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綺麗、狂い
今回は、一部「トラウマ」をテーマに扱っています
神聖かまってちゃん というバンドの楽曲をよく聴きます
どういう曲を作ってるのかというと、めちゃくちゃ憂鬱な曲が多いです
神聖かまってちゃんのメンバーは、鬱病や引きこもりを経験していて、
曲の中では、その怒りをぶつけるように、過激な歌詞や不安なメロディを多く使用し、
聴いていると、すごく落ち込んでしまいそうになることもあります
ですが、ただただ曲が過激 というわけではなく、その過激さの中には、現代社会の病みや壊れてしまった人の叫び を表現したメッセージが込められていたり、
神聖かまってちゃんのファンである、進撃の巨人の作者の諫山創さんは、アニメ化した際に、主題歌とエンディング曲を2回オファーしたり、
その狂気の中にある、現代の核心を突いた表現の数々に惹かれ、ファンになる人も数多く居ます
過激な印象の強い神聖かまってちゃんですが、曲を聴いていると、 これすごい綺麗なメロディだな と感じることがよくあります
こちらは、神聖かまってちゃんのボーカル・の子さんのチャンネルにアップされた「フロントメモリー」という曲のMVなのですが、
メロディがすごい良いな と、聴いていて思います
夏の歌なので、夏の畦道を猛ダッシュしているみたいな、そうしたイメージが浮かんできて、
いつでも夏に戻れるような爽やかさを感じます
神聖かまってちゃんは、人間の心の闇を曲にしていることが多いですが、
その闇は、すべてが恨みで埋まっているわけではなく、寂しさや、周りにとけこみたい という願いも複雑に混ざり合っていて、
なので、歌詞は過激である一方、そうした寂しさなどが綺麗なメロディに反映されているのではないか とも感じます
YouTubeに、の子さんがチェンバロを弾いている動画があるのですが、一番目に弾いているのが、「夕方の恋」という曲で、グッとくる曲調が良いです
動画内で、の子さんが、「映画監督さん、この"夕方の恋"使ってくださいよ」と話しているのですが、
のちに「夕方の恋」を原型に、先ほどの「フロントメモリー」が作られ、
映画「恋は雨上がりのように」の主題歌に起用されています
色々なことがある人生を歩んできた、神聖かまってちゃんですが、曲の中で鳴り響く儚い音色も、カオスな現代の中にふと現れる安らぎ を表しているようで、それに救われる人も居るのだと思います