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84%の人が持つ価値観のメガネ

スーパーに行ったら、隣で買い物をしている人たちの会話が聞こえてきた。
「これ可愛くて美味しそう!しかも無添加だし」
なんでもない会話なはずなのですが、
なんとなくここにヒントめいたものが隠れていると思います。

可愛くて
美味しそう
しかも無添加

ずばり、この順番は「購買の決め手となるときの優先事項」の順番を表していると思います。

初対面の男性に対する評価でいうと、
「優しくて、イケメン、しかも高身長」みたいな感じでしょうか?
(身長なんて所詮オマケみたいなもんで、優先事項じゃないです・・)

「無添加」とか、「白砂糖不使用」とか「有機」とか、今の日本の多く人にとってはまだ「しかも」レベルで語られる付加情報です。
これらは、選んだ人の決定を肯定してはくれますが、本能に訴えかけて購買を直接的に決定させるものではない、ということをわかってブランドの見せ方を組み立てておかないと危ないよな、という話です。

同じく、有機のものや植物性のもの・・・だけを選んで購買する層は一定数いますが、日本においてその層が全体の約何パーセントなのかは体感で掴んでおく必要があります。
(私見分析では7%以下、コロナのインバウンド停滞で鈍化)

そして、では自分の隣にいる人が実際に何を優先して買い物をしているか?
も同時に把握しておくべきでしょう。
(もちろん、価格だったりするかもしれない)

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日本で食文化をリードする提案を続けていくF&Pジャパンとしても、届けるとき伝えるときの表現として「多くの人の目線は今ここだ」という目線合わせは絶対に外しちゃいけないポイントだと思っています。

「最近スムージーも競合が増えてきましたね」みたいなことを前からよく言われますが、このことに気づいているプレーヤーさんはさほど多くないように思います。

「スムージーはおしゃれで健康的」
・・・近年はそんなイメージがもう説明不要なところまで育って根付いていて、
地方レベルまで届いていきそうなところにきています。
(僕が始めた頃は、知ってたとしても「甘くて冷たい飲み物」だったので説明に苦労しました)

となると、もうここは「説明」が不要なところで、
これ以上粒度を上げて「何がどう健康的なのか」をいちいち説明をする必要性は薄れている。

どれだけ栄養価が高いかを書いた商品よりも、
どれだけすぐれた効果効能を謳う商品よりも、
創業100年の老舗和菓子のほうがはるかにブランド力は高い。

「おいしい」とか「憧れ」とか、数字にできないなんとなくの感性で感じるもののほうがブランドの引力は強くなる、言えるのではないでしょうか。
・・・ここもまた、多くの人たちが気付いていないように思います。

F&Pはただいま、ショップ・B2B2Cに続く、3本目の矢としてD2Cのローンチを控え、それに向けた新しいブランドビジュアルを構築中です。
より強い購買引力を纏う「憧れ」を武器とするような、

「無口だけれども」「ビジュアルでとことん殴りつける」ような、
寡黙で力持ちなブランド表現を目指していこうと思っているところです。

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なお、タイトルの「84%」とは・・・キャズム理論で「イノベーター2.5%」「アーリーアダプター13.5%」を除いた残りの層を指しています。

(この記事は、2021年4月に社内向けに発信された内容をもとに編集を加えています)

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