体調ガチャで約束できない

まず『体調ガチャ』とは何かといいますと、ガチャガチャと体調の良し悪しを合わせた、『その日にどんな体調が出るか全く予測できないコントロールできないこと』を分かりやすく表現した、多分最近ネットで生まれた造語です。


うつ病になると、この"体調ガチャ"のせいでどうしても約束が出来なくなります。僕もそうでした。


うつ病になったことがない人でも、昨日まで体調がフツーだったのになぜか今日は体調が悪い…みたいな経験は何度もあると思います。

どんなに体調管理をしていても、何故か体調が悪くなるときは誰にでもありますから、体調ガチャ自体は特別な話ではありません。


…ただ、うつ病は病気、うつ病の人は病人ですから、誰にでもある体調ガチャでも、そのガチャのハズレのレベルが健康な人に比べると凄いみたいです。

「昨日まではまるで健康な人かのように動けてたかと思いきや、今日は朝から全身にダンベルがくっつけられたかのように身動きすら取れない」とか、

「朝は布団から出られないくらい体調が悪かったから、夜の予定を泣く泣くキャンセルしたら、夜になったらここ1週間で1番元気なくらい体調が良くなった」など、

体調レベルが0から100まであるとしたら、健康な人の体調ガチャが、1日置きに70.63.75.67…みたいな振れ幅だとしたら、うつ病の人の体調ガチャは数時間置きに10.53.0.12.60.60.1…みたいな極端なガチャになってしまう。

そのせいで、どうしても「約束ができない」という問題が起きてしまいます。


高熱がつらいからって熱をコントロールできないように、うつ病の症状を自由にコントロールすることはできません。

誰かと会う約束をしたくても、当日の体調ガチャがどうなるか分からないから、ドタキャンしてパーにしてしまう可能性を考えると、どうしても約束ができない。

仮に約束するにしても「行けたら行く」とか「体調が大丈夫そうなら行く」とか、「行けるか分からないからみんなで決めて」みたいなことしか言えない。

…このセリフだけを見ると、何だかぞんざいに扱ってるような、優先順位が低いかのような印象を受けてしまうとは思いますが、体調ガチャがあるから、言葉通りの意味で「行けたら行く」などとしか言えないんですね。


「会う約束ができた!嬉しい!楽しみ!約束の日まで予定を入れずゆっくり過ごして、約束の日に良い体調ガチャを引ける確率を上げよう!」

…だけど、当日やっぱりハズレを引いてしまった。ドタキャンするしかなくなってしまった。あるいは無理やり行ったら、すぐにパワー切れになって途中で帰るしかなくなった。


このような体験談は何度も聞きましたし、僕も何度もありました。

こういうときって、凄くつらいです。申し訳ない気持ちでいっぱいですし、次はもっと約束しづらくなってしまいます。


うつ病になると、体調ガチャで約束できない。

症状の1つと考えれば、それ自体は確かに仕方ないのかもしれない。

…とはいえ、周りからしたら、せっかくの約束をドタキャンされたり、途中で帰られたりしたらやっぱりイヤですし、イラッとくるのも当然だと思います。誘わない方がよかった?と思うのも当然でしょう。

うつ病の人の都合に一方的に合わせられるわけではないし、うつ病の人の都合ばかり尊重するわけにもいかない。つらいのもイヤなのもうつ病の人だけじゃないですからね。


だから、知識として『体調ガチャ』の存在を覚えておいていただき、あくまでご自分の負担にならない範囲で配慮をしていただけたら幸いです。

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錦山まる | メンヘラマッスル女装作家
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