基本調味料で作る《てづくり焼き肉のたれ》
料理のレパートリーを増やしたり、自分の得意レシピを作りたい時に考えてみるといいなと思うのが、《味のなりたち》です。
たとえば、普段あたりまえのように使っている市販のたれ。それを自分で作ろうとした場合、どんな調味料や具材を組み合わせればその味が出せるのか??
そんな味のなりたちがわかるようになると、自然と《自分好みの味》が作れるようになってくるように思います。
なんでも美味しくなる「焼き肉のたれ」
私の場合は、それが「焼き肉のたれ」でした。
でも、もともとはそんな高尚な動機からトライしてみたわけではなく、単にそのころ海外に住んでいて焼き肉のたれが手に入りづらかったというだけ。
そこでさしあたり手近な基本調味料を使って作ってみたのですが、それがなかなか美味しくて今でもよく作っています。
手作りで、あの焼き肉のたれ独特のやみつき感や、食欲を猛烈にそそる感じを出すにはちょっとしたコツがあります。今回はレシピと共に、その作り方をご紹介します。手作りの焼き肉のたれは、満足感はあるのにしつこさがなくて味わい深いので、いろいろなお料理に使うことができますよ。
材料
作り方① 酒と砂糖を煮詰める
ベースとなるのは、酒と砂糖。特に砂糖は、できるだけ茶色がかったものを使うようにすると、コクや旨味が増します。
酒は、日本酒でもかまいませんが、できれば白ワインを使うとフルーティーさが加わるので意外とおすすめです。
小鍋に酒と砂糖を入れて火にかけたら、中弱火で砂糖を溶かしながら煮詰めます。煮詰める目安は、アルコール分が飛んで、薄い琥珀色になるくらいまで。そうしたら火からおろします。
実は、この煮詰めの作業さえしっかりできたら、もうこのたれはできたも同然。ここでしっかりした味の土台を作っておくことで、あとを引く旨味のある焼き肉のたれが完成します。
作り方② 残りの材料を混ぜ入れる
コンロからおろした鍋の中身がまだ温かいうちに、残りの材料を混ぜ入れます。加えるのは、赤唐辛子に、白ごま、おろししょうが、おろしにんにく、すりおろしたりんご または 梨。さらに、醤油とごま油も入ります。
熱々ではなく、あくまで少し落ち着いてからの温かい状態に入れる、というのがポイントです。
そこにはちゃんとした理由があって、たとえばおろししょうがとおろしにんにくは、酒と砂糖を煮詰めたベースが温かいうちになじませることで程よく火が入り、余分な辛みが飛んで角がとれてまろやかな味わいになります。
逆に、焼き肉のたれ独特の甘みやコクをプラスするおろしりんごや梨(またはりんごジュースでも代用可)は、熱々のところに入れるとせっかくの風味が飛んでしまうので、少し落ち着いてから加えたほうがよりフルーティーさがきわ立ちます。
こうしてできた焼き肉のたれは、まろやかで味わい深く、コクがあってとてもフルーティー。軽やかで重たさがないのに、やみつき感はしっかりあって、一度試したらくせになる美味しさです。
電子レンジでつくる方法
このたれは、電子レンジを使っても作れます。
はじめの酒と砂糖を煮詰める工程が、鍋ほどしっかりはできないので、味わいはやや軽め。それでも十分美味しいので、手軽に作りたい時には便利です。
酒と砂糖を耐熱ボウルに入れて、600Wの電子レンジで1分30秒。ラップはなしです。
取り出したら砂糖をしっかり溶かし、まだ熱いうちに残りの材料を加えます。そうこうしているうちにも、かき混ぜることで少し熱が少し逃げるので、同じように香味野菜は角がとれ、フルーツは風味が残って美味しくできます。
アレンジもいろいろ
食欲そそる風味やコク、満足感はしっかりある焼き肉のたれ。
それでいて甘みや味わいがしつこくないので、納豆に混ぜ入れるだけでも思いのほかごちそう感が出ます。
焼いたキャベツにもからめたら、もうこれだけで最高のどんぶりに。
こちらは戻した切り干し大根とわかめ、さらし玉ねぎ、ミニトマトとあえてサラダ風にしたもの。
焼き肉のたれというと、それだけでワンパターンな味になりがちですが、このたれだと旨味はたっぷり、しつこくない味わいなので、こうして和え物にしてもまた違った楽しみ方ができます。
ヘルシーな食材でも、満足感のある仕上がりに。思わず、わしわし食べてしまいそうです。
そのほか、大根ステーキとかこんにゃくステーキの仕上げにまわしかけてもよし。炒め物、煮物、和え物と意外と万能で、合わせる食材の個性を殺さないのでいろいろな楽しみ方ができます。
市販の焼き肉のたれとはちょっと違う、手作りの焼き肉のたれ。
これはこれで美味しくて、少しずつ自分好みの味に近づけてゆく作業は、他の食材の特性を知るきっかけになったりもしてとても楽しくできました。
時間のあるお休みの日に、手近な調味料からチャレンジしてみる、そんなおうち時間の過ごし方もありかもしれません。
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本日も最後までお読みいただきありがとうございました。