クリストファー・ノーラン監督作『オッペンハイマー』所感
約3時間の大作。結構体力使う。
その所以は物語が進むにつれ登場人物がどんどん増えていき、その人物間の複雑な人間関係などを細かく把握する必要が出てくるので、脳みそのカロリーが減るわ減るわ…。
もしかしたら日本国外、特にアメリカで教育を受けた人たちはもっとオッペンハイマーという人物に関する基礎知識がそもそも豊富なのかもしれないと思いましたね。我々日本人の彼に対する知識が平均より下回ってる可能性はあるでしょう。だから余計にハードな作品に感じると。
日本でも彼について学ぶ機会が増えるきっかけになったりすれば、よりこの映画を日本でも公開した意義というのが生まれてくるのではないでしょうか。
クリストファー・ノーラン氏の作品は全て観ている訳ではないのですが、正直すごく好きかと言われるとなんともいえないところでして…。
これは私の映画に対する理解がまだ未熟であるところがあるからだと思っているのですが(謙遜ではなく素直にそう思う)、特に劇中の音楽…全てではないのですが、あまり映像と音楽が良い化学反応を起こせていないと思っていて、今作にも同じような印象を受けました。
音楽が映像やストーリーの補助にしかなっていない感じがして、正直監督本人があまり映画音楽に興味がないのかな?と思ってしまうのですが、何かその辺の情報を知っている方がいましたら教えていただければ幸いです。
さて、我々にとってとても重要になる原子力爆弾について描いている部分なのですが、正直その部分が一番没入できて、体感時間も短かったような気がしますね。というかそれ以外の部分が長い…。
没入できたといっても、必ずしもポジティブな体験とは言い難く、私も日本生まれ日本育ちの人間ですから、正直ストレスを感じた部分もありました。ある程度の心的な負担は覚悟した方がいいと思います。
しかし、そういった描写も、被爆国日本に生まれ育った我々の感情を軽視しているといったような印象は、個人的には感じませんでした。
この映画には通底して、原爆投下への反省の姿勢が伺えます。
ハリウッド映画が今の時代にこのような作品を世に放ったということは、一定の評価をするに値すると思っています。
以上がざっくりとした作品に対する所感ですが、より繊細なニュアンスが必要となる事柄は、音声メディアなどで語りたいと想っています。
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