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(~21/10/27)不競法2条1項21号 競争者営業誹謗行為

 本号では、競争関係にある者が、客観的真実に反する虚偽の事実の告知等により、他の競争者よりも優位な立場に立とうとする行為を不正競争と規定しています。

 本号の規定は、パリ条約10条の2第3項2号を、我が国で遵守するために設けられています。

 本号の前提として競争関係が必要です。競争関係は、双方の営業に対する需要者等の共通性があれば競争関係ありと判断されます。

 また、告知等によって信用を害される「他人」が特定されることが必要です。言い換えれば、特定の業界自体を批判したような場合は、本号には該当しません。一方、名前を伏せていたとしても、その「他人」が特定される場合には、本号に該当します

 また、虚偽の事実を告知したことが必要です。虚偽の事実とは、客観的真実に反する事実のことです。本号では、この虚偽の事実を誰が考えたかは要件とはなっていません。このため、誰かから聞いた虚偽の事実を告知等すれば本号の要件を満たします。

(補足)
 特許権侵害等に関する訴訟提起の事実を自社HPで発表する行為は、本号に該当しません。ただし、相手方の取引先にこの訴訟の事実を積極的に告知することは避けるべきです。訴訟提起は、原則として裁判を受ける権利の行使であって違法性はないと考えられていますが、その内容の告知方法や告知内容によっては違法性を帯びる可能性があるからです。


・不競法2条1項21号

(定義)
第二条 この法律において「不正競争」とは、次に掲げるものをいう。
二十一 競争関係にある他人の営業上の信用を害する虚偽の事実を告知し、又は流布する行為

・パリ条約

第10条の2 不正競争行為の禁止

(1) 各同盟国は,同盟国の国民を不正競争から有効に保護する。
(2) 工業上又は商業上の公正な慣習に反するすべての競争行為は,不正競争行為を構成する。
(3) 特に,次の行為,主張及び表示は,禁止される。
1.1 いかなる方法によるかを問わず,競争者の営業所,産品又は工業上若しくは商業上の活動との混同を生じさせるようなすべての行為
2. 競争者の営業所,産品又は工業上若しくは商業上の活動に関する信用を害するような取引上の虚偽の主張
3. 産品の性質,製造方法,特徴,用途又は数量について公衆を誤らせるような取引上の表示及び主張


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