書く
朱夏様の素敵なイラストを使わせて頂きます。ありがとうございます。
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自分が親から教えられたことを、今度は自分の解釈をつけ加えながらわが子に伝えていく。
これはまさに仏教における師の言葉の受け継ぎ方と同じではないでしょうか。
とてもすばらしいことだと思います。
ただし、口で伝えるだけでは、なかなか伝えきれないことがあります。
直接的に言葉で言われると、そのときはインパクトをもって心に沁み入りますが、その多くはやがて心から消え去ってしまうものです。
同じことをしょっちゅう言われ続けていれば別ですが、一度や二度言われたところで、子どもはすぐに忘れてしまうものです。
それどころか、言った本人が忘れてしまうことさえあるでしょう。
ですからそれを文字にして残しておくのです。
小さい頃に父親から言われたこと、母親から教えられてきたこと。
それらを書きとめてみてはいかがでしょう。
言い方を換えれば、自分の両親のエンディングノートを、両親の代わりに書き残してあげるということです。
特にご両親が高齢な場合には、とても自らが筆を執ることはできないでしょう。
そうであるならばあなたが代筆をしてあげればいいのです。
両親から言われてきたことを、改めて文字にしてみる。
そうすると不思議なもので、そこには新たな発見があるものです。
口では伝わらなかった両親の思いが、文字にすることによって浮き彫りになってきたりする。
「あのとき父が言いたかったことは、こういうことだったのかもしれない」と大きな気づきになったりもします。
—『あなたのお墓は誰が守るのか 「心のエンディングノート」のすすめ (PHP新書)』枡野 俊明著
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