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【読書感想文】「ヘ-ゲル『精神現象学』入門」長谷川宏

 意識の途方もない旅を主題とする哲学書の解説書。「ただのこれ」が「ある」感覚的世界を、むしろもっとも低次の意識的状態と仮定する。そこから、個物の状態へと移り、更にそれが否定され…。次の意識へと進むを繰り返し、最後に絶対知に至る。

 端的に言って、序中盤はよく分かったが、後半以降(特に絶対知への帰結)がよく分からなかった。なぜ、意識が行き着く先が学問なのか。精神的な過程を辿った後に、キリスト教→学問という過程は、僕も同様の状態にあるのだけど、それが最終結論な理由が全く理解できない。特に絶対知って何?

 と思って、しばらく調べていたら、結局の所。

 ・主客の統一
 ・世界=意識
 ・矛盾が完全に止揚

 という話だった。それなら出来てるよ!!!ヘーゲルに出会う前からな!!!なぜなら、キリスト教を哲学的に理解して、且つ恐らくヘーゲルも読んでいる人によって、「悟らされて」しまったからね。ヘーゲルの提示するこの状態をここまで理解してる人は恐らくかなり珍しいと思う。

 キリスト教を経由した哲学で薄々気付くべきだったけど、僕が読む意味ないじゃん…。この状態で学問をやると最強だよねーみたいな話、知ってる。ここまでの文体があまりに薄っぺらいから誰にも信用されてないと思うけど、僕は同様の意識の旅を経験しており、既に"絶対知"に至っております!!!

 じゃあ、もう学問するしかないよね。仕方ないよね…。

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