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パリ条約4条C 優先権

 パリ条約4条Cでは、優先期間が規定されています。

 優先期間とは、第一国出願により発生した優先権により、第二国出願ができる期間のことです。

 優先期間は原則として第一国出願によって決まります。これは、優先権は第一国出願により発生するからです。優先期間は第一国出願の日から始まります(優先期間の始期は、最初の出願の日)。複数の優先権を主張する場合には、その中での最初の日が優先期間が始まる日です。優先期間は、特許、実用新案は、最初の出願日から12月、意匠、商標は、最初の出願の日から6月です。

 優先期間の始期の例外が、パリ条約4条C(4)に規定されています。
 この例外は、後の出願が最初の出願と擬制されるケースです。この例外が適用されるのは、①最初の出願と同一対象、同一同盟国に後の出願がされたこと、②先の出願が公衆の閲覧に付されないで、かつ、いかなる権利をも存続させずに後の出願の日まで取下げ、放棄又は拒絶の処分を受けたこと、の2個の条件を満たす場合です。
 このパリ条約4条C(4)の要件を満たす場合、①先の出願は優先権主張の基礎には出来ず、②後の出願が最初の出願と擬制され、その出願日は優先期間の初日になります。

 余裕があれば、別の例外であるパリ条約11条の搬入日についても確認しておきましょう。


パリ条約4条 優先権 C

C
(1) A(1)に規定する優先期間は,特許及び実用新案については12箇月,意匠及び商標については6箇月とする。
(2) 優先期間は,最初の出願の日から開始する。出願の日は,期間に算入しない。
(3) 優先期間は,その末日が保護の請求される国において法定の休日又は所轄庁が出願を受理するために開いていない日に当たるときは,その日の後の最初の就業日まで延長される。
(4) (2)にいう最初の出願と同一の対象について同一の同盟国においてされた後の出願は,先の出願が,公衆の閲覧に付されないで,かつ,いかなる権利をも存続させないで,後の出願の日までに取り下げられ,放棄され又は拒絶の処分を受けたこと,及びその先の出願がまだ優先権の主張の基礎とされていないことを条件として,最初の出願とみなされ,その出願の日は,優先期間の初日とされる。この場合において,先の出願は,優先権の主張の基礎とすることができない。

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