漂泊亭俳太

1993.5.1生。栃木県宇都宮市出身。ドラマー/環境音楽家。 楽天イーグルスファン。…

漂泊亭俳太

1993.5.1生。栃木県宇都宮市出身。ドラマー/環境音楽家。 楽天イーグルスファン。日本史が好きです!

最近の記事

ビートルズストーリーの真の終焉 〜”Now and Then”はビートルズの終活である〜

2023年11月、ザ・ビートルズ最後の新曲として『ナウ・アンド・ゼン』がリリースされました。 ジョン・レノンが生前残したデモテープからジョンのボーカルを最新技術で抽出して、存命のポール・マッカートニー、リンゴ・スターがそのサウンドに肉付けをして(ジョンともう1人、現在鬼籍に入っているジョージ・ハリスンのギターの演奏も生前に録音、音源にも収録されている)完成させた音源です。 このシングルはそういったドラマ性も相まって大変な話題を呼び、マスメディアでも取り沙汰されました。作品

    • クリストファー・ノーラン監督作『オッペンハイマー』所感

      約3時間の大作。結構体力使う。 その所以は物語が進むにつれ登場人物がどんどん増えていき、その人物間の複雑な人間関係などを細かく把握する必要が出てくるので、脳みそのカロリーが減るわ減るわ…。 もしかしたら日本国外、特にアメリカで教育を受けた人たちはもっとオッペンハイマーという人物に関する基礎知識がそもそも豊富なのかもしれないと思いましたね。我々日本人の彼に対する知識が平均より下回ってる可能性はあるでしょう。だから余計にハードな作品に感じると。 日本でも彼について学ぶ機会が増

      • Weekly Howl 『君たちはどう生きるか』回

        ラジオで話したことの追記です。 ⬇︎⬇︎⬇︎⬇︎⬇︎⬇︎⬇︎ 音楽トークラジオ Weekly Howl 「君たちはどう生きるか」 ⬆︎⬆︎⬆︎⬆︎⬆︎⬆︎⬆︎ 番組の収録後、私は3回目の鑑賞をしました。3回の鑑賞で導き出した一つの答えがあります。 それはこの映画は『音楽を聴く映画である』ということです。 いろんな方の批評を見ると、『抽象的な表現が中心の映画』という共通の認識があるようですし、私も同意します。 なのでこの映画を他の商業的コンセプトを持った映画と違った向

        • あなたの味方のニューエイジ

          私が今ここで演奏しているambient/環境音楽というジャンルは、聴かれることを前提としない空間そのもののような音楽です。 演奏中、鑑賞に徹する必要もありません。雑談しても、スマートフォンを見ていても...むしろ聴衆がそうしているほうが、この音楽が流れている空間としては健全だと思います。もちろんパフォーマンスを観てもらうことも私は嬉しいです。 要は、日常と非日常が混在する、より解き放たれた空間を皆さんに味わってほしいのです。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

        ビートルズストーリーの真の終焉 〜”Now and Then”はビートルズの終活である〜

          Palm Thingsについて

          Palm Things(パルム・シングス)は、漂泊亭俳太によるアンビエント・プロジェクトです。TwitterやInstagramなどのSNSサイトで、定期的に作品を発表していきます。 作品は非常コンパクトな掌サイズです。演奏時間は5~20秒程度。これは、ブライアン・イーノのwindows 95の起動音や、茶器『樂茶碗』から着想を得たもので、現代のインターネット・メディアの特性を意識した作品でもあります。 これは、極限まで親しみやすく、作品の温度が感じやすい音楽です。溶岩が

          Palm Thingsについて

          Brian Eno “Ambient Kyoto” 京都中央信用金庫 旧厚生センター 京都レポート②

          前記事↑ 今回の京都旅行の本丸は、Brian Enoの音楽と視覚芸術のインスタレーション、”Ambient Kyoto”であった。 環境音楽を作り始めた僕は、このインスタレーションが開催されるという報を受け、これはしたり、とチケットを購入。 会場は京都駅近くの京都中央信用金庫 旧厚生センター。 今回の作品は5つ。 これらについて一つずつ、語っていきたいと思う。 なお、Ⅰ〜Ⅴまであるが、順番はめちゃくちゃになってしまった。許されたし。 まず、 漠然とした今回のイン

          Brian Eno “Ambient Kyoto” 京都中央信用金庫 旧厚生センター 京都レポート②

          京都 大徳寺/瑞峯院 利休の茶室『待庵(復元)』 京都レポート①

          久々の関西でのライブが決まった。 いつも演奏させてもらっているSPENSRの、心斎橋でのライブに帯同した。 本当は当日中に東京に戻る予定だったけど、僕だけ泊まって、翌日京都へ行くことにした。 目的は2つ。 ・千利休の最高傑作の一つと評される茶室『待庵』のオリジナルを復元した『平成待庵』を見学する ・Brian Enoの音楽と視覚芸術のインスタレーション『Ambient Kyoto』へ行く この2つは自分の中で同じ文脈で繋がっていて、今回体験して非常に感銘を受けたので、一つ

          京都 大徳寺/瑞峯院 利休の茶室『待庵(復元)』 京都レポート①

          THE WHOのLIVE AT LEEDSとJIMI HENDRIXの話

          ザ・フーの『ライブ・アット・リーズ』は、1970年に世に放たれた、60年代の混沌を包括して音で表現しパッケージングした稀有な作品でしょう。英国リーズ市にあるリーズ大学で行われたパフォーマンスは、凄まじく暴力的で有機的です。その有機性こそ60年代後半のロンドンが『スウィング』していたという事実を物語っており、フーがそれを世界に知らしめたといって良いでしょう。 この作品の、とりわけピート・タウンゼントのギタープレイの背景には、ジミ・ヘンドリクスの存在が大きく影響していると思いま

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          ザック・スターキー徹底解説

          ザック・スターキーはビートルズのドラマー、リンゴ・スターの息子であり、ザ・フーのキース・ムーンの弟子である。そして僕が最も影響を受けたドラマーと言っていいと思う。 キース・ムーンの弟子といっても彼から直接ドラムを教わったことは無いそうで、よく自宅に父のリンゴを訪ねてきては、ザックや弟のジェイソンに女の子の口説き方を教えたりしていたのがほとんどだったそうだ。 そんなザックが誰よりもキースの魂を継承し、ファンの涙を誘うほどのプレイをザ・フーで炸裂させているのは物凄くドラマチッ

          ザック・スターキー徹底解説