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一年で一番深みのある朝。

冬の朝の空気は冷たく、
起きたての体には厳しい。

その空気の中で深く息を吸い込む。
すると、冷たさが肺を満たして
心を覚醒させる。

冬の朝はなんとも清々しい。


寒い中、電気ストーブに当たると
幸せな気分になれる。

寒い中、温かいコーヒーを飲むと
穏やかになれる。

冬の朝は何かと「ありがたみ」を
感じやすい環境。

冷たい空気の中に刺す
柔らかな太陽の光。

凍てつくような空気の中でも
その温かさを感じることができる。

冬は神経を鋭敏にさせて
心を研ぎ澄ませる。


冬の朝は人生の縮図。

冷たさと温かさ、
辛さと安らぎ、
静と動。

人間本来の生存本能が
寒さで目を覚まして
そう感じさせるのかもしれない。

早朝からコーヒーを飲みながら
そんなことを考えていた。

一年で一番、深みのある朝。


エッセイシリーズ 〜バックナンバー〜


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