「子供を攻撃せずにはいられない親」 片田珠美著を読んだ感想
あなたは今、この様なお悩みを抱えていませんか?
・親との関係がうまく行かない……
・両親がもしかしたら毒親かも
・兄弟や他の家の子と比較されて辛い
私も昔から今に至るまで
上記の悩みを抱え続けています。
しかしそれ以上に
ずっと分からなかった事があります。
それは……
「どうして親がこの様な行動を取るのか」
という点です。
ずっと疑問に思っていたのですが、
先日その答えを教えてくれる本と出会いました。
今日はその本を紹介します。
レビューするのは↓
「片田珠美著 子供を攻撃せずにはいられない親」です。
著者について
ここで著者の片田珠美さんについて解説します。
片田さんはパリ第八大学で
「ジャック・ラカン」という方が提唱した心理分析を学び、
その後精神科医としての臨床をする一方で
犯罪心理や精神疾患を分析しています。
しかし一方で片田氏自身も
親との確執を抱えており、
本の中では自分自身の経験についても触れています。
本の内容について
最初に本の内容について簡単に解説します。
まずは2019年に発生した
「千葉県野田市の虐待事件」を例として
近年虐待が増えていることから始まり、そこから
・身近にいる子供を攻撃する親とそのパターン
・攻撃する理由
・攻撃を受けた子供が受ける影響
・攻撃を受けてきた人向けの処方箋
・最大の攻撃である子殺し
この様な順番で解説されています。
それぞれの章について更に詳しく見ていきましょう。
まず最初の章では子供を攻撃する親のパターンとして
・勝手なルールを作る
・罵倒する
・必要なものを与えない
・お金で支配する
等を上げ、そうした親の多くは
世間体や見栄を優先するとしています。
その心理について第二章で深堀りし
・支配欲求
・自己愛
・所有と特権意識
・想像力の欠如
・自分が正しいという信念
この様な心理があると指摘しています。
つまり子供を支配しても良いという所有意識、特権意識があり、
更にそれが正しいという信念や親自身の自己愛が重なって
子供の気持ちを考える想像力が無い為に起こるという訳です。
続く第三章ではそうして攻撃を受けた子供が
どの様な行動を最終的にとるのかを述べています。
・自己肯定感が低く、他者に過剰な献身を行う
・過程以外の場所で八つ当たりする
・親に対して報復行為を行う。
具体的には上記3つです。
過剰な献身は他者に搾取されやすい人間になってしまい、
八つ当たりはいじめなど他の問題を引き起こします。
そして報復行為についてですが、
あなたは成長して殴り返す等身体的な暴力を想像しましたか?
確かにそれも含まれているのですが片田さんの指摘はそれだけではなく、
自傷行為を行う等遠回しな物も含まれています。
冒頭に上げた悩みの解説はほぼこれですね。
本文内でも記載されていますが、
以前私が紹介した押川剛さんの著書
・子供を殺してくださいという親たち
・子供の死を祈る親たち
この2冊に書かれている実例と一致する部分がかなりありますね。
そうした人たちが傷を癒やしていく為には
どうすれば良いのか、
それが第四章に書かれています。
・親を許す必要はない
・自分が幸福になる道を探す事が最善
う~ん、ここは少し抽象的ですね。
それだけ親子間の問題は根深く難しいとも言えますが……
そして最終章では最悪の攻撃である子殺しの代表例として
2019年6月に発生した元農林水産省事務次官が長男を刺殺した事件を例に
今後増えるであろう引きこもりや介護が破局した場合に
起こる悲劇について触れています。
私の感想
ここから私の感想になりますが
「私が長年疑問に思っていた事に答えを出してくれた上、
親ガチャに外れるとどうなるのかについても分かった。
しかし解決策が抽象的で再現性に乏しい部分がある」
というものになります。
許す必要がないのは理解できますが、
漠然と幸福になると言われても困る……
と思ってしまいました。
もしこの問題に私なりの具体策をだすなら
以前から何度も紹介している岡田尊司著
「ネオ・サピエンス」に書かれているように
「子供を育てる事が出来るAIとロボットを開発し、
育児を行う役割を親から公的機関に移行して
全ての子供が公平で平等な環境で育つようにする=
親ガチャという概念を無くす」
しか思いつきません。
もちろんこれは今すぐ出来る事ではなく、
将来的に出来るかどうかもわかりませんが、
私の中では最善では無いかと思います。
まとめ
まとめると「片田珠美著 子供を攻撃せずにはいられない親」は
・親の心理を知りたい
・虐待事件が起こる理由を調べ用途思っている
・これから先の家庭問題に備えて知識を蓄えたい
あなたがこの様に思っているのであれば
読んでいただきたいです。
日常演舞の読書感想本日は
「片田珠美著 子供を攻撃せずにはいられない親」を
読んでみました。
あした又お会いしましょう!!
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