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『裁きの曠野』C.J.ボックス(著)
失綜した女牧場主の莫大な遺産をめぐって憎悪を募らせる息子たち。否応なく巻き込まれた猟区管理官ジョーにさらに邪悪な復讐者の攻撃が迫り、愛する娘も危険にさらされていく。ジョーは大切な家族を守りきれるのか?ワイオミングの大自然を舞台に不器用だが熱い男の孤独な闘いを描く好評シリーズ第5弾。
まさかのゴシック・ホラー回。
西部ウェスタン物でこんな薄ら寒いラストに出くわすとは。
まぁ、シリーズ的に、キャトル・ミューティレーション回の次にハズレかな…。
消えた牧場主の話と、ジョーへの復讐に燃える男の話が絡み合ってるが、肝心のジョーは上司の妨害のせいで捜査ができず、流されるだけで、読者にもかなりフラストレーション。
そして、復讐者はかなりのカスで、ジョーだけでなく家族も狙う陰湿野郎。1巻で登場した絶滅危惧種がドアにナイフで打ち付けられていたり、外から家族写真が狙撃されたりするが、またも上司が捜査を許さない。
保安官に委ねるも、こいつも無能とくる。ジョーも読者もキレそう。
さらには終盤で、ついにジョーがクビに。そのタイミングで、復讐者は、娘たちののるバスをジャック。
残りページが全然ないのに、急激に風呂敷が広がったので、どう畳むのかヒヤヒヤと読み進めたら、あのホラーオチ。脱力。知事も再登場しないし。
ギリギリ読める程度には面白いのだが、ジョー・ピケットシリーズだから許されてるだけで、もしこれがデビュー作だったら、もう読まないな、という感じ。
本筋としては、ジョーがクビになったのと、ネイトが戻って来ただけの話。
さらに、あとがきで次巻のネタバレが! 最後の最後まで残念な一冊。