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「検討します」を具体的なアクションに変える10のチェックリスト #2
はじめに
前回は、「検討します」という曖昧な返答が発せられる背景と、それを解きほぐす基本的な考え方をお伝えしました。
今回は、**実際の商談や相談の終盤で活用できる「10のチェックリスト」**を一つひとつ解説していきます。これらを使いこなせば、曖昧な返事を具体的な合意や次のステップにつなげやすくなるでしょう。
1. 時間を使う理由を確認する
トーク例
営業担当(あなた):「なぜ、この案件にここまで時間を割かれているのでしょうか? 特に急ぎの理由などありますか?」
お客様:「社内で業務効率化が急務でして、上層部からも早く解決策を提示するよう言われているんです。」
ポイント
相手が真剣に取り組む背景を知ることで、提案への優先度が見えてきます。
2. 提案への手応えを本人の視点で探る
トーク例
あなた:「ここまでご説明した内容を、率直にどのように感じていらっしゃいますか?」
お客様:「正直、予算面がちょっと引っかかりますね。でも機能面は魅力的だと思います。」
ポイント
チーム全体や上司の意見ではなく、個人の本音を聞き取ることで、次の手を打ちやすくなります。
3. 進め方の希望を聞く
トーク例
あなた:「今後どんなステップで進められるのが理想でしょうか?」
お客様:「すぐ導入したいけど、まずはテスト運用から試してみたいです。」
ポイント
押し付けがましくならないよう、相手の希望を中心にプロセスを組み立てると好印象を与えやすいです。
4. 意思決定で重視するポイントを特定
トーク例
あなた:「今回の判断で大事な要素は、コスト・機能・サポート体制、どれが最優先でしょうか?」
お客様:「サポート体制がしっかりしていることは外せません。」
ポイント
「コスト重視」「スピード重視」など、相手の優先順位を正しく把握することで、最適な提案に修正可能。
5. 社内・チームの次アクションを明確化
トーク例
あなた:「このあと社内では、どのように進めるのでしょうか? 上司や他部署への説明はご自身でされる感じですか?」
お客様:「そうですね、部長と経理部に話を通さないといけなくて…」
ポイント
組織内のキーマンや稟議フローを把握すると、提案資料の作り方も戦略的に考えられます。
6. 検討上のネックを再確認
トーク例
あなた:「今、一番気になっているのはやはり予算面でしょうか? 他にも不安要素はありますか?」
お客様:「そうですね、ROIが社内で納得されるかどうかも気になります。」
ポイント
「費用対効果」や「導入後のサポート」など、相手の引っかかりを明らかにし、解決策を一緒に検討する流れが重要。
7. 次のステップを言語化
トーク例
あなた:「では、まずテスト運用プランをご用意します。その後、部長さんにもご説明できるよう資料もまとめましょうか?」
お客様:「助かります。ぜひお願いします。」
ポイント
**「何を」「いつまでに」「誰が」**を明確にしておくと、モヤモヤしたまま商談が終わらなくなります。
8. 自社への追加要望をヒアリング
トーク例
あなた:「私どもへのリクエストや、補足情報のご要望があれば、遠慮なくおっしゃってくださいね。」
お客様:「実際に導入している他社の事例があれば、上層部も納得しやすいと思います。」
ポイント
相手が求めるサポートや資料を事前に把握し、期待を上回る対応をすることで信頼度アップ。
9. 熱意を言葉にする
トーク例
あなた:「私たちは全力でサポートするつもりです。目標達成に向けて、ぜひ一緒に進めていきましょう!」
お客様:「ありがとうございます。心強いです!」
ポイント
**“伴走するパートナー”**としての意識を明確に表すと、相手は安心して先に進めやすくなります。
10. 商談直後のフォロータイミングを確保
トーク例
あなた:「では、明日か明後日に一度ご連絡して進捗の確認をしてもよろしいでしょうか?」
お客様:「はい、お願いします。」
ポイント
**「次にいつ連絡するか」**をはっきり決めることで、商談が自然消滅してしまうリスクを抑えます。