読書紹介 ファンタジー 編Part4 『霧のむこうのふしぎな町』
どうも、こぞるです。
本日ご紹介するのは、柏葉幸子先生の『霧のむこうのふしぎな町』です。
意外と名前を知らない方も多いのではないかと思いますが、ジブリファンの方の中には、「千と千尋の神隠し」のモチーフとなった作品として読んだことがある方もいるのではないでしょうか。
-作品内容-
夏休み、電車をのりつぎ一人旅に出たリナ。おとうさんのいった「霧の谷」はどこ? 森の中で泣きそうになっていると、霧の中から風変わりなかわいい町があらわれて--。めちゃくちゃ通りに住んでいる、へんてこりんでやさしい人たちと、リナのひと夏の物語。
青い鳥文庫なので、さらさらってって読めます。160ページぐらい。短いです。
リナと千尋の神隠し
主人公のリナは小学6年性のぽっちゃりした勝気な女の子です。
はじめに出会った、頭の大きな髪型のおばあさんに教えられた「働かざるもの食うべからず」という町の掟に従い、いろいろなお店で仕事を手伝うことになります。
霧の谷へ行く前にリナはおまわりさんと会話するのですが、その時の彼女はあまり態度が良くありません。親切なお巡りさんに対して、終始ブスッとした態度であたります。
しかし、霧の谷で様々な体験をして人と触れ合うことで、明らかに、そんなことをする彼女はいなくなります。そしてさらに、いちばんの変化として、自分自身で決断し行動することができるようになります。
その変化がこれ!っていう1つの出来事によるのではなく、綺麗にいつの間にかなため、この記事を書きながら思い返していて、あれ?と魔法にかけられたようです。
それと、大人になってから、いろいろなジブリ作品に触れた上で、「千と千尋」を見返した時、千尋は、あまりジブリの(宮崎駿の)ヒロインっぽくないなあという印象を受けたのですが、彼女の中にはこの子が存在したんだなあとしみじみ感じられました。
全部乗せ!
amazonを見ると、この作品の対象年齢が5歳からとなっているのですが、もちろん大人も楽しめます。なぜかという、なんといったって全部乗せ。ファンタジー のイイところをギュギュッと山盛りにしています。
不思議な世界に、不思議な生き物、魔法に魔道具。それらがリナの真心で、一つの方向へ導かれていく。
SFは努力と論理で生まれますが、ファンタジーは理不尽と愛とで生み出されます。書いてみましたが、なんか名言っぽくないですか?
決して悪と戦ったり、茨の道を旅するわけではありませんが、この本には十二分にファンタジーが溢れ出しています。
ラブデリック系
それから、この本を語る上で外せないのが、霧の谷にすむ登場人物たちです。
非常に魅力的な人物や動物が住んでいるのですが、そのキャラクターたちの私の脳内イメージはラブデリックのキャラクターたちでした。
ラブデリックって、わかりますかね?昔あったゲーム会社なんですが「moon」を作ったところで、そこにいた人たちがその後作った会社で「エンドネシア」「ギフトピア」や「ちびロボ」というゲームが生まれました。タオっていう犬がよく登場します。
このラブデリック系のゲームに出てくるキャラクターたちの方が、ブラックな部分があるのですが、特徴的なキャラ造形や、町に流れる空気感がすごく似ている気がしました。
もし、知らない人はやってみてください。やったことがある人はこの本読んでみてください。共感してほしい!
さいごに
基本的に、小説を再読する癖がなく、するのは忘れた頃に「あれ?これってどんな話だっけ?」と読むときぐらいです。
そんな私が今までに何回も読み直した小説が「ハリー・ポッター」と「しゃばけ」と「精霊の守り人」でした。私のアカウントを見て貰えばわかるように、読むジャンルとしてはミステリーが一番多いのですが、繰り返し読んでいるのはファンタジーな気がします。そして、この本も、ふとしたときにまた読むんだろうなという気が今から ビンビンしています。
文庫版で160ページぐらいと、読書に慣れている人なら2時間もせずに読めると思いますので、ぜひ一度手に取ってみてください。
それでは。
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