写真整理 Ⅶ 〜懐かしの台湾写真〜
どうも西尾です。
昨日は非常に寒い一日でした。
晴れてはおりましたが雲の多い一日で、太陽が出ている時は暖かかったですが、雲で隠れてしまうと冷たい風に吹かれてしまい、身震いせずにはいられませんでした。
今日の大阪の天気は晴時々曇・最高気温11℃(Yahoo!天気より)で昨日よりは暖かくなりそうです。
写真整理 Ⅶ
〜懐かしの台湾写真〜
TAIPEI HOSTELでいつの間にか眠ってしまった私は、ふとしたことで夜中に目が覚める。
それは何かと言うと蚊である。
2月であるのに蚊が飛んでいる。
耳元でゔーんと蚊が飛ぶ音がし、更に腕や手が痒くなり始める。
靴下を脱いでいたので足にも刺されたのだろうか、足も痒くなる。
どこから蚊が入って来たのだろうか。
おそらく頭上の窓からと思われるが、こんな所にまで飛んで来るのかと思い気が滅入る。
私は一度体を起こしてベットのカーテンを開けて蚊を追い払った。
私の眠る相部屋は相変わらず蛍光灯が2、3本灯っただけの雑居ビルの一室と言った感じで、他の人たちも眠っているのか鼾が聞こえてくる。
鼾の大合唱がこの雑居ビルの一室に響きわたる。
相部屋のしんどいところの一つがこの鼾だろうか。
家族や友達、気の知れる人ならともかく、赤の他人が四人も揃い、それも国籍や人種、年齢、性別も別々とくるのだから、これをストレスに感じない人は少なくないだろう。
むしろ、他人の鼾などもろともせずに眠りにつける人はすごい人で、そのような技というのか、何かしらの秘技でも有するのかもしれない。
例に漏れず私も他人の鼾を気にしてしまうくちで、蚊を追い払った後にもう一度眠りにつこうと寝転がり、頭の先から足の先まで一切の隙間が出来ぬようタオルケットに包まったのだが、鼾が気になってしまいどうも眠りにつけない。
こうなったら頭の中で羊を数えるしかない。
羊が1匹、羊が2匹、羊が3匹、羊が4匹…ダメであった。
鼾の大合唱が響きわたる中で、羊も表舞台で駆け回りたいとも思わないのだろう。
私はタオルケットに包まってとりあえず上を向いた。
タオルケット後しに上を見つめる。
暗い世界であった。
相部屋の蛍光灯の灯りがカーテンとタオルケットで遮断せれているので私の目には漆黒の世界が広がった。
私はろくに英語も中国語も喋れないのに、飛行機に乗って台湾の台北に来て、一泊1200円程度のTAIPEI HOSTELに泊まり、蚊に起こされて鼾で眠れず一体何をしているのだろうか、そして今は一体何と闘っているのか。
そのようなことを暗闇の世界で考えていたら、いつの間にか眠ってしまった。
どれくらい眠っていたのか分からない。
気がつけば朝になっていた。
頭上の窓から朝陽が入り込む。
綺麗な朝陽だ。
希望に満ちた朝陽だ。
蚊はどこかに飛んで行ってしまったのか見当たら無かったが、鼾の大合唱は相変わらず続いている。
なるほど、TAIPEI HOSTELの夜は蚊と鼾で始まり鼾で終わるのだなと思った。
私は起き上がり昨夜と同じ靴下を履き、ベットのカーテンを開けて靴を履いてロビーへ向かった。
部屋の入り口に立ち、後ろを振り返ると、やはり雑居ビルの一室感がすごいが、この空間に対して何だか愛着の湧いてきている自分がいた。
蛍光灯の灯りもいつの間にか消えていた。
ロビーに向かって廊下を歩いていると、美味しそうな匂いと楽しそうな話し声が聞こえてくるではないか。
ロビーに出てみると薄暗い部屋の中で、相変わらずタンクトップと短パンのお姉さんが料理を食べながらテレビを見ていた。
ロビーと言ってもどこかのお家のリビングのような感じである。
私に気づくと英語でおはよう!とだけ挨拶されたので私もgood morningとだけ挨拶をした。
あの時は全く知らなかったが、ああいうタイプの安宿では朝食や夕食は自分で食材を買って来て、宿のキッチンで作ることが可能らしい。
もちろん冷蔵庫の使用も出来るということだった。
タンクトップに短パンのお姉さんは朝からテレビ番組を見て笑っている。
上機嫌である。
それを見ていた私も何だが面白くて堪らなかった。
薄暗いロビーという名のリビングはいつの間にか赤の他人でも家族として迎え入れてくれる、温かみのある包容力があるのかもしれない。
私も朝ごはんが食べたいし、今日は何をしようかと色々と考えていた。
ただ、先ずはシャワーを浴びたい、そう思い自分の部屋に戻る。
途中の廊下で欧米人のカップルとすれ違った。
こんな宿にカップルで泊まるなんてすごい度胸だ。
こんな宿と言っては失礼であるが、カップルが歩いて来た廊下の先をよく見てみると、奥に扉が開いたままにされている部屋があった。
あろうことか、私のベットのある雑居ビル仕様の部屋とは打って変わって、可愛らしい清潔感のある壁紙でオシャレなテーブルランプもおかれており、ふかふかのベットが備え付けられている。
このような部屋もあったのだと思い、私はTAIPEI HOSTELに対して、今まで働いてきた無礼の数々を懺悔したい気持ちになった。
自分の部屋に戻りシャワー室を確認する。
シャワー室とトイレは同じ部屋の中に設置されていた。
もちろんプライバシーはきちんと確保せれているのでご安心頂きたい。
シャワー室と言っても大人一人が立ってシャワーを浴びることが出来るくらいの本当に狭い空間だった。
おそらく、KONISHIKIさんでは入らないであろう狭さだ。
また、シャンプーやボディーソープ、タオルなどの類は一切無くドライヤーも無かった。
しまった。
シャンプーとボディーソープ、タオルは持参してきたがドライヤーは持って来ていない。
どうしようか迷ったが、台湾のこの昼間の暖かさなら多少髪が濡れていても直ぐに乾くだろうと思い、意を決してシャワーを浴びることにした。
ベットでズボンと上着を脱ぎ捨て、Tシャツと下着姿に裸足でそそくさとシャワー室に向かう。
シャワーからは暖かいお湯が出てきた。
何日振りかのシャワーだ。
大変気持ち良く、生き返る気分であった。
シャワーを浴びるだけであったが日本人はやはり風呂付きなのかもしれない。
髪の毛を洗い、洗顔をし、身体を洗う。
タオルで全身の水滴を拭き取り、濡れた髪の毛も可能な限り拭き取る。
これで外を歩けばいつの間にか髪の毛も乾くだろうと思った。
新しい下着にTシャツを身につけ自分のベットに戻り服を着る。
すると、向かいのベットの人が起きたのだろう、カーテンを開く音が聞こえてきた。
こちらもどういう人なのか興味を持ちカーテンの隙間から覗いてみたら、大きなスーツケースを開いて何やら身支度をしているようだった。
その人の荷物からは日本語と思しき書類とドライヤーが見えたのだ。
もしかして日本人なのかと思い、あわよくばドライヤーも借りられるかもと思い、おそるおそるカーテンを開けてみる。
何食わぬ顔でタオルで頭を拭きつつ、靴下を履いたりして、チラッと向かいの人を見てみる。
意を決して日本の方ですか?と声をかけてみると、そうです、と返事をもらえて心の中ではガッツポーズをした。
何故ならこれでドライヤーを借りられたからだ。
ドライヤーを借りて髪の毛を綺麗に乾かすことが出来た私は満足で仕方がなかった。
その人にはしっかりとお礼を述べた。
その人は20代中頃の男性で台湾には語学留学か何かで訪れているようだった。
どうりで大量の荷物を抱えていたのか。
身支度を終えた私は、この後どうしようか悩んでいた。
朝食も食べたいしどこかへも行きたい。
そう考えた時に、ジブリ映画『千と千尋の神隠し』の舞台となった九份に行こうと考えた。
九份までは台北駅から鉄道で瑞芳駅まで移動し、そこからバスに乗れば辿り着ける。
そうと決まったからには出発だ。
ただTAIPEI HOSTELには一泊しか予約をしていなかったので、ロビーにてタンクトップに短パンのお姉さんに追加でもう一泊したい旨を伝える。
追加の一泊も可能だということだったので、早速私は九份へ向かった。
台北駅からの鉄道は通勤ラッシュなのかすごく人が多く満員で、約1時間くらい立ちっぱなしで電車に揺られていたと思われる。
やっと瑞芳駅に着いた。
駅前の景色は南国の雰囲気がしていた。
そう言えば朝食を未だ食べていなかった。
バスまで時間があるので駅周辺で食べようと思い、駅周辺をブラブラした。
鉄道の踏切を渡った近くに屋台があったのでそこで朝食を食べた。
甘い揚げパンに煮卵やハム、ピクルスを挟んだもので名前は分からないが美味しかった。
初めて食べる味に感動した。
そうこうしているうちにバスの時間が近くなったので駅へ戻る。
駅前のバス乗り場には九份へ向かうバスを待つ人で列が出来ていた。
瑞芳駅からは九份へのバス旅のスタートである。
続く。
以上になります。
お読みいただきありがとうございました。