、どこまでいっても「原田光」という個人を中心に据えて、誰よりも自分が目立ちたいし、誰よりも自分が持つメッセージを届けたい!といったまぁいわゆる自己中心的なヤツです。
そんな僕からしたら、しもさんやここてらすを取り巻く人たちのこういった優しさや愛に満ちた考え方や行動は羨ましくもあり、いつもハッとさせられることが多いです。
今回もこの本を読んで僕自身もスッと肩の力が抜けた気がしています。
こんなことを言うと、きっとしもさんは「まぁ僕には僕の良さがあるし、ヒカル君にはヒカル君の良さがあるからねぇ。知らんけど。」なんていつもの調子で西郷隆盛のようにどっしり座って言ってそうですw
そういえばしもさんとフォルムがそっくりな西郷隆盛の座右の銘は「敬天愛人」でした。なんだかその言葉もしっくりくるなぁとか思ってみたり。(ちなみに僕もしもさんも西郷隆盛も出身は鹿児島県です)
とにもかくにも、この本はそんな人の優しさに溢れたステキな本でした。皆さんもぜひ一度読んでみてください。
※ちなみに、本の代金2,000円のうち1,000円は子どもの居場所「ここてらす」への寄付に充てられます。
そんな今回の著者しもさんと遊び学者・原田光が対談した様子はこちらのYouTubeでぜひご覧ください。